妹の部屋にあったお菓子箱を誤って落としてしまい中身がばらまかれてラブレター的なもの(下書きと書かれてある)を見つけてしまった件について
こんにちは。
今日は、あなたと少し話せました。
少しです。はい。ほーんの少し。
それだけでドキドキしてしまうんですよ私。
廊下ですれ違った時なんか目も合わせられない。
まああなたは気づいてないでしょうけど。
そんなもん。
はぁ。
どうしたらもっと仲良くなれますか?
どうしたらもっと普通に話せますか?
どうしたらあなたに、恋の魔法をかけることが出すか?
分かりません。
そうだなぁ……それでも、いつか。
いつか、私を好きだと思ってくれませんか?
いつか、私を大切だと思ってくれませんか?
いつか、私だけのヒーローになってくれませんか?
お願い、聞いてください。
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これ……日記?それとも、ラブレター?
俺は、膝たての姿勢のまま、薄暗い部屋の中で便箋を見つめる。キレイとは言えない不器用な妹の字が、かわいらしい想い出を綴っている。
なんで隠してたんだろ?
って、乙女心によるものだろうから分からないけど。
なんでこんな、しかも『下書き』って書いた便箋に書いたんだろう……
とりあえず、もう1枚、読んでみようか。
白い花びらみたいにばら撒かれた『下書き』便箋から、もう1枚手に取った。
長いタイトルにしたくせに何も始まらなくてごめんなさい