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7. 何か裏があるんじゃないだろうな

 次の日、セレナとの待ち合わせでギルド会館で待っていると、客がいない中途半端な時間なのかリリーが話しかけてきた。


「ライルさん、バートランドさんとは上手くやっていけそうですか?」


「ああ、無事にパーティーに入ってくれることになったよ」


「そうなんですか! おめでとうございます」


 リリーは手を合わせながら笑顔を浮かべ、我がことのように喜んでくれる。

 最初、新人として配属されたころは緊張でガチガチだったというのに、ずいぶんと成長したものだと感慨深い。


「ところで、彼女の前の街でどんな活動をしていたか聞いているか?」


 彼女のことを疑っているわけではないが、一応、第三者からの評価を聞いておきたかった。街の冒険者ギルド支部同士で、情報交換がされているだろう。


「バートランドさんについては、ノースガンドの街から出るときずいぶん引きとめようとしたと、向こうのギルド支部から聞いてますよ」


「ほう、まわりからの評価は高いのか。あの腕前なら納得だな」


 有能な冒険者ならばギルドとしては引きとめようとするのが普通だろう。ただ、それだけに、彼女がこちらに移って来た理由が気になる。

 そこに、扉を開けてセレナが入ってきた。


「む、待たせてしまったか」


「いや、大丈夫だ」


 合流した彼女と今日受けるクエストについて話し合おうとしたところで


「あ、いたいた! よかった!」


「おまえさんは、たしか……」


「スヴェンです。昨日は本当にありがとうございました。まさか、一日で狩ってくるだなんて」


 このおっさんは、昨日、ロックレプタイルの依頼をしようとリリーにつめよっていた商人風の男だったはず。


「冒険者なんて何でも屋みたいなもんだが、依頼されればどんなことでもやるってわけじゃないんだから、あんたもあんまり無茶なことはしてくれるなよ。あくまでも昨日依頼を受けたのは、リリーのためにやったことだからな」


「申し訳ありません。昨日の夜、頭をひやしてからは自分の行いを思い出して、恥ずかしさで火がでる思いです」


 昨日とは打って変わってスヴェンは、素直にリリーにあやまっている。ぺこぺこと頭をさげるスヴェンに、リリーが恐縮している。

 元は傲慢な性格というわけではないのに、それほどまでに焦っていたということか。まあ、依頼も終わったことだし、その事情に特に首をつっこむこともないだろうと思っていた。


「それで、大変厚かましいとは思うのですが、積荷を隣街まで運ぶので護衛していただけたらと……」


「何か裏があるんじゃないだろうな?」


「いえいえ! とんでもありません! うちの商会が隣街にあるので、その道中をお願いしたいだけです」


 にらみつけると、スヴェンは首をぶんぶんと振りながら身の潔白を全身であらわそうとしている。


「隣街か、しばらくいってなかったな」


 セレナもこの辺りは初めてということなので、観光がてらに受けるとよさそうな依頼であった。


「どうする? セレナ」


「おもしろそうだ。やろうか、ライル」


 スヴェンに依頼を受ける旨を伝え、明日の朝出発することとなった。

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