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プロローグ『宣戦布告』
──「世界」は、その悪辣さをもって、人に不幸をもたらす。
運命。偶然。そんな言葉によって人の命は、魂は、いとも簡単に踏み躙られる。
俺は、それを許さない。許せない。
『神』と呼ばれるそれも、ただ一柱を除いて、この「世界」の仕組みの一端であり、人に天罰という名の身勝手を押し付けるクズでしかない。
例外の一柱でさえ、「神」のルールに縛られ、この「世界」の秩序を守るための行動をとらなければいけない。
結局、人の命というのは「世界」にとってはどうでもいいんだろう。他の生物と同じように。
俺はそんな「世界」に、その感情のない悪意に、機械の悪意に、何度殺されようとも、何度その力に屈しても、決してあきらめず、何度でも否を叩きつける。
俺は、それをしなければならない。自分自身の魂に誓ったのだから。
──決して、もう二度と失わないために。