「好き」とは自覚しているが態度に出ない、正騎士
正騎士(南の次男坊・王子の護衛)視点です。
イリアが14、5歳なら正騎士は18、9歳です。
イリアは変な女。
こんな女は周りにいない。
貴族なのに、何処か庶民くさい。
でも気品もあるには……ある。
買い食いしてた……けど。
滅多に会う機会など無いが、会えばケンカばかりしている。
俺を恐れず、睨んでくるのがイイ。
口調もきついのがイイ。
こんな女、他にいない。
イリアは美人だ。
もう、十四、ん、十五か?
段々、女っぽくなってきたな。
胸はもう少し欲しい。
尻ももう少し大きい方がイイ……全体的に細すぎだ。
ちゃんと食ってるのか?
ケンカするのは楽しいが、そればかりだと味気ない。
たまには、笑った顔も見てみたい。
……抱き締めたい。
あのくそ兄貴(イリアの兄・鬼教官)がいるから無理だが。
バレたら何をされるか……考えただけでも、死ぬ。
恐ろしい。
ホント、あのくそ兄貴さえいなければ。
抱き締めて、口付けて。
俺しか見えなくするのに。
くそっ。
言い訳だな。
あのくそ兄貴は関係ねーんだ。
本当に怖れているのは。
イリアに、拒否られて、泣かれて、嫌われること、だ。
まあ。
今だって、別に好かれているとは思っちゃいないが。
でも。
心底、嫌われているとも思ってないが。
どれくらいなら赦されるのだろうか。
どれだけ近付いたら、あいつは離れるんだろうか。
髪に口付けた時、顔を真っ赤にしていたけれど。
嫌だったのか。
ただ単に慣れてないだけなのか(慣れていたらいたで苛つく……その場合、相手はくそ兄貴か?)。
それとも、俺を意識したのか。
俺を男として、意識してくれたんだろうか……?
分からない。
ケンカばかりし過ぎて。
何が大丈夫なのか、分からなくなる。
何が赦される範囲なのか。
何をしたら嫌われるのか。
何をしたら好きになってくれるのか。
はーっ。
馬鹿らしい。
こんなウジウジ考えんのは、俺らしくもねぇ。
嫌われるのを怖れてちゃぁ、何も出来ねーだろ。
今まで通り。
いや、今まで以上に。
ケンカしてやろう。
あいつの最大の魅力は『ケンカしている時』だからな。
イリアに負けず劣らず、正騎士も貴族っぽくないです。
ヤンキーです。




