表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5 復讐の始まりⅰ

少し長くなったので二つに分かれてしまいました。2話投稿します。

平仮名表記があるため、読みにくいかもしれませんが、ご了承ください。

彼女の部屋を家族と彼女を断罪したメンバーで訪れるとそこには古ぼけた日記と手紙があった。それは彼女と死んだ母親のものだった。


 日記は、5歳に殿下の婚約者となった日から綴られていた。そこには、彼女が大好きな殿下の婚約者に選ばれて嬉しかったこと、彼と共に国を治めるために王妃教育を頑張るなどと書かれていた。他にも、家族のことが大好きだがみんなの最愛の母を奪ってしまったことを後ろめたく思っていたり、勉強や武術を競い合えるものができたと書かれてあった。



・○月○日 5歳

 あしたはこんやくしゃにはじめてあうひ。どきどきするわ。どんなひとかしら。


・○月○日 5歳

 きょうはこんやくしゃにはじめてあった。とてもきれいでかっこいいひとだった。あのひとのためならおべんきょうもがんばれるわ。おかあさま、おうえんしていてね。おてがみがみつかったけどだれかにみせたほうがいいかしら?でも、だれもわたしとおはなししてくれないからむりね。

<今日の会った婚約者の目も使用人が私を見る目と同じ。前世の記憶など思い出さない方が良かったかしら。手紙はこの日(復讐の日)のために用意したもの。本物ではないけれど、やるのなら徹底的にやらなくては。>


・○月○日 6歳

 きょうは私のたんじょう日。きょねんはおいわいしてもらえなかったけど、ことしはどうかしら。おとうさまたちはいそがしいのね。でも、わたしはみんなのことがだいすきだわ。はやくあいたい。

<私の6歳の誕生日。わかってる。どうせ今年も祝ってなどもらえない。彼らにとってこの日は母の命日であり、忌み嫌う私の生まれた厄日なのだから。>


・○月○日 7歳

 今日、おうひさまにほめられたの!7さいなのにお勉強がよくできてるって!とてもうれしかったわ、大好きなのあの人の力になれるから!

<今日、王妃様に褒められた。彼女と陛下だけは私を、私自身を見てくれる。だから王妃教育も真面目に受ける。例えその努力が意味のないものだとしても。>


・○月○日 9歳

 今日、家に来た人の話を聞いてしまった。私はお母さまを殺してしまったみたい。だから、家族は私をあいしてくれないんだって。ごめんなさい。ごめんなさい。お母さまをうばってしまってごめんなさい。それでも、私は家族が大好きなの。ごめんなさい。思いだけは口にしないから心の中ではあいさせて。

<私がいるって気づいてるのに、あえて母の話をする人たち。ここには性格の悪い人しかいないのか。息が詰まって苦しい。早く解放されたい。>


・○月○日 12歳

 今日、王妃教育が終了した。いつもより3年は早く終わったらしいわ。すごいことだと褒められた。でもお父様たちは私を褒めてはくれない。だから、期待するのは今日でやめよう。大丈夫。私は一人でも大丈夫。12年間一人で頑張ってきたもの。

<王妃教育が終わった。これで自由に動ける時間が増える。今よりももっと魔法を身につけなければ。全てはあの日のために。あと、ギルドにも行かなくては。>


・○月○日 14歳

 今日はデビュタントの日。殿下は一回踊ってすぐご友人の元へ向かわれてしまった。ずっと一緒にいてくださるとは思ってなかったけれど、正直悲しい。けれど私は次期王妃。この国の未来を背負うものだから。前を向いて進み続けなければならない。涙を流すのは今日でおしまい。だから、今日だけは…。

<今日のデビュタントのドレスを送ってくださったのは王妃様だろう。なぜあんなに人の良い人から、こんな男が生まれるのか。いや、こんな態度を取るのは私だけなのかもしれないな。にしても、この男に常識というものは備わっていないらしい。早く学園に行きたい。>


・○月○日 15歳

 殿下が最近平民の子と一緒にいるのを見かける。とても羨ましいと思うけど、あの子と私は正反対。だから勉強も剣術も頑張るけれど、その度にヴィド様やヨハン様に睨まれてしまう。私にはない強さを彼らは持っているのに、その事に気づけないみたい。教えて差し上げたいけど、話しかけることも許されないみたいだわ。

<ゲームのストーリーが始まった。やはりヒロインも転生者。あと1年の辛抱だから、今彼らに負けることは許されない。ヴィドやヨハンはいつ気づくのだろう。私を目の敵にしすぎて自分を見失っていることに。>


・○月○日 16歳

 明日、私は婚約破棄をされるだろう。無実の罪で謝罪を強要され、殺されるかもしれないのなら、私は自分の手で私を殺す。今までずっと一人で生きていたから。最後の最後に私の尊厳を奪わせたりしない。お母様、やっとお会いできます。ただ一つ、可愛がってくれた王妃様と陛下に申し訳ないわ。

<日記を書いてみたけれど、意外と時間がかかってしまった。でも、劣化魔法がかけられていることに気づく人はいないだろう。やっと明日私は解放される。この家から。殿下から。記憶が戻った5歳の時から11年間この日(断罪の日)のために準備してきた。彼らはどんな顔をするだろう。楽しみだ。>


 そして母の手紙には…


読んでくださりありがとうございます。

復讐は続きます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 5話6話で主人公がただのかまってちゃんに見えて残念。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ