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花束を摘む  作者: 金川都
一、消えた英雄
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十四話 決別のために

十四話です。

よろしくお願いします。

「見て、ダリア。いっぱいあったよー」

 コスモスは呑気に豪華なケーキを皿に乗せれるだけ持ってきては、目を輝かせている。仕事はどうしたんだよ。

「お前、太りたくないんじゃなかったのか。 万年ダイエッターはやめたのか?」

「イベント時は食べてもいいの。ただのチートデイさ!」

 まじ言い訳にしか聞こえない。肥満を気にする体型でもなかったので、それ以上は言わないけどな。


「もう会えなくなるなら、もう少ししつこくつけ回したいかも。ふふ」

「そう思うのか?」

 コスモスは多分、自分なりに理解してくれたんだと思う。いや、理解というよりかは、諦めなのかもしれない。


「君がいなくなって、また会えた時はちょっと嬉しかったよ。驚きもあったけどね。剣が使えなくなっていたなんて。今はもう大丈夫なようだけど。」

 人を嘲笑うように、冗談ばかり言うコスモスから本音を聞くのは、なんとなく照れ臭くて、目を逸らし気味に返した。

「ああ」

「本当にこれでお別れだね。この後アザミを説得するの手伝ってあげようか? 通じないと思うよ。あのカチカチ頭。」

 コスモスはアザミが立っている方に指をさして、ケラケラ笑っている。

 まぁ、今の問題はそうだ。場所も考えないと殴り合いになったら、あいつも騎士長の立場が危うくなるかもしれない。


「頼む」

「おっけー、任せて。」

 すごく自然にコスモスが拳を見せたので、流れに乗って拳を合わせた。こんなことした事はなかった気がするが、これは、まぁ、ありだな。



 終わりだ。最後だ。14から騎士になって、お前らに出会った。戦争は嫌なことばかりだったが、それでも戦のない訓練の日や共に過ごした休日は楽しかった。散々迷惑をかけた。

 一匹狼の私をむりやり連れ歩いては、興味もないものに付き合わせた。疲れて嫌だったから、休日はアザミの家に転がり込んだっけな。そしたら、ウォートを連れたコスモスが出かけようだ、なんだと押しかけてきた。

 団長には問題児だと言われ、忙しない、疲れる、目まぐるしい日々だった。


 コスモスは今もこうやって押しかけてくるけど、もう充分だよ。思い出が背中を押してくれるんだ。叶うなら、また4人でいたかったんだ。信じて待ってたんだ。


と、今朝。朝一の海にオトギリソウとアネモネの花冠を花がしたことを思い出す。オトギリソウの別名セントジョーンズワート(ウォート)が帰ってくるように、自分を救ってくれる人が来るようにと、アネモネの花にそう祈って、バリス大戦後から毎年2種の花を流していた。


 私たちは戦で繋がれた絆だ。だからこの平和な時代にそんな鎖は存在しなくなった。ウォートが言った『一度全ての責任を捨てよう』の一度というのは、それっきりのことで、救ってくれる誰かというのはお前のことだけだったのかもしれない。

お疲れ様でした。

次話もよろしくお願いします。

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