二十六話 3人の少女
二十七話です。
よろしくお願いします。
午前の訓練終わり、ダリアは食堂でいつも注文ふる『サーモン詰めロールキャベツ』の料理が乗ったお盆を持って、空いている席を探していた。
月が変わると、食堂のメニューが一部変わるためか、やけに人が多かった。
遠くの方で席を探すダリアを見て、とある一つのグループで話題が上がった。
「ねぇ、あの子1人かな。」
「んー、食堂でよく見るけど一人でいるとこしか見たことないかも」
「右に同じだ。」
それを聞いて、話題を始めた一人は席を立ち、「じゃあ、誘ってくるね」
とだけ残して行ってしまった。
「あらら、初対面なのにね。君はいいのかい?」
「ウォートの好きにさせておけ。」
そして、金髪の少女はダリアの前に立った。
「ねぇ、一緒に食べない?」
「え、えぇと。」
(あの時の金髪の子、だよな。)
ダリアは騎士団に入って、必要時以外で話しかけられるのは初めてだったので、自然な会話すらままならないほど、一時的にコミュニケーション能力が欠落していた。
「あ、私ウォート=アモネっていうの。他にも友達がいてね。すっごく面白いから、すぐ慣れると思うよ。ね、大丈夫」
そう言って、ウォートはダリアの腕を引いて、他2人のもとへ連れて行こうとした。
「え、あ、うん。」
(何が?)
まるでキャッチセールスのような強引さにダリアは困惑しながらも、仕方なくついて行くことになった。誰だかわからない、知らない他2人のもとへ。
ウォートに連れられ席に座らせされると、ウォートもダリアの隣に座った。
どう見てもやっぱり知らない人と、なぜだか席を一緒にしているためか、顔を合わせても沈黙が流れる。とても気まずい。
と、正面に座る黒髪の少女がじっとこちらを見て聞いた。
「年はいくつだ。」
「じゅ、14」
それを聞いた、黒髪の少女の隣にいた三つ編みの少女も口を開いた。
「あー同い年だったんだ。てっきり一個上とかだと思ってた。私コスモス=ステラ、よろしくね」
「う、うん」
ダリアはコスモスと軽く握手すると、コスモスは続けて言った。
「これはアザミ=ユリオプス。初対面で早々堅いやつって思ったかもしれないけど、仲良くしてやってね。」
コスモスという少女は、なんだかダリアを観察するよあに笑顔を作って話してきた。それに気づいたダリアは、とてつもなく性格の悪いやつだと感じて、あまりいい気分ではなかった。
「じゃ、同じ団員同士、明日から一緒に食べようね」
若干空気が重いのをかき消すように、ウォートは仕切り直してダリアに微笑んだ。
なんとも柔らかく陽だまりのような笑みに、先程までのコスモスの嫌味による苦い気分が晴れた。
話しているうちに冷めてしまった、サーモン詰めロールキャベツを口に運び、美味しい時を逃した虚しさをキャベツと共に噛みしめた。
またアザミはじっとこちらを見て言った。
「お前、戦神だとか言われるほどに剣の腕が立つらしいな。うちの団は午後は各自の自主訓練が日課だ。勝負しろ。」
「えー、会って早々何吹っかけてんのさ。てか絶対負けるよ? 君も乗らなくていいからね。」
コスモスは新人が断りやすいように、施しのつもりで言ったが、ダリアは反対にその話に乗ることにした。
「いや、いいよ。面白そうだな。それ」
「え」
一方、ウォートは止めもせず、話に入ろうともせず、ただその光景を見ていた。
お疲れ様でした。次話もよろしくお願いします。




