前へ目次 次へ PR 12/100 9・朝のにおいがしたよ。★ 見慣れぬ木の天井に、やわらかい光が揺れていた。露の湿った空気が部屋を満たしている。鳥の声が朝を告げていた。 「確か僕は……」 異世界へ来たんだっけ。そして、シイラに助けてもらって……。 慣れない寝床で心配だったが、心地よく眠ることができた。 「布団もいいけれど、これも悪くないな」 目覚めたばかりで、ぼんやりする意識の中、僕はハンモックから降りようとした。 僕はハンモックから落ちた。 訂正。布団の方が起きやすい。