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異世界の星空は美し過ぎる!!とかなんとか

サブタイトルに意味はありません。

何も思い付かなくて……。


何か言いたげな王子を背にしてイリアは兄を探した。

先程まで居た場所には兄の姿は既になく、仕事に戻ったようであった。

仕方ない、と息を吐いて広間から抜け出す。

王子だけではない幾つかの視線から逃げ出したかった。


バルコニーに出て夜空を見上げた。

前世世界の様に地上の光が邪魔をしないお陰で、沢山の星々が光輝いているのがよく見えた。

吐く息は白く、冷たい空気が剥き出しの肌を襲う。


「くしゅんっ」


くしゃみが出て失敗したと思う。ショールを馬車に置いて来るんじゃなかった。広間に戻ろうか……しかし。


ばさり、と。

何かが乱雑に頭に掛けられた。

新品の匂いのする大きな布のようだ。

誰かが恵んでくれたと思われる布を有り難く使わせて貰う。頭から外して身体に纏う。

白い布……に緑色の刺繍・・・汚れなき真っ白な、ぬ、の……マント?

真っ白なマントに裾の蔦模様……だと!?

慌てて、マントの主を確かめるべく振り返る。


「(げ……)南の」


心の声が表情(かお)に出てしまったようで、彼も同じように眉根を寄せた。

マントの主は南の侯爵家の次男坊だった。正騎士のなった彼は王子の護衛職を拝命していた。

つまり近衛隊所属で白い軍服マントに裾に施された緑色の蔦模様はその隊員の証だった。


「そんな格好してっから(くしゃみが出るん)だ」


 もっと着込め、とばかりにイリアの体にマントを巻き付けようとするので、身を捩りながら睨み付ける。


「何を企んでますのっ!?」

「あぁ?何も企んでなんかねえよ。人の親切は黙って受け取れよ」

「怖っ」


見返りのない奴の(・・・)親切程怖い物はない。奴の頭の中を覗き込むような気持ちで、じぃっと睨んでいると諦めたように嘆息をついた。


「女どもが五月蝿えから、隠れたいんだよ」


なるほど、とイリアは頷く。

奴は非の打ち所のないマッチョだ。

 おまけに近衛隊で王子付きというエリート。

冬だがよく日に焼けた健康的な肌に逞しい筋肉(友人談)。

加えてイケメンで男らしく強い(友人談)。

跡取りでないところが残念と言う友人と次男坊で良かったと言う友人と。

イリアのタイプでは勿論ないのだが、女性が放っとかない優良物件なのらしい。


しかしながら。

あまり浮いた話を聞かない。興味はないのだが、同じ侯爵家なので婚約したとか恋人が出来たとなれば母親経由で情報が入って来る。事実、南の長男と嫁さんの馴れ初めだって知っているのだ。

だが、正騎士のそういう話は聞いたことがない。もう、二十歳なのにと要らぬ心配をするが、正騎士が隠しているだけということもあり得る。

親に恋愛事情を知られているとかってマジない……あれ?つまり、イリア達兄妹の恋人居ないんですよ~ということも相手に知られているということか?


は、恥ずかしいっ!!



正騎士の心配もそうだが、自分イリアと27歳兄の心配もしよう!


イリアの語尾だけ編集しましたが、内容には一切変更ありません。


近衛隊は常に白い軍服で、マントや足の裾、袖口に蔦模様の緑色の刺繍がはいります。

普段、黒やら灰色やらの軍服を着ているその他の騎士もパーティーなどの席では正装用の白い軍服を着ますが、蔦模様はありません2016.9.2


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