表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/183

イリアと少女と氷の帝国の話

「でもアギフは魔法も、その呪いも実際には見た事は無いのでしょう?」


イリアは見た事の無い魔法の存在は信じられない。というより信じたくない。幽霊の存在を見てもいないのに認めてしまったら……怖いでしょう?だから見るまでは信じたくない。


「見た事は無いけど……もうすぐ見れると思うよ」


「……は?」


アギフはきょとんとした顔でイリアを見た。対するいイリアは多分、目が点。クスクスと笑われた。


「この国を出たら海の国へ行って、それから氷の帝国へ行くから」


イリアは戸惑い「はあ」としか返せない。この先の旅の行程を聞かされても困る。海の国と氷の帝国に行くから何だというのだ。


「イリア……まさか。ううん、あのね」


アギフは呆れた顔をして己を窘めるように(かぶり)を振った。今日初めて会って友達になったばかりだというのに、イリアの評価は限りなく低くなってしまったようである。美食家(食いしん坊)なのは未だばれてないが。


「氷の帝国には呪い・・・つまり、最後の魔法の残滓がまだ猛威を奮っているんだよ?」





氷の帝国はこの筋肉(マッチョ)の国の隣国である。

山を南へ下山すれば直ぐそこから氷の帝国の領土になる。

大陸の南の果てまでの広大で縦に長い大地全てがその版図となる。

即ち、筋肉(マッチョ)の国から見下ろす南の大地全てが氷の帝国なのである。

大陸の東部の中心を南北に走るクレメンス山脈、東西に走るミルクスン山脈。

山脈を線引きして南の全てが氷の帝国であり、筋肉(マッチョ)の国はミルクスン山脈の東の端っこにちょろっと存在し、海の国は更に東、山の切れた盆地に展開する小国である。

氷の帝国はその名が表す通り、一年の半分以上を雪に閉ざされて過ごす(地域によって冬の期間は短くなる)国だ。

政治も文化も芸術も軍も、他国に類を見ない最先端の帝国だと、氷の帝国から来た行商達は自慢していたし、商品を見れば実際にそうなのだと思う。


そんな氷の帝国で猛威を奮う魔法の残滓とは、と……疑問と好奇心を一杯にしてイリアが問えば。アギフは(氷の帝国と呼ばれているのだから何を当たり前の事を?)と思う答えを返してきた。

それは――。


「一年中、(・・・)に閉ざされているの」


それは知っている。だから(イリアは正式な国名はうろ覚えだが)『氷の』という通称なのだ。


「氷だよ?雪に、じゃ無いんだよ」


アギフが言葉遊びみたいな事を言う。

氷じゃ無くて雪。それの何が問題なのか。大して変わらない。

高価で貴重な本にも書いてあった『帝都は一年中氷に閉ざされ何者もの進入を阻む』と。

要は雪の為、交通網に影響が!と言う事だ。吹雪の為、外出は控えて下さい!というアレだ。


あら?

何か可笑しい。

確かに『氷』と書いてあるのに脳内変換されると『雪』になる。

アギフも「雪じゃ無くて氷」と繰り返す。

もしかして。

本当に、文字どおり、氷に閉ざされているのだろうか?

いやいや。

氷に閉ざされるなんで意味が分からない。

それこそ、魔法である……。



 「だから、魔法だよ」





イリアはちゃんと勉強してますよ~。

魔法は物語の中の話だと思っているから、現実としての知識が無いだけですよ~。


地図を説明するのって難しいですね……とほほ。

クレメンスとミルクスンは飼い猫のアダ名です。てへ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ