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第13話:真の正体

 いや、そもそも同じ人間が同じ場所に二人存在すること事態おかしい。

 綾は警視庁の資料室で調べものをしていた。

(怪盗556事件ファイル・・・──これだ!)

 綾は<怪盗556事件ファイル>と書かれたファイルを手に取って開いた。

 何かに気付いたのか、綾はニヤッと笑い、

(やっぱりな)

 と、心中で言った。

 綾はファイルを閉じると、それをしまわず、自宅へ持って帰った。


「ただいまあ〜」

 玄関先で綾がそう言うと、弟の大輔が来て、

「お帰り!」

 と、言った。

「真いる?」

「お兄ちゃんっ、お姉ちゃんが呼んでる!」

 大輔の一声で、二階から真が降りて来た。

「話があるから来て!」

 綾はそう言い、真を外に連れ出した。


 綾達は空き地にやって来た。

「で、話って何だよ?」

「単刀直入に言う。

 お前は真じゃない」

 綾の発言に、真は目を点にした。

「言ってる意味が分からんのですが・・・」

「これを見ろ」

 そう言って、警視庁から持って来たファイルを開いて見せた。そこには、怪盗556からの予告状が貼り付けられていた。

「これはこの間、美術館の時に送られて予告状。この予告状と、今までの予告状を見比べてみると、作り方が違っているんだ。

 今までのは新聞の文字を切り抜いて紙に貼り付けたもの。そして今回のこれ。

 これは恐らく偽物。つまり、美術館長を殺害した、宮下元警部が作ったもの。本物の怪盗556・・・──あんたを誘き出す為にね!」

 綾は真に人指し指を突き付けた。

「しかし当時の貴方は、偽物を作ったのが誰か知らなかった。だから貴方は、それを確かめる為真に変装し、宮下の前に現れた」

 綾はそう言い切った。

 真は笑ってこう言った。

「面白い推理だ・・・。でも、証拠が無い。それに、俺はあんたが薬を飲まされ、女になった事・・・」

 真が言い終わる直前に、

「大輔が吐いたよ。あの日、俺の本来の姿に変装したあんたが突然大輔の前に現れ、大輔から俺の事情を聞いた。そしてそのまま霧崎家に潜り込み、普段の<真>を体に焼き付け、真を演出した。しかもあんたが現れた日、あの予告状が届いた日と同じ日だしね!」

 と、かき消した。

「怪盗556、今日こそお前の正体を暴いてやる!」

 そう言って、綾は真に飛び掛かった。

ボン!──真は煙幕を発生させ、その場から消え失せた。

「ぬぁっ!?」

 綾が辺りを見回すと、

「こっちよ!」

 と、上空から女性の声が聞こえた。

(え?)

マジでか?──綾はそんな顔をしながら上空を見上げていた。

 上空には、気球から垂れ下がったロープに、長髪で仮面を付けた人物がそのロープに掴まっているのが見えた。

(怪盗556って、女だったのか!?)

「我がライバル霧崎 綾、ご機嫌よ〜う」

 556はそう言い残し、一瞬でその場から消え失せた。

「待てコルァ!」

 綾は叫んだ。が、どうにかなる訳でも無い。




──────────────────

おまけ:NGシーン

綾は真に飛び掛かった。

ボン!──小爆発をし、二人は真っ黒になった。

ディレクター:「はいカット!」

監督:「こらっ、何度言ったら解るんだ!?そこは真が消えなきゃ駄目だろ!」

ナレーター:「監督、落ち着いて落ち着いて」

作:「あ、今の面白いから入れよう!」

一同:「却下です!」

その後、編集部によって編集されてしまいました。




今回、NGシーンを最後に盛り込んでみましたが、どうでしょうかね?

あれ、マジでやろうと思ったんですよ。



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