月下のお茶会、二つ目の秘密1
イリア視点です!
――恋人ですか?
なんて台詞をぶっ込むんだ!この坊やはっ!!
あ、わたくしの方が年下だった……。
って、そうじゃなくて……。
わたくしとアイツ(南の次男坊)が恋人に見えたって言うのっ!?
っていうか、見てたの?
見られて……いたの?
わぁーッッ恥ずかしいっ!
聞けない!確かめられない!!確かめたくない!!!
だ、だ、抱、き締、め……られてたの「見てました」なんて肯定されたら。
恥ずかしくて死ぬ!!!
はっ!!まさかっ……。
聞いてないわよね?
よ、よ、よ、めに……とか。
イリアは『恋人ではない』と否定した。
王子の側近は信じていないようだ!
南の次男坊との密会(イリアは断固否定する!)を見たとも、聞いたとも特に明言せず、王子の側近は渾身の一撃を放った。
――好きな人ですか?
と、言って……夜のせいか何なのか青白い顔を向けてきた王子の側近の瞳は痛い程真っ直ぐだった。喉から出掛かった否定の言葉が止まる程に。その瞳が如何に危険なモノか、イリアはもう十分過ぎる程分かっている。今夜、何度も向けられて来た恐ろしくて身が竦む程の真摯な瞳だ。
恐ろしいのは……。
恐ろしい、のは……。
「ど、どなたの事を仰っているのか分かりませんが、わたくしに好きな殿方なんて……居りませんわよ」
「はぁ……好きな人は居ないんですか、そうですか……」
竦む身体を律して否定の言葉を言ったのに反応は薄い。
密会目撃の有無をさらり、と知りたかったのだが……藪を突付いて蛇が出て来そうだ。
帰る事にしよう!と、イリアはカップをテーブルの上に置いた。
がちゃん、とカップが音をたてた……。
「あ、あのね。」
視界の端で側近のカップがくるくると回っている。
捕まれた腕が痛い。
「そ、そろそろ戻りますわ」
「イリアさま」
「寒くなってきま」
「好きです」
「好きなんです。イリアさま」
なんて目。
なんて真っ直ぐで怖いくらいに美しい目。
深い森のような緑色をした目がイリアを見つめている。
「イリアさまに好きな人が居ても。」
「イリアさまを好きな人が居ても……」
捕まれた腕に爪が食い込んで痛い。
寒い筈なのに腕がジンジンして熱い。
「諦めたくありません。僕もイリアさまが好きです」
久し振りになります!よろしくお願いします!




