表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/300

2-4.更なる進化

 俺たちを乗せた馬車は川原から城へと戻ってきていた。

 先ほど逃げ出した兵士は縄でグルグル巻きにされた挙句、繋がれていた。

 …馬車に。


 ま、まぁ、馬車も全速力で走ってるわけではないし、そこまで非道な行為でもない…のか?いや非道だな。うん。



 兵士をつないだ馬車は、城で俺たちを降ろし、別の場所へと誘導されて行ってしまった。

 その後ろをちょっと怖めの顔の人たちがついていく。


「おいゴルァ、うちの姫さんになんしてくれとんじゃ、ワレェ」

「ワシらの班の者じゃないのぉ、きさん、どこの班じゃコラぁ」


 以上、怖めの顔の人たちのイメージ。


 ん?兵士たちが捕まった人に顔を寄せて何かつぶやいてる?

 あ、捕まった人の顔がみるみる青くなった。

 足ガックガクやんけ。

 なんだか可哀そうになってきた。

 この人、逃げただけなんだよな~。

 まぁ、逃げるだけでも怪しさ満点なんだけど。




 さて、他人の心配より自分の心配。

 今日は俺は自由をつかみ取るため、今これから脱兎のごとく逃げる所存です!

 猫だけど脱兎です!

 しかしだ…。さっきのを見てるからな…

 しかし、この二日俺は何もしていなかったわけではない!

 実はこっそりスキルの練習をしていたのだ!




 どうもこのスキルというやつ、発動条件が複雑なのか発動するときとしない時がある。

 特に魔眼なんて最たるものだ。

 正直発動したかどうかもわからないし、なんか妙に疲れる。

 さらに昨日はなんかうねうねしたものが見えてしまって途中でやめてしまった。

 そこでパッシブっぽい「気配寸断」や効果が一目でわかるであろう「魔法」を使おうとした。

 魔法はなんだか、こんな風にしたい!と思うと発動してくれることが分かった。

 あやうく影で檻の南京錠を破壊しかけたことは内緒だ。

 でパッシブっぽいもの。これは使ってみて気づいたが、使いたいと念じるとスイッチが切り替わるような感覚がある。

 多分だが、これがスキルが発動した状態ではないだろうか。

 ちなみに「薬剤耐性」スキルはどうやっても発動がわからなかった。

 この檻の中では、効果がわかるものを摂取できない。

 あとこれには「気配寸断」のようにスイッチが切り替わるような感覚がない。

 もしかしたら、受動的なものと能動的なものがあるのかもしれない。

「ラッキースター」に関しては説明からしてまったく意味が分からないし、「罠感知」にしても罠がないのでどうしようもない。

 檻は罠に含まれないようだった。基準がわからん。




 という感じで俺が練習したスキルは「気配寸断」。

 ちょうど今のようにこっそり移動したいときには有効だろう。




 ではちょっと失礼。

 気分的には飲み会やパーティー(参加なんて数えるほどだけど)の席からこっそりと抜け出す人。

 心の中で手刀を切りつつ失礼することにした。


 …影が前足で手刀を切っていた。

 影…、お前、器用だな…。









 さて、城の中庭をこっそりと抜け出し、俺は今通ってきた門の前に到着した。

 別に城から出たいわけではなく、人目につかないところで試してみたいことがあったので人を回避してると自然とこの場所に来てしまったのだが…

 ふと、跳ね橋の下、川の下流にボロ小屋があるのを発見した。

 あそこでいいだろう。



 ボロ小屋の前に立つと意外とでかい。

 ボロボロはボロボロなんだが、どうも船着き場だったのか、割と広い。

 桟橋が屋内につながっており、乗り降りを屋根のあるところでできるようだ。

 ここなら城からもそれなりに距離があるし、迷惑になるまい。

 それに都合よく、穏やかな水面がある。

 ここで試してみることにする。




 俺の試してみたいことは二つ。

 一つはこの間も試した、「登録」

 もう一つは登録済みに姿を変える行動。

 おそらく変わってるのだろうと認識したが、実際に目で確認してなかったため、確認できればと思った。

 この結果によっては姿は今のまま固定しておいたほうがいい思いができそうだ。


 とりあえず、例のウィンドウモードを開いてみた。

 登録できる項目はいくつもあった。

 以下、登録できるすべての項目である。


「ウィッチキャット」(Cランク)

「クイックリーダー」(Cランク)

「フォレストキャット」(Cランク)

「ダンスキャット」(Bランク)

「フライングデビル」(Bランク)

「トリックスター」(Bランク)

「ワープキャット」(Bランク)


 この下に登録できない項目として


「ファイアキャット」(Bランク)

「ジェットキャット」(Bランク)

「アクアキャット」(Bランク)

「クレバスキャット」(Bランク)

「コールリーダー」(Bランク)

「センチネル」(Bランク)

「メカニックキャット」(Bランク)

「ナビゲートキャット」(Bランク)

「フォレストデビル」(Bランク)

「マッスルキャット」(Bランク)

「テラーキャット」(Bランク)

「キャリバーキャット」(Bランク)


 同じBランクなのに「登録」できないのはなぜだろう?

 とりあえず、「登録」ボタンを押してみることにした。

 よくわからないが字面的に考えてみる。


 ウィッチは…、魔法使いか?

 クイック…早い?リーダーって統率者ってことかな?それとも何か読み込むのか?

 フォレストはそのまま森で生活してるってことか?

 ダンス?ダンス踊るの?

 フライングは飛べるのか?

 トリックスターはトリッキーってことで、ワープはワープできるのか?


 えぇい!めんどくさい!

 こういう時はとりあえず、上から選んでみる。

 ウィッチキャットから順にワープキャットまで「登録」ボタンを押してみた。

 今は元からついていた「ポーションイーター」のところに★がつき、残りは☆がついている。


 で、ここで発見。

 いつの間にかBランクで選択できなかったものが選択できるようになっている。

 うーん?

 Cランクの進化先みたいになってるのか?

 だとしたらBランクの先のAランクもあるのではないだろうか?

 の、割にはこれ以上下にはスクロールできない。


 とりあえず、選べるだけ選んでみることにした。

 キャリバーキャットまで全部選んでみた。

 多分何かしらで上限や条件があるはずだろうけど、知ったことか。

 この前のレベルの差から考えて、まぁ、すぐ困ることはないだろう。

 さぁ、どうなる?


 予想通り、Bランクの上と思われるAランクの名前が表示された。

 選択もできるようになっている。

 新しく表示された項目は以下の通り。


「ゴーストキャット」(Aランク)

「空魔」(Aランク)

「トラッパーキャット」(Aランク)

「ディメンジョンデビル」(Aランク)

「ヴォルケーノ」(Aランク)

「ウェザーキャット」(Aランク)

「アッパーキャット」(Aランク)

「ダウナーキャット」(Aランク)

「アーミーキャット」(Aランク)

「将軍猫」(Aランク)

「アルケミーキャット」(Aランク)

「迷宮の道標」(Aランク)

「バッドイーター」(Aランク)

「ヴォルガモア」(Aランク)

「テラーデビル」(Aランク)

「サーベルキャット」(Aランク)


 なんか怖くなってきた。

 さっき、結構強気でガンガン行ったが、急に不安になってきた。

 これって取り返しのつかない要素じゃないよな?

 簡単にどんどん取得してるし、いくらでも挽回の利く要素ではあるんだろうけど…


 やめた。不安になったらやめる。

 元居た世界でガチャ課金し始めて知った鉄則だ。



 なので今度はもう一つの要素を試してみる。

 見た目の変更。推測通りなら、前のようにすれば見た目が変更されるはずだ。

 どれにしよう…。



 なんとなく、目にとまった「フライングデビル」にしてみることにする。

 かわれー、かわれー。



 目線は…、そこまで変わってないな。

 うーん?外見はどうだろう?とりあえず水面をのぞいてみることにする。

 羽根が生えていた。

 蝙蝠のような羽根だ。

 これは…もしかして飛べるのか?


 飛べるかもしれないと羽根を動かしたり、念じてみたりする。

 とべー、とべー…。


 おぉ!?浮いた!

 これは楽し、いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?





 突然、俺の体が前方向に引っ張られたかと思うと急激に速度が上がった。

 俺の体は、あっという間に空へと舞い上がってしまっていた。

すみません。明日はまた忙しくなるため投稿できそうにありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ