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イリアと少女と友達100人できるかな?

チョコレートを食べてお腹一杯になったのか、飽きたらしいサーデクが欠伸をしながら天幕から出て行った。指に付着していたチョコレートが天幕にべっとりと手形を残して……。

アギフも指をペロッと舐めて、イリアと目が合うと照れたように笑った。

チョコレートは何時でも買えるからと自分を宥めながらイリアも微笑みを返す。


「ねえ、男のお客さん!外で男の子が呼んでるよ」


サーデクが戻って来て天幕から顔を出した。手には何故かお菓子の包み紙だ。

兄は訝しげに天幕から出て行き直ぐに戻って来た。


「イリア、ちょっと用事が出来たが直ぐ済ましてくる。イリアはどうする?」


兄は大変面倒臭そうな顔をしていた。イリアは首を傾げアギフを横目見た。目が合うとアギフは微笑む。


うん、決めた。


「お兄さま、わたくしは此処でお兄さまの帰りを待ちますわ。お友達とお喋りでもしながら」


イリアはアギフの腕に自分のそれを絡める。アギフが少し驚いてイリアを見たが、イリアは絡めた腕をぎゅぅっと抱き締めたまま黙る。兄が何か言いた気な目でイリアを見るが、ややあって苦笑するとイリアの頭をポンポンと撫でて再び天幕から出て行った。


「と、友達?」

「ええ、わたくしアギフとお友達になりたいわ。ダメかしら」

「ううん、嬉しい。えっと」

「イリアよ!よろしくね」

「私はアギフ。よろしく」


イリア・ノーランドとは名乗らなかった。異国人だからノーランドが侯爵家の事だとは知らないだろうけど、ただのイリアとして友達になりたかった。


アギフがチャイ(紅茶)を持って来て二人は床に敷いてある薄いクッションの上に座った。普段イリアが飲んでいる紅茶とは違う感じだがチャイも美味しかった。ミルクでも入っているようだ。

アギフがつんつんと赤いポンチョの裾を引っ張った。


「ねえ、これって『赤ずきんスタイル』?」



ん?

赤ずきん?赤ずきんって……あれの事?

いや、赤ずきんちゃんで間違いない格好だけど。

何で知っているの?

赤ずきんちゃんって前世世界の童話でしょ?


「あれ、違った?」

「違うような違くないような。スタイルってどういう事ですの?」

「?? 前に居た町で流行っていたんだけど……赤ずきんスタイル。この国では初めて見たから。イリアが流行らせるの?かと思って」

「その町では誰が流行らせたんですの?」

「誰がって……昔居た、赤ずきんちゃんって子の話から始まったらしいけど」

「??? 昔……居た?赤ずきんちゃんが昔居た?」

「イリア、何も知らないの?有名でしょ?」


イリアを可哀想な目で見てくるアギフ。何だか知らないけど居たたまれなくなるイリアは俯く。


「有名人だと思ってた。蒼髪の魔女って……」



赤ずきんちゃんの話じゃないのっ!!?






ポンチョ……ケープ?

赤ずきんスタイルはが流行る町には行きたくないなぁ

目がチカチカしそうです。


いつもありがとうございます!


お兄さまを呼びに来た人を、男の人から男の子に変更しました。2015.12.05



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