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0・目が覚めたら異世界かよ!
「テンプレ? なにそれ、おいしいの?」
僕は「テンプレ」と言うものを、口に含んでみた。
「……香ばしい感じだな……でも、意外といける、かも?」
異世界召還、主人公最強?
なんかそんな感じの使い古された何番煎じ?
よくある物語を1話200字縛りで、簡潔にお届けするのがモットー。
それで話が成り立つのか。
本当にそれでいいのか?
読者を飽きさせることなく、最後まで書き終えることができるのか?
(読者がいればだけれどね!)
声が聞こえる。
「もう、この子……たら、いつまで寝て……の?」
これは、母さんの声。眠くて、言葉がよく聞き取れない。
「……」
僕の体はまだ目覚めていない。
「早く起きなさいね! わかった?」
「……う、ん」
そして起きたら、そこは見知らぬ場所。
「ここは、どこ?」
ていうか、布団まで消えているんですけど。そして、なぜか靴や制服が辺りに散らばっている……
僕はそれらを拾い集め、制服に着替えた。
……パジャマよりはましか。




