表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/300

2-5.冒険者ギルドへ※

 軽く川を越え、時計塔?のような物の屋根下に取り付けられていた、鐘にあたって止まった。


 ゴーン、ゴーンと大きな音を鳴らし、俺は落下した。


 頭で鐘を突いたのは初めてだよ。

 昔のアニメじゃないんだから、まじ勘弁。

 痛くはなかったけど気分的には痛かった。

 グキって言ったよ!グキって!


 くっそ、適当にやるんじゃなかった!

 こういうのはちょっとずつやって慣れていかないとな。




 下を覗いてみる。

 高っ!?

 いやいやいやいやいやいや…、高すぎぃ!


 どうやって降りたものか……。


 ん?おい、影!いや、影さん!何してるんですか?

 影さん、招き猫状態!

 時計塔の影と一緒に落ちた俺の影が手招きしている。

 うーん?あ、そうか。影魔法か。

 解決策がわかったところで、いったん冷静になる。

 対処法がわかれば怖くはない、人間そういうものだ。……猫だけど。


 いったん冷静になると、確かめてみないといけないことがある。

 新しい種族を登録したからスキルが追加されてるんじゃないかと思った。

 ちょっと確認しよう。スキル欄を開いてみる。って、おおぉぉぉぉ!?


「基礎魔法」「基礎魔法知識」「妖精言語」「学習」「アシスト」「種族交流」「潜伏」「集中」「強襲」「ドッジステップ」「ダンスステップ」「ステップアタック」「飛翔の衣」「空間把握」「真空の刃」「トリックムーブ」「分身」「高速移動」「次元移動」「次元分離」「時空解析」「火魔法」「炎の衣」「火耐性」「風魔法」「風の衣」「風耐性」「水魔法」「水の衣」「水耐性」「土魔法」「土の衣」「土耐性」「招魔」「招魔統率」「ウォールアーミー」「集団統率」「王者の衣」「陣形」「分析」「分解解析」「アイテム鑑定」「オートマッピング」「探索」「千里眼」「森魔法」「テリトリー」「地形無視」「マッスルアップ」「巨獣化」「バーサーカー」「威圧」「恐怖攻撃」「暗部同化」「セイバーテイル」「剣術」「毛皮硬化」「斬撃」「跳躍」「疾走」「頭突き」「尾薙」「尻尾操作」「魔力感知」



 いや、多いわ!!

 あと剣術とかこの体でどうやって使えと!?

 相変わらず、名前からはどういう効果かわからないものもある。

 物騒なものも見えるがとりあえず、見なかったことにしよう……。


 とりあえず、「斬撃」「疾走」「頭突き」「尾薙」「尻尾操作」「魔力感知」以外はEX+で表示されている。

 そのEX+以外のスキルも「頭突き」「魔力感知」がEになっているだけで、AかCで表示されている。



 これもしかして「頭突き」はさっきとったんじゃないかな?

 さっきの鐘への頭突きがスキルとして登録されたんじゃないかな?

 ん~?検証が足りないな。

 先に検証しておこう。

 今いる部屋の中で何かないか探す。

 木箱があった。が、どうしよう。

 とりあえず、木箱をひっかいてみる。

 ……木箱が粉砕された。

 やべ!?力加減間違えた。

 幸い、中身は何も入ってなかった。

 ま、まぁスキルの検証にはなるかな?

 スキルはどうなったか…

 んー、それっぽいスキルは…増えてない。

 代わりに「斬撃」がCからBになっていた。

 スキルの上昇も早いな…


 んー、もう一回ぐらい試したい。もう一つ木箱はある…

 ごめんなさいと心で念じながら、ひっかいてみる。

 今度は力加減を間違えないように…


 お、スキルが増えた。

 なになに?


「爪とぎ」E


 爪とぎ!?爪とぎにスキルなんてあるの!?

 どういう基準だよ!?

 ほんと、適当~~~な世界作りやがって!あの適当女神め!

 このこのこのこのこのこの!

 思わず、両手で何度も木箱を擦ってしまった。





 ……気づけば、「爪とぎ」がEX+になっていた







 木箱が結局ボロボロになってしまった。

 げっ!?下から走ってくる足音がする!!

 逃げるか。素直に謝るか…。


 ……よし、逃げよう!



 とりあえず、一番外に近いところに立つ。

 えぇっと……、影~影~、移動させてくれ!

 俺の体がずぶずぶと足元の影に沈んだかと思うと、真っ暗な空間を経由し、地面に落ちていた影に移動した。

 便利だな。影魔法。

 一瞬、生首の件を思い出したけど。


 さて、とりあえずいくつかの検証は終わった。

 あと見ておきたいことは…

 魔物の名前の横についていたランクについてか……。

 これはどこで情報収集するのがいいか……。



「おい!聞いたかよ!さっきあのヴィゴーレ様が戻られたそうだぞ!」

「まじかよ!?「黒鉄の騎士」はどうしたんだ?」

「それが「黒鉄の騎士」全員でこちらにいらしたらしい」

「嘘だろ!天災級が揃い踏みかよ!こりゃ見に行くしかないだろ!」

「おうよ!今はゲオルのじぃさんのところに向かったみたいだ」

「冒険者ギルドじゃなくてか?」

「まぁ、なんかあるんだろう。本当ならあの偏屈じじぃじゃなくても、ほかの鍛冶師でもいいだろうしな」

「あんまり、悪口言うなよ。お前の剣、あのじぃさんに研いでもらってるんだろ?」

「まぁ、腕は確かだし。やっぱ頼りなるからな」

「ははは、だろうな。じゃ、行こうぜ」

「おう」

 男たちは談笑しながら去っていった。

 男たちを見送りながら、俺は考えた。


 天災級?AランクとBランクじゃなくて?

 さっき話してた感じからすると「黒鉄の騎士」ってのはアイドルとか英雄的扱いなのかな。

 それにしても冒険者ギルドか……。

 情報収集にはいいだろう。

 というか、なぜ気づかなかったのか!

 ファンタジーといえば冒険者!冒険者といえばギルドだ。

 早速、冒険者ギルドとやらに行ってみよう!



 ………冒険者ギルド、どこ?







 迷った。盛大に迷った。

 だが、そんなとき一つ妙案が浮かんだ。

 せっかく空を飛べるんだ。なにも地上から探す必要はないと。

 ギルドというからにはそれなりに人がいるだろう。いると信じる。

 つまりその辺りはにぎわっている。

 ほかにもにぎわっているところはあるだろう。

 ぱっと思いつくのは市場、役所、祭り会場、劇場などだ。

 このうち市場、祭り会場、劇場は一目でわかる。……俺の知識前提ならだが。

 役所はさすがに見た目がでかいと思う。

 ギルドもでかいかもしれんが、役所は公的機関。きっとサイズが違うと信じる。

 早速行動に移す。


 さっき飛んでなんとなく感覚をつかめた。……とおもう。

 とりあえず、やってみるか。

 おぉ、難なく飛べた。

 先ほどの時計塔の屋根を悠に超し、空から眼下を眺める。


挿絵(By みてみん)


 さて、にぎわってる場所は……。

 ん?近場の広場で数人が大人数に囲まれてる。

 あれがさっき言ってた、「黒鉄の騎士」かな?

 とすると……。

 俺はそれ以外の場所を探し、大きな建物を探した。

 目星をつけた建物は3つあった。

 教会っぽい建物、大きな三角屋根の建物、平屋屋根だがそれなりの面積のある建物だ。

 教会っぽい建物は多分違う。

 残るは三角屋根か平屋根だが……。

 平屋根の前には天秤を模したマークの入った旗がいくつも並んでいた。

 対して三角屋根の前には盾と剣、そして翼と竜の合わさったマーク。


 どうしよう……、どっちもギルドと言われたらそれっぽいマークだ。

 うーん。よし、三角屋根のほうが近いな。

 近いほうから行こう。

 俺は三角屋根の前庭?とでもいうべきところか。そこに降り立った。

 しかし、下手に魔法なんか使って入っては目立ってしまう。

 そこでどうしようかと考えていると、誰かが後ろから俺を抱え上げる。

「お?なんだ、このちっちぇの?」

 見るとそこには大柄の男と……。

「ガラハド、そんなところで止まらないで。……邪魔。」

 小柄な…、いや幼い少女がいた。

「おぅ…、相変わらずきっついなぁ、シノン…」

「ただでさえ大きいんだから、無駄に止まらないで。止まるならあっちの隅のほうにして」

「そのでかい図体で昨日は満足して…ぐへ!」

 少女が男にボディーブロウをかます。

 危ない!俺にもあたる!

「……下らないこと言うと、殴るよ」

 そういいながら少女はもう一度後ろに振りかぶる。

「お前、もう殴ってるじゃ…」

 あぁ、そんなこというと…

「がふっ!?」

 ほら、もう一発殴られた。強烈なボディーブロー。的確に男の鳩尾を攻撃している。

「あれ?そいつ、どうしたの?」

 少女が答うが、

「おぅぅぅ……」

 男は悶絶していた。

「おい、ガラハド」

 げしぃ!

 悶絶して倒れてしまった男に、少女の足が男の顔面炸裂する。そしてそのままぐりぐりと……。

「おばえ、がりにぼぼればびーだーだぞ(おまえ、借りにも俺はリーダーだぞ)」

「うるさい、質問に答える」

 少女のつま先が男から離れる。

「いてて…、今扉の前で見つけたんだよ。よっと!」

 おい、こいつ今、上半身の力だけで起き上がらなかったか?

 どんな身体能力してるんだよ。

「そんなの持ってギルドに行くの?」

「ま、害のなさそうな奴だし、大丈夫だろ?」

 男が俺を抱えながらドアを開けた。


 おぉ!外見に劣らず、すごい施設だ。

 六つの窓口があるカウンターテーブル。

 四~六人が座れる丸テーブルが八脚。

 大きなボードが……、二つ?

 なんで部屋の正反対に配置されてるんだ?

 あれ?枠っていうか装飾が微妙に違う。

 あ、これよく見ると左右半分ずつで微妙にデザインが違う。

 んー?よく見るとカウンターの上に右半分は「冒険者相互協力組合受付」、左半分は「西アレイシア地方冒険者相互協力組合」と書かれている。

 一つの建物の中に二つの施設が入ってるのか?

 どっちがギルドだろう?

 男が俺を降ろし、向かって左側にある受付へと向かっていった。




 ふむ。ちょっと勝手に情報収集させてもらおう。

予定が1日ズレたので今日更新になりました。

明日は投稿が厳しそうです。


9/25 追加

挿絵を追加しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ