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3-4.魔を喰らう

2/3

ドラディオさん→ドラディオに統一。

 それにしても……。

 見れば見るほどにこの腕、アニメの世界だなぁ。

 巨大な機械の腕ってだけでもそうなんだけど……。

 俺が注目したのは肩の部分。

 若干土に埋まってはいるがこれは、新幹線の車両だろう。

 それも0系といわれる、鼻の丸いタイプの昔の車両だ。

 あと、腕についてる若干赤い塗料のわかる部分、これ多分、消防車だ。

 キャノン……というか、二連装の巨大な砲台のような形をしているが、その上部についた梯子のような部分。たぶん間違いないと思う。


 いや、ファンタジー感ぶち壊しだろ。

 せっかくファンタジーの世界に来たのに崇められているのが新幹線や消防車が引っ付いた腕って……。

 いや、むしろこれもファンタジーといえばファンタジーか。


 昔見たアニメを思い出す。

 宇宙から来た機械生命体が地球を滅ぼそうとするが、別の機械生命体が戦う物語だ。

 当時の最先端の兵器や、子供に人気の働く車両を変形・合体させて戦う姿には子供ながらに興奮したものだ。

 ちなみに、俺のお気に入りは、機関車と新幹線と飛行機が変形合体する主人公の者だった。

 最終回が衝撃的過ぎて、今でもよく覚えている。

 もちろん、ほかの作品もよかったが。

 最近あれ系の作品をめっきり見なくなって寂しくなったものだと思ったものだ。



「で、あのシリーズにそっくりな機械の腕があるわけなんだよなぁ」

 気づいたら声に出してつぶやいていた。

 まぁ、どうせ誰にもニャーとしか聞こえないんだけどねー。


「え?今、声が……ア、アレクシス様!?」


 は?

 今なんて言った?

 声がっていったか?

 もしかして俺のつぶやきが聞こえたのだろうか。

 考えすぎかな?


 ドラディオが俺を抱きかかえ、俺に対して聞いてくる。

「まさか、ついてきてしまわれたのですか?」

 いや、すみません。ズルしてさっき来ました。

 にゃーん。

 まっすぐに目を見て伝える。

 伝わらないだろうけど。


 ん?この久しぶりの感覚は……。

 俺は自分の中から魔力が消費されたのを感じた。

 そして、ドラディオがぼーっとする。

 これはまさか……。


「なるほど……。いえ、失礼いたしました」


 おや?何か納得してくれたようだ。

 んー。しかし、これはシャルロッテさんやじぃやさんたちの時と同じだな。

 ちょっと検証しないといけないかも。

 有力候補は魅了や魅了の魔眼あたりか?


 おっとそれよりも、像?っというか腕を回収しよう。

 そのうえで可能であれば全員を城に転移させよう。

 一週間ついて回るのは流石にめんど……もとい、危険なのでサクッと移動したい。


 ん?なんだこの匂い?魔獣か?

 なんだか怒ってるような……?

 いや、これは敵意か?

 ドラディオたちは気づいてない。

 例の腕にロープをかけて移送の準備をしている。


 すぐに俺たちの背後から草木をかき分けて、二匹の白い狼が飛び出してきた。

 けど、こいつらじゃない。

 こいつらはむしろ追われてる方か?

 その後ろ、何かいる。

 よくよく見てみると後方に追いかけてきている巨大な影があった。

 これは……棘のある体、塊のある尻尾、嘴のある顔、重量感のある四足歩行、アンキロサウルス?

 俺の知ってるアンキロサウルスより、だいぶトゲトゲしい感じなんだが。


「む?これは、スノウウルフ?」

 飛び出してきた狼がドラディオの後ろに隠れるようにまとわりつく。

 ドラディオ、そんなことよりやばいの来てるんだがな。ほら来た。

「これは!?ハンマーテールヘッジホッグ!?皆さん!災害級です!下がってください!」

 ほう、こいつはハンマーテールヘッジホッグっというのか。

 ヘッジホッグってハリネズミ?どう見てもそうは見えない。どう見ても哺乳類じゃなくて恐竜だと思うんだが。

 さっきの狼……スノウウルフはこいつから逃げてきたのか?


 っとそれよりも。

 まずはこいつを何とかしないとな。

 こっちに一直線に向かってくるハンマーテールヘッジホッグに対して、どうするか考えてみたが、めんどくさくなってきたのでとりあえず、ヴォルガモアになることにした。

 見た目だけならこっちも凶悪だぞ。

「え!?は!?ア、アレクシス様ですか!?」

 ドラディオさんが驚愕の声を上げた。

 まぁ、気持ちはわかる。が、今はとりあえず目の前の対処だ。

 っておぉぉぉぉぉ!?

 俺の頭にテールハンマーヘッジホッグの尻尾の鉄球が当たる。

 が、それはガンッという重たい音と共に俺の頭にはじき返されてしまった。

 こっわ!!まじ怖い!!

 ステータスがチート的で助かった。


 よろけたテールハンマーヘッジホッグの喉元に噛みつく。

 ちょ、暴れんな!

 押さえつけるために力を籠めるとテールハンマーヘッジホッグは断末魔のような声を上げ体を横に倒してしまった。

 そして、ゴキリと不快な音を立てて、動かなくなってしまった。

 うーん?意外と弱い。こんな凶暴な見た目だったからもっと苦戦するかと思ったんだが。

 いや、今はステータスが高いことを喜ぼう。

 さて、ドラディオたちは平気かな?


 振り向くと、ドラディオたちは呆然と立ち尽くしていた。

 驚いたようにこちらを見ている。

「まさか……、災害級の魔物をたったの一撃で倒してしまうとは……」

 災害級かさっきも言ってたな。

 どのくらい強いんだろう。

 そう思って俺はテールハンマーヘッジホッグの死骸に鑑定の魔眼を使ってみた。


[パーソナル]

 名前『-』

 種族『テールハンマーヘッジホッグ』

 種族ランク『B』『白金級』『災害級』など

 冒険者ランク『B』

 職業『-』

 称号『-』

 レベル『46』

 好物『ソンガの実』


[ステータス]

 体力『B+』

 潜在魔力『C』

 筋力『B』

 防御『B』

 敏捷『D』

 魔力『D』

 知力『D+』

 器用『E』

 対魔力『C』

 統率『-』

 運『-』


[状態]

『死亡』


[習得スキル]

『破砕』(レベル:C)

『突撃』(レベル:C)

『尻尾攻撃』(レベル:B)

『狂戦士』(レベル:B)

『マーキング』(レベル:D)


 種族名『テールハンマーヘッジホッグ』

 系統『アンキロドン系対物特化』

 ランク『Bランク・災害級』

 種族スキル『破砕』『突撃』『尻尾攻撃』『狂戦士』

 説明『硬い皮膚に複数の強固な棘を持ち、尻尾の先にハンマーのような塊を持つ四足歩行の生物。基本的に温厚な生物だが身の危険を感じると狂戦士化し見るものすべてを手当たり次第に破壊し始める。尻尾の先にある塊は非常に強固で、岩を簡単に砕いてしまう。硬い外角は特殊な液に浸して柔らかくし、加工し乾燥させることで一級品の鎧や盾として利用される。なお、哺乳類ではなく爬虫類の近縁種。現代でいうところの恐竜に近い種』



 あ、死体の判別も問題なくできるのね。

 よく考えたら、素材とかも出てたっけ。

 素材ってことはぶっちゃけ、動物とかを殺して皮とか骨とか肉とかを加工したものってことだ。

 ん?もしかして素材から元の生物も鑑定できたりするのか?

 今度試してみよう。


 おっと、ドラディオたちのケアをしないと。

 ん?なんだこれ。石?とりあえず鑑定してみよう。


 アイテム名『魔物の魔石』

 レアリティ『<変動>★☆☆☆☆』

 効果『魔石』

 説明『魔物や魔獣の体内に生成される魔力のこもった石。魔物によってレアリティは変動する。様々な魔道具や生活用品に加工される。魔物は魔物の魔石を食べて、レベルを上げたり魔力を貯めたりする』


 へー。魔物はこれ食べれるんだ。すげぇな。どう見ても石なのに。

 そうか、そうか。食べるのか。食べ……

 ……え?食えるの?これ。

 何というか、食いたい、という衝動が俺の中からおきる。

 あー、とうとう思考が獣寄りになってるのかな。

 ま、まぁ、こうやって分析できるってことは、まだ冷静に判断できる判断力があると思っておこう。うん。


 さてと、それじゃあ。




 いただきます。

遅くなって申し訳ありません。

プロットの関係でここから後ろの話を数度書き直すことになりました。

もう少し描写を詰め込むべきかと思ったのですが、この状態で掲載することになりました。


魔物…魔力を持った生物。

魔獣…生物が、魔力によって変質した生物。


スノウウルフ…魔力を持つシンリンオオカミ。スノウとついているが寒い地域に多いだけで寒冷地のみに生息しているわけではない。魔物。


3/13 補足です。

状態『死亡』とはこの世界では生命活動を停止してから48時間以内のことを指します。

この世界では一般的におよそ48時間が経過すると魂が肉体から分離すると考えられています。

このため、仮にこの世界に死者蘇生魔法があるとすると、48時間以内の使用が最低限となり、それを超えて使用をすると、どんなに完ぺきな状態で成功しても魂のないアンデッド化すると考えられています。

つまりバロンは48時間以上経過した後、なにかしらの要因でアンデッド化したと考えられますが、ネタバレするとこれには抜け道があるため自我を保てています。抜け道についてはいずれ語る機会がありましたら説明いたします。

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