お姫さまとお茶会4
わ~い!
本日二作目です!
「イリアには王太子妃が相応しいわ!!!」
なんてアホなことを姫が言うものだから、わたくしは盛大に吹かしてしまった。あ、紅茶は空だけど。
メイドちゃんがタオルを寄越してくれた。汚してないけど、ありがたく受け取る。
「まぁ~!王太子妃~!!素敵ね~!!!」
「さすがですっ!姫さまっ!!すごいですっ!!!」
「イリアさまぁ!羨ましいですぅ!!王太子妃ですよぉ!!!」
伯爵令嬢、ちっとも素敵じゃないから。
追っかけ少女、何がすごいのか分かんないから。
メイドちゃん、羨ましいなら代わるから。
だから、その勘違い発言なんとかしてっ!!
マッチョも去ることながら、王太子妃・・・即ち王妃なんてまっぴらごめんだから!!!
なんて。
おくびにも出さないで、やんわりと断る。
笑顔で。
「わたくしには王太子妃なんて、とてもとても・・・無理ですわ」
「イリア・・・」
何故そんな悲しそうな顔をなさるんてすか?姫様。
「私と姉妹になるのは・・・嫌?」
そうか!そうなるね。義理の姉妹だ。
「まさかっ!!そんなことありませんわっ!!!」
殊更に否定してみせる。わたくしが嫌なのは姫じゃなくて、マッチョだから。とは、言えないので。
「わたくしは王妃には向いてませんわ。皆さんに迷惑かけてしまいますもの」
「イリアに王妃が務まらないなら他の誰にも務まらないわ。」
「そうですわ~。わたくしだって一応伯爵令嬢ですが、イリアさまに比べたら・・・まず無理です。ええ無理です。ホントにホントに無理です」
何だろう。伯爵令嬢の顔色がどんどん青くなっていく。語尾も伸ばしていない。嫌なことでも思い出したのだろうか。
姫がわたくしを見る。ほら、伯爵令嬢の彼女もこう言ってる、と目で語ってくる。
そりゃあ、ねぇ。
出来るか出来ないかで言ったら、一応侯爵令嬢ですから?出来ると思いますよ。そういう勉強はさせられてます。でも、小っちゃな小っちゃな山の上の国の王妃だからねぇ。正直誰でもできる!と思う。
だって貴族の為の豪華絢爛な夜会はほぼ無いし、貴族社会というより町内会?みたいだし、隣国との付き合いも微々たるものだから煩わしいことなんてないし。やる気さえあれば、伯爵令嬢でも町娘だって出来るでしょ。
仕方ないのでマッチョ嫌いに代わる第二の理由を出そう。妃になれるかなれないか、が却下されたので、詰まるところ、やりたいかやりたくないか。
「王妃にはなりたくないんです。」
やりたくないっ!楽だなんだ言ったって、やっぱり王妃ですから!!大変なはずっ!!!
前世一般市民のOLちゃんは!そんな面倒臭いことやりたくないんです!注目を浴びるのだって苦手だし恥ずかしいし。
でも、もし・・・。
王子がマッチョでなかったら・・・ちょっとは考えたかもなぁ。好きになったら、なれたら・・・王妃なんて関係無いって思うのかも。
絶世の美青年だったら・・・いや美青年だった。マッチョであることに目を瞑ってしまいたくなるくらい美青年だったけ。白い肌ならぬ美青年は七難を隠すのだろうか。
いやいや、中身も大事さっ!
そろそろお茶会から離れたい……。
ありがとうございました!!
書き足しましたが、内容は大して変わりません。2016.2.22