1/1
7/18
7/18
月と三匹の魚。それしか、この部屋にはない。
コンクリートの壁に囲まれた正方形の小さな部屋。窓は一つしかなく、家具は一切ない。あるのは、部屋の真ん中で奇妙な存在感を放つ大きな水槽だけだ。そこには美しい熱帯魚が三匹泳いでいる。
たった一つの窓からは、煌々と輝く白い月が見える。
隣の部屋は倉庫になっていて、水やら食料やら電池やら、その他もろもろの生活必需品が積み上げられている。
水槽の前に腰を下ろしてみると、床のコンクリートがひんやりして、少し気持ちが良い。窓を開けると涼しい風が入ってきて、より快適になった。
今日から住むことになるこの部屋をぐるりと見渡して、俺は一つ溜め息をついた。
どうして俺は、一人でここにいるのだろう。
水槽に取り付けられたヒーターが絶え間なく発するブーンという音が、やけに大きく聞こえた。