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4-14.理という名の設定

今回も説明回です。

 えっと……。あのですね。なんでしょうこの状況は。


 美女が俺を抱えて微笑んでいる。

 ていうか微笑んだきり約10分近くも何も反応ないんですが、ナニコレ怖い。


 思い出したように美女が俺の顎を撫でながら話しかけてきた。

「お目にかかれて光栄ですわ。神獣様」

 いや、だから誰だよ。

「自己紹介が遅れました。私は植物を司る植物神と豊穣を司る豊穣神にお仕えする精霊ドリアードが一人。ミリアと申します。本来の姿ではあなた様をこうしてお迎えすることができませんので、この姿で失礼いたします」

 ドリアード?あれか半植物みたいなやつか。

 てか、精霊に神だって?

 あの女神以外に神なんているのか。あ、そういえば、突然現れたあの男。同僚とか名乗ってたな。てことはその類いのやつなのか。

 ……まともなやつな気がしねぇ。

「精霊は神々にお仕えする存在。あなた様のように高位の存在ではありません。長年、魔力不足で冬眠状態にありましたが、あなた様のの魔力でこうして現界することかできました。本日はそのお礼に参った次第です」

 へぇ。魔力でねぇ……。

「それにしても、なぜ人のような姿なのでしょう……私はてっきり獣の姿になるものとばかり……」

 ん?どう言うことだろうか?よくわからんな。この姿だと喋れないから聞いてみたいんだが、1日3分くらいしか人の姿になれないしなぁ。ここで使って良いものか……。

 まぁ、しょうがないか。できれば、今日もグレイと話したかったんだが。


 俺は彼女の腕から逃れて人化を意識する。

「まぁ。驚きましたわ。まさか人の姿になることができるとは。流石、高位の存在ですね」

「いや、まぁ。その高位ってなによ?」

「あなた様からは私たちが仕えている神々より、より高位の力を感じます。それこそ大神か、もしかしたらそれ以上の……」

「待った待った!?大神?なんだそりゃ?」

「大神をご存じないのですか?」

「あー、俺、これでも女神に転移させられた存在で……ってなんて説明すればいいかな……」

「はいはーい。ストップストーップ!」

 え?今の声は……。

「……今のは女神か?」

 ってちょっと待った。

 なんか違和感。

 なんだろうと思ったら、多分、この前のあれだ。時間……というか空間止めるやつ。

 俺とミリアさん以外止まってるわ、これ。

「え、えぇ!?頭の中に直接、それに子の周りの状況は……、これは一体……」

 ほら、ドリアード……ミリアさんも困惑してるじゃないか。

「そこからはこちらで説明します。そこの精霊もよく聞いておいてください」

 ミリアさんにも聞こえているのか……。こいつは何で慌てて出てきたんだろう?

「まず、多夢和さん。精霊というのはその世界の下級神の下働きみたいな存在です。その上に六大神がいて、更にその上に創造神がいます。ここまでは何となく想像出来ますか?」

「何となく……」

 いってはなんだけどよくある設定だし問題ないな。

「で、その創造神は私が作り出した……言わば眷属的な存在です。なので私の使徒というか、部下みたいなものである、あなたとは同格の存在になります」

 同格?いや、そんな勝手に同格とか言われても……てか誰が部下だよ。無理やり拉致っただけじゃん。

「で、その子は創造神が作り出した、上級神が作った下級神の部下です」

「えーと、つまり?」

「使徒としての格が違います。以上、説明終わり」

 えぇ……俺、そんなヤバイことになってたの?

「そして、そこの精霊」

「は……はひ」

 ミリアさん声裏返ってるし。可愛いなぁ。

「この件に関して一切の他言を禁じます。もちろん、私の存在の件を含めて、下級神……。あなたの場合は植物神ですかね。ともかく禁止です。()()()()()()発動」

「え……」

「お、おい。何して……」

「あー、ちょっと世界の理レベルでの問題がありまして」

「どういうことだ?説明しろよ」

「わかっています。今から説明します」

「えっと……、私はどうしたら……」

「とりあえず、聞いてていいですよ。そしてこの世界で多夢和さんを助けていただけると助かります。

 さて、多夢和さん、彼女は精霊という種族の一人です。基本的には人類より上位の存在で通常、人界で顕現することは稀ですが、術者の魔力や願いの強さにより、顕現することがあります」

「魔力?でも俺、呼び出したりしてないぞ?」

「あなたが本体の側で膨大な魔力を使用したので起きちゃったんでしょうね」

 膨大な魔力?なんのこっちゃ?

「私の本体はあなたが動かした木の一本です」

「あぁ、なるほど」

 あの洗濯機魔法の中にいたのね。納得。

「おっほん。この世界には神という存在がいることは先ほどお話ししましたね。私は『世界の元』を作った神、創造神というのは私が作った……、まぁ管理者とでも思っていてください。わかりやすく言うなら店長業務のためのロボットを自作した、とでも思ってくれていればいいです。

 で、この神は下働きの神を作ったわけです。それが六大神、すなわち上神である、光の神「オーディナ」、闇の神「アドラガン」、火の神「アダナ」、水の神「イスティマ」、地の神「ウステン」、風の神「エキドール」。

 しかしそれだけでは仕事が回らないので様々な理をつかさどる、加神を作り出しました。これはもうものすごくいっぱいいます。

 そしてその加神は仕事を円滑に進めるため、さらに下級の存在を作りました。それが精霊です。

 この世界には人間族、エルフ族、ドワーフ族、ウィンディア族、フィルボル族、魔族が生活していますが、これらはそれぞれ、光・水・火・風・土・闇の神が作り出した存在です。そしてこのほかに、彼女のように加神によって作られた精霊や妖精、創造神によって作られた天使と悪魔、同じく創造神によって作られた竜族等がいます。この辺りがその世界のメインの生物の起源になります。他に動物、植物等は加神によって作られた存在ですね」

「魔物、魔獣というのは?」

「それは、動物を作る際、魔力に適応した個体や適応できなかった個体が種として固定された存在ですね。大雑把に適応すれば魔物、魔獣と呼ばれ、出来なければ動物に分類されます。また、適応しても制御し、多少の理性を備えれば魔物、制御出来なければ、魔獣と呼ばれます。……本当はもう少し複雑ですが。この他に魔法生物とか機械生物とか異物が紛れ込んでいたりとかしますが、まぁ、大雑把にはこんな感じです。その種族達で世界が作られている……と言う設定です」

 設定!?設定って言ったかこいつ。

「ともかく、多夢和さんは私が送り出した存在ですので、いわば創造神と同格、いえ、現代で言うなら本社から送られてきた監督官位の地位にある生物になります。その上で、新たな種族、獣人を作るのが貴方です」

 ふむ、なるほど?

 で、何で行きなりそんなことを?

「察しが悪いですねぇ……、この事は、『()()()()()』として、そこにいる精霊や創造神として崇められている者さえも知らないことです。もちろん、セーフティーとしてより上位の……例えば私なんかには逆らえないようにしてはいますが」

 じゃあ、お前が出てきてちょちょいとやればすむ話だったんじゃないか?と、少し思わなくもないんだが。

「そんなことしたら、おもしろくな……こほん。文明が多様性を持てないではないですか。我々は完成された一つの世界を作りたいわけではなく、様々な多様性をもった世界を作成、管理するのが仕事なのです」

 こいつ、面白くないとかいわなかったか?まぁ良いか。

「で、その件をいま話してどうしようって言うんだ?」

「端的に言えばそこの精霊にも手伝ってもらおうと思いまして、多夢和さんへの説明と精霊への説明を一緒にまとめてやった次第です」

「わ、私に手伝いですか?」

「えぇ。彼はこれから文明を発展させる上で欠かせない存在になってくるでしょう。その時、貴女の力が必ず必要になってきます。それを手伝ってください。いえ、手伝いなさい。植物神だけには私の方から話しておきます。いいですね?」

「わ、わかりました」




 酷いパワハラを見ている気がする。

 こいつ、そのうち反乱でもされるんじゃなかろうか。

この世界においての上下関係は、

女神>創造神>神>加神>精霊>人間たち

   ↑

多夢和君はこの辺り


割り込み投稿しようと思ったら、仕様がよくわからなかったので断念。

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