第7話:水利美術館に怪盗現る
先日、怪盗556から、一通の予告状が真宛に届いた。
内容は、"明朝0:00、水利美術館に展示されている最高級のダイヤモンドを盗む"と言う事だ。
真は例の美術館で、捜査三課の宮下警部と、ダイヤモンドをケースに入れ、少し離れた所で張り込みをしていた。
時刻は現在、23:55。予告の0:00まで残り5分だ。
カチ、コチ、カチ、コチ
時間だけが刻一刻と過ぎ、遂に時計の長針が12を差した。
が、何も起きなかった。
「何も起きなかったな。」
そう言って、宮下警部はダイヤモンドの確認をした。それと共に、宮下警部の顔色が変わった。
「どうしたんですか?」
真は訊ねる。
「これを見ろ。」
宮下警部は、ダイヤモンドの下にある手紙を取り上げた。
『ダイヤモンドは予告通り頂きました。怪盗556。』
「やられた!」
宮下警部は叫んだ。
「でも、ダイヤモンドは目の前に・・・。」
真はダイヤモンドを触ると、途中で言うのをやめた。
「これ、只のガラスですよ!」
「ようし、お前ら!美術館の非常口を含めた出入り口を封鎖しろ!
556はまだこの中にいる筈だ!」
宮下警部は、現場に居合わせた数百といる警官に怒鳴り散らした。
警官らは、敬礼をすると、素早く配置に着いた。
その頃、現場付近では、別の事件が起こっていた。
なんと、水利美術館の館長が、刺殺体で発見されたのだ。
「警部、この人って・・・。」
「あぁ、水利美術館の館長、水利 光夫だ。」
「此処見て。何か書いてあるわ!」
綾が何かを発見した。
警部は、それを確認する。
『five five six』
血文字でそう書かれていた。
日本語で556と言う意味だ。一体、どういう事なのだろうか?




