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恋愛守備範囲の意味を考えてみる、宰相子息3

悪友の白けた目が痛い。

おまけに腹も痛い。

俺は、頑張って頑張って頑張って……無理矢理、笑い納めた。


「訳の分からない男だな、全く」


俺が笑っている間中、ずっと書類に目を向けていた悪友は「何が面白いんだか」とボヤく。

俺の笑壷が理解出来なかったようだ。

まあ、俺も正確には申し上げまい……ふっ。


やばい。

何も考えないようにしよう。

今度笑い出したら、絶対死ねる!


再びソファに腰掛ける。

落ち着かせる為にお茶を飲む。

ゆっくり息を吐く。

クッキー(アンビスキュイ)を発見したのでそれを食べていると、悪友が「よこせ」と視線を投げて来る。

一つ投げると「これだけか」と文句を言う。

二つ、三つ取り出して残りは袋事、悪友に投げてやった。

俺がお茶を啜る音と悪友がクッキー(アンビスキュイ)を砕く音が、部屋の中に響いている。


「本当、兄妹だよなぁ」


呆れたように言えば、ぎろりと睨まれた。

俺は肩を竦めるだけで、その視線を受け止めた。



「まあ、そういう訳で、ですねぇ。もう会うこともないでしょうから……」


わざと慇懃無礼に言ってみれば、悪友はアホの子でも見るような目を寄越した。


「俺の代わりに謝っておいてくれない?

『君を苛めちゃったのは、お兄様にそっくりなせいです。ゴメンね!』」

「苛めたのか」

「苛めてない!言葉の文だ!!」



危ない危ない、危うく殺られる所だった……。


「兎も角、大人の取る態度ではなかったから」

「断る。もう会うこともないのなら……マイナスの好感度を態々(わざわざ)上げる必要も無い」



なんて酷い男なんだっ!

しかも何の感情も込もって無い声で、顔で淡々と言いやがる。

まあ。

だからこそ悪友なのだが。


「好感度マイナス~?それは良いねぇ。君よりも高くしてみようか」


こちらはニヤニヤ笑って見せるが、あちらは冷え冷えとした視線を寄越すのみ。


「上げなくていい。上がる筈も無い。マイナス一億ぐらいだから」



おお、吹雪いている、吹雪いている。

いつの間にか季節は冬になっていたのか?

あれ?

俺って結構、嫌われている?

いや……嫌われてないよな?

悪友よ、俺の事、心底嫌ってないよな?

俺達、悪友という名の友人だよな?

なんか。

今頃になって。

妹ちゃんの「天使と悪魔が友達になれる訳ねーだろうっ!」発言が胸に伸し掛かって来た!

本当、兄妹だな。

兄に劣らず酷い妹ちゃんだ。

お兄さん(オレ)の心にグサリと突き刺さったんだけど、今。



「さっさと仕事しろ(この部屋から出て行け)」



追い出されてしまった……。

本当、酷いなぁ。

酷い、を通り越して頭に来た。

悪友を遣り込めて、悔しそうなを見てみたいな。


ふむ。

では。

妹ちゃんの好感度を上げてやろうか。


追い出されてしまったし、俺の仕事はとっくに終わっているし、悪友はまだ仕事中だし。

早速、逢いに行こう。

悪友の期待に応える為にも、くくっ!



「北の侯爵令息と宰相子息2」みたいな終わり方になってしまいました。悪友と遊ぶ為に妹・イリアをからかう宰相子息、みたいな。


『サブタイトルに偽りあり!』思ってましたが、これって年齢だけではなく、性別も含まれているのかも?と気付きました。

……でも、ビーエルじゃありませんよ(笑)


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