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16-6.新町建設計画

 クラァーミアの里から戻ってきて2日が経った。

 昨日の夜に帰ってきた際に移民の事はシャルロッテさんとドラディオ、それと新しい町の設計を頑張っているナガヒデに話を通しておいたから多分、上手いことやってくれるだろう。

 そして、スカーレットさんとクリアント。

 彼女達には開拓民というか、新しくできる町を開発する労働者たちの護衛を頼んだ。

 最近、高ランクの魔獣が多くて戦闘が起きる機会も多いらしいし。

 もちろん、皇都の冒険者にも護衛は頼んでいるし、聞いた話だと、災害級が少なくとも3匹は出ているらしい。

 それぞれ、緑新、イーサン、シュバルトディーゲルに討伐されたらしいが。

 災害級の魔獣相手だと普通の冒険者にはちょっと厳しいらしい。

 強い冒険者、所謂災害級や戦争級でも災害級に近い冒険者ももちろんいるから彼らにも護衛の依頼は出している。


 目下の問題は範囲が広すぎることだ。

 氷室さんや遠藤氏、浪漫、リアリーゼにもギルドを通して依頼を出そうとも思ったが、彼らにもそれぞれ事情もあるし、皇都にとどまりたい理由もあるみたいだし。

 一応、白薔薇騎士団に最低限の派遣はしてもらっているが、騎士団のメンバーはそれぞれ150名ずつしかいないからな。この範囲の護衛をするのはオーバーワークだろう。

 となると、雇い入れの護衛を雇わないと開拓がままならない。


 ナガヒデの出してきたこの計画書だと新しい皇都を含めて最低4都市。

 皇都は別として、他の3都市は既に場所の選定も終わって労働者たちが整地作業を始めている。

 移住する住人や実際町として機能した際に統治する代官や文官たちの選定も進んではいるが。

 人手はあるけど適切な人間がいない、といった感じだな。

 護衛もその一つだ。

 もちろん、スカーレットさん達以外にセイメイやヨシナカ、ロドリゴの派遣も検討されてはいるが。

 まぁ、いずれにしても作業範囲が広すぎるし、その分時間もかかる。

 大変な作業になることは目に見えている。



 あぁ、もう。考えることが多いなぁ。




「大御屋形様。失礼いたします!」

 俺が執務室で考え込んでいるとナガヒデが執務室にやってくる。

 ナガヒデには珍しく焦っているのかどうなのかは知らないが、えらくバタバタと入ってくるな?

「お、おぅ。ナガヒデ。おつかれさ……」

「大御屋形様!」

 ダン!

 ナガヒデが机に抱えた書類を荒々しく叩きつけた。

「な、何をそんなに慌ててるんだ?」





「金が足りません」





 ……はい?













「国内の労働者への給金、知識人の雇用費、彼らのキャンプの創設の費用と諸経費。それに加えて労働者の護衛代、冒険者への斡旋料、関係各所への根回しに使った代金。正直、私に任されている予算では賄いきれなくなってきました。賛同していただいている貴族の皆様からの寄付や協力で多少は進んできましたが、圧倒的に金が足りません」

 なるほどなぁ。

 まぁ、そりゃそうだろう。

 計画されている都市は皇都を除くと4か所もある。

 それだけの労働者や冒険者を賄い続けられるわけがない。

「とりあえず、街道の中心となる皇都の南方、それにニヤァーベの里の近くの森で温泉を建設する予定地点は先行して整地に入ってはおりますが、彼らの雇用ももって二月といったところでしょう」

 二月か……それでも結構持つ方だが。

 ちなみに皇都を優先していないのは今のところ、この天空城が移動するすべがないからだ。

 ……より正確に言えば移動するすべはなくはない。

 ゴルディアンの移動機能を最優先で復活させるか、ヘリオンに巨大化してもらって引っ張ってもらえばいい。

 だが、転移門が開発できるかどうかという状況で先に移動するのはどうなのか、という疑問が残るし、聖地がほとんど必要ないとはいえ、平民たちが今後過ごす住居や公共を作って、町としての体裁を整えることの方が優先だろう。

 その辺りは事の住民を中心に進んでいるらしいから、彼らの自主性を尊重したほうがきっといい町ができる。ナガヒデが区画割をしていたのはあくまでもその手伝いだ。

「急ぎ過ぎたんじゃないか?けど、今から計画変更は難しいだろ?」

「申し訳ありません。功を焦っていたようです」

「それで?本当はどうするつもりだったんだ?」

 ノブナガから米五郎と呼ばれていたナガヒデの事だ。

 そんな彼が、功のためだけにそれだけ焦ったとも思えない。

「……お見通しですか。正直な話をしますと、アルトランド王国、そしてオーグマ帝国からの戦争賠償金と身代金を当てにしておりました。全額とはいかなくともこちらにも予算が多少は回せる、と。少しでも時間が稼げれば、後はある程度金策はできるかと思いまして」

 なんという自信。

 流石にそう簡単に金策はできないと思うけど。

「いえ、大御屋形様であれば必ず何かやらかすと思っておりますので。きっとこの状況もどうにかするだろうと」

 信用されているのかされていないのか。

 なんとも微妙な評価だ。


「で、結局どうするんだ?工事を進めないといけないんだろ?」

「はい。そこで、大御屋形様。一つお願いが」

「お願い?」

「一つ、各予定地の整地をお願いできませんでしょうか?」

「整地?」

 って別に俺じゃなくても……。

「はい、こう魔法でサクッと」

 ナガヒデが手の平をくいっと上げるような動作をする。


 そんな丸投げに事を言われても、そんなに簡単にはできるわけ……。




















 できちゃった。




 あるえぇぇぇ?

「あるえぇぇぇ?じゃないわよ。ほら次はあっちに仮の壁を立てるんでしょ?」

 あ、はい。すみません。急ぎます。

遅くなり申し訳ございません。

短いですが、遅くなってしまったので投稿しました。

実はほとんどの部分はずいぶん前に出来て来たのですが、21日から酷い風邪を引いてしまって遅くなりました。

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