北の侯爵令息と宰相子息2
宰相子息視点です。
宰相子息は数多くの浮き名を流している。
恋人が切れたことがない。
さっさと、結婚しろ!と周りは思うが、彼は一向に結婚しない。
女と違って出産年齢がないので急いでいない。
宰相である父も健在だし、弟も従兄弟もいる。もし宰相子息に何かあっても血は受け継がれる。
だから急がない。
のんびりと花嫁を探している。
愛する女性を。
尚且つ宰相の妻に相応しい女性を。
片や。
北の侯爵令息は女の『お』の字も出て来ない男だった。
その理由は、筋肉質でない!の一言に尽きる。
言わずもが、妹のせいである。
宰相子息にとって今興味あるのは、自分の結婚でも悪友の結婚でもなく。
悪友の妹の求婚話である。
三人の男に求婚されてる娘。
何よりこの男の妹だ。
どんな娘か興味ある。
恋愛の興味ではない。
悪友の妹はまだ十四歳で、宰相子息の守備範囲ではない。
仮に結女の婚適齢期の十六歳だったとしても、手を出して良いか迷うくらい、宰相子息にとって十四歳はまだまた子供だった。
なので。
悪友――北の侯爵令息にゴミでも見るような目を向けられ、思わず失笑してしまった。
「いや、子供に興味ないんだけど」
と、憂いを取ってあげる、が。
「今は子供でもその内大人になる。お前にどんな興味も持って貰いたくない」
完全否定されてしまった……。
一体、彼の中で私はどんな男になっているんだろうか?
いつか聞いてみたいものだ。
まぁ。
いずれ少女か大人の女性に成るとしても、それは今ではない。
今興味あるのは彼ではなく彼の妹への求婚の話だ。
「でも、今、君の妹に興味ないんだけど。」
北の侯爵令息は片方の眉尻を上げた。
「今興味あるのは……その面白い事になってる状況だよ」
くすくすと愉悦に目を細め宰相子息は笑った。
対して北の侯爵令息も目を細めた。
軽蔑の色を滲ませた美しい藤色の瞳に睨まれる。
「――悪趣味だな」
結局、北の侯爵令息は何も教えてはくれなかった。
ただ「近づくな」と一言釘をさされた。
そうか。
じゃあ、ご期待に添わないと、な。
北の侯爵家令息は酔っていた為に肝心な事を言い忘れていた。
「イリアは求婚など、されていない」と――。
上記を追加しました、
イリアは確かに宰相子息以外の三人に好かれていますが、本人は気付いていないようだし、三人も正式に求婚はしておりません。2016.2.22




