魔王の娘
なるべくたくさん投稿していきます。
よければ見ていってください笑
王国に追放され平原の真ん中に置いてけぼりにされた俺はさっそく魔法を使ってみていた。
「サーチ」
すると少しした所から人の反応のような赤い点が出現する。
「よし、サーチは成功だ」
俺は期待に胸を膨らませ反応があった方角に歩いていった。
数時間程たっただろうか
街のようなものが見えた。
「良かった。今日は野宿になる所だった。」
俺は小走りで門の方に向かっていく。すると
「止まれ」
門番によって止められる。
「貴様人間か?直ちに救援を!!人間の襲撃だ!!」
まずいここは魔族の街だったのか。俺は王様が話していたのを思い出す。確か人間と魔族は戦争中だったな。
決死の思いで門番に言う
「私は賢者です。この街に怪我人がいると聞き駆けつけました。私からすれば人間とか魔族などは関係ないのです。そこに怪我人がいるなら助けるまで。」
心臓の音がばくばくする
俺の異世界生活はここでおしまいかもしれない。
まだ何もしてないのに。
俺が泣きそうになっていると
「付いて来い。見てもらいたい方がいる」
「えっ? わ、わかりますた。いえわかりました。」
よっしゃあああああ
適当に言ったがどうやら門番は信じてくれたらしい。俺は全属性の魔法を使うことができる。よって聖属性の回復系統の魔法も使うことができるのだ。
あれ?魔族に人間の回復魔法って効くんだろうか?もしかしてダメージが入ったりして
まぁその時はその時か。
門をくぐるとそこは街というよりは城のようだった。
「俺は一体誰を見れば良いんだ?」
「この城の姫様だ」
「えええええええええええ」
随分と大変な話になってきた。そこらへんの魔族の怪我を直せば済むなどと軽く思っていたのだがまさかお姫様を見ることになるとは.....
・・・いかんいかん
俺は頭を振る。
まぁなんとかなるだろう
そのまま城の中に入っていった。
門番に部屋の前まで案内される。
「魔王様賢者殿を連れてまいりました。」
ま、魔王????
俺は異世界に来て1日も経たずとしてラスボスに会うことになるのか?
いや逃げれば何とかなるかもしれない。
「入ってくれ」
低い声でそう言う
........このままでは殺される!!
俺はくるりと反対を向き走る準備をするが門番が扉を開け始めたため逃げるのは諦めた。
こうなったら平謝りするしかないか。
そこにいたのは頭の側部から二本の角を生やし大柄で鬼のような形相をした男とベッドの中で眠っている金髪で6〜7さいくらいの少女だった。
俺は部屋に入ると同時に床に頭をぶつける勢いで土下座する。
「ごめんなさい。ここが魔王領とは知らなかったんです。王様から召喚され右も左もわからない状況のまま勇者ではないからと国を追放され、
初心者冒険者の街に連れていくって言ってたのに平原の真ん中に置いてけぼりにされて。心細くてつい来ちゃったんです」
俺は涙目になりながらも正直に自分に起きた全てを魔王に伝える。
すると魔王は優しい顔をして
「お前も苦労したんだなぁ」
え.......
「我が魔王領はお前を歓迎するぞ人間よ」
一瞬何を言われたか分からなくて固まってしまったけど魔王は俺を歓迎すると言った。
つまり今夜俺には寝床があるんダァァァァ....
「遅くなったが我は魔王ミルド。お前は何という?」
「あっと......」
俺の本名は羽山寮。でもこの世界でそう名乗るのはなんだか違う気がする。
「俺はハヤトです」
俺はこの異世界でハヤトと名乗ることにした。
「頼みとは他ではない我が娘のティファの呪いを解いてほしい」
「呪いですか?」
「そうだ。我が魔王軍は人間たちと戦争をしている。そうなると我だけではなく我の周りの人まで狙われていたのだ。ティファは領の子供達を庇い人間に呪われてしまった。もちろんその人間は殺したが呪いは解けずもう時間もない。どうか、どうかティファを助けてくれ」
あれ?
なんか人間よりも人間味があるというか
魔族っていい奴らじゃね?
俺はそんなこいつらを助けてやりたい。
「わかりました・・・あの、解呪方法ってわかります?」
なんだか締まらないが俺は魔王の娘ティファを助けるとこに決めた。