5. あの勇姿を語って聞かせたい
ギルドに帰ったのは夕暮れ時だった。
「あ、ライルさん! ご無事でしたか」
最初に反応したのは受付に立つリリーだった。
「バートランドさんも、よかったです。ケガはないですか?」
わたわたと慌てながら、足早に近づいてくる。
最初に会ったのは、リリーがまだ新人だった二年前だったが、こういうところは変わりないようだ。
「ほれ、ロックレプタイル狩ってきたぞ。素材は倉庫のガンツじいさんに渡しておいた」
ギルド会館に来る前に、狩ってきた魔物は隣接する倉庫に預ける決まりになっている。魔物解体担当であるガンツじいさんから、証明書となる木札を受け取りギルドの受付に渡せば依頼完了となる。
「ほ、本当に狩ってきたんですか……」
「ああ、ついでにワイバーンもな」
「どうして、いつも無茶ばかりするんですか。バートランドさんも止めてください」
「どうしてだ? ガランディア殿ならあの程度の魔物の処理など、たやすいだろう」
「……それは、そうですけど、でも、心配なんです!」
おかしい。なぜ、初対面のはずのセレナからここまで高く評価されているんだ?
「今回、オレはほとんど働いていない。手柄はほとんどバートランドだぞ。隠れているロックレプタイルを見つけたのも、ワイバーンを撃退したのも彼女の力によるものだ」
ワイバーンを一刀で切り伏せた勇姿を語って聞かせたいぐらいである。
ずいぶんと腕の立つ人間が仲間になってくれたものだとうれしくなる反面、同じパーテイのメンバーとして自分は釣り合いがとれているのか不安になる。
もう一つ不安があるといえば、彼女が若い女性だということだ。
見た目からして、年の頃は20代前半だろう。
若い女性冒険者というのはめずらしく、そしてパーティーつぶしの元といわれている。
前回のパーティー解散の原因となったできごとを思い出してしまうのであった。