表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花束を摘む  作者: 金川都
一、消えた英雄
11/29

十話 朝日を食む

十話です。

よろしくお願いします。

 三年前のバリス大戦でウォートが死んだ。ダリアが戦い続けた理由が、生き抜くためじゃなく、仲間を、友人を守るためなら、今の私達はもう友人ではなくなってしまったのかもしれない。ただの腐れ縁だと思うと、なんだかやるせなかった。


 翌日目が覚めると、ソファーで寝ていたダリアはとっくにいなくて、置き手紙だけ置いてあった。

《パン屋は朝早いし、配達があるから私はいないけど、朝食置いとくからな。食べたら皿はお姉ちゃんに渡しとけ。 ダリア》

とだけあったので、近くのテーブルにあったサンドウィッチを頂いて、下の階は降りた。


「コスモスちゃん、おはよう。よく眠れた? サンドウィッチはどう?」

 ガーベラさんは、従業員の女の人とパンを焼いていて、今日も忙しそうだった。

「はい、よく眠れました。とても美味しかったです。この皿、洗っていきますね。」

「えぇ、いいの? ごめんね。」

「いえ」


 皿一枚を洗っている後ろで、会計のお兄さんが品出しのために動き回ってるのが振動が床を伝ってよく分かった。それだけで、ここがどれほど有名なのかもわかる。

 不意に、ガーベラさんが聞いてきた。

「ダリア、昨日は何か喋ってたかな。騎士に戻るって?」

 やっぱり、お姉さんもその辺は気にしてたんだ。昔からこの姉妹を見てきたけど、お互いのやり方にどうやら干渉しようとはしないみたいで、兄が二人いる私とは少し違った雰囲気だ。


「いいえ、むしろ真逆で戻りそうにないんです、」

 少し困った顔で笑って見せたから、お姉さんはさらに心配そうになってて、申し訳なかった。

「騎士の方が給料はいいのにね、どうしてなんだか、あははは」

と窯を見逃したら、一緒にいた女の人が何かに気づいて声をかけた。

「ガーベラさん、そっち焼けてるから出して。」

「はいはい」

 ガーベラさんは慌ててミトンをつけてパンを取り出した。


「じゃあ、これでお暇します。昨日は押しかけてすみませんでした。」

 思えば、あまりに急なことだったから、今更恥ずかしくなって、お辞儀は深くした。

「ううん、またおいでよ。これ、お土産に持ってって。」

「す、すみません。」

 手渡されたのは3種のパンの包みで、チョコレートのや、ベーグル、サンドされたものだった。

 


 それから一歩外に出た私は、口笛を吹いて、事務仕事の毎日に戻った。

お疲れ様でした。

次話もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ