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イリアと少女と魔法は存在する……話

そろそろアギフも説明するの飽きるのであります!

『氷の帝国の帝都は一年中氷に閉ざされ何者もの進入を阻む』

もう数百年も昔から一日も途切れる事なく続く有名な話である。

氷の帝国に生まれた最後の魔法使いが、何故か帝都を氷漬けにし、その死後も呪いが続いている。

魔法の存在を信じないイリアはそれを一年中(天候の都合なのだから晴れる日もあるが四捨五入すれば一年中って事なんだろうなと勘違い)雪が降ってる国、と解釈していた。

勿論、この目で見るまでは信じないのは変わらないが、本も行商もアギフもここまで言うのだから、真実、氷に閉ざされているのかも知れない。

でも、魔法……と言われると首を傾げてしまう。

かといって帝都を氷漬けに出来るくらいの自然現象かと聞かれると、どうも違う気がする。

帝都をピンポイントで氷漬けに出来るのか?

氷河期ではあるまいし。氷河期ならば尚の事、他も凍ってなければ可笑しい。


イリアはただ認めたく無いだけなのだ。

魔法の存在を。

魔法が存在していた事を認めてしまうのが、怖い。

今は無いのだと言われても、その残滓があるのだから、何時か魔法が復活するかも知れない。

それが怖い。

今まで読んできた物語が真実(・・・)になってしまう事が、怖い。

魔王もドラゴンも魔法使いも、便利で恐ろしい魔法も、存在しない方が良い。

存在してや居なかった、という事実が欲しい。

氷の帝国の呪いも真実ならさっさと消えて無くなれば良いのに。




「イリアは魔法の事なんて興味無いんだね」


アギフが珍しいモノでも見た、という風な顔をするのでイリアは口を尖らせた。

イリア以外の多くの人々は魔法に興味があるような口振りが気に障る。


「私はとても興味があるよ。その為に旅の一座(ここ)に居ると言っても過言じゃないの」


アギフは何かを抱えるように抱きしめた。

それは『夢』なのだと彼女が言う。

魔法の関わる話を集めて、それを歌にし劇にして舞うのが彼女の『夢』なのだ。


「この国にも、不思議な話があると聞いて。無理言って寄ってもらったの。座長は山越えじゃなくて海の国を通って氷の帝国に行きたかったみたいだけど」


そうか、それで。とイリアは合点がいく。

未だ雪は降っていないとはいえ、真冬に山を登ってこの国に来るなんて可笑しいとは思っていたのだ。

態々危険を犯してこの国に来なくても、この時期は何処でだって新年の祝いで稼げるのだから。


「まあ、北の帝国に長居出来なかったって事も理由の一つなんだけど」


アギフは哀しげに瞳を伏せた。

イリアは冷えた空気に強張ってしまい「何故?」と問い掛けた台詞は小声になってしまった。


「私達の一族は初代皇帝が王を弑逆した事に異を唱えた一族なの」


イリアは返事に窮してしまった。



飽きるのであります!!


いつもありがとう!であります!!!

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