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声をころして、泣き叫ぶほどの  作者: はなぶさ


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1/1

終わりと始まり

カランカランと鳴り響く荘厳な鐘の音に、思わず天井を見上げた。

神がもし、声を発したならば、こういう不思議な音色で話すのかもしれない。と詮無いことを考える。言葉などなく、だけど、いかにも雄弁に神託を下すのだろう。

「……いい日よりで良かった」

囁き声のような呟きが耳を掠めて、真横に並ぶ人の存在を思い出す。

私よりも頭二つ分は背が高い。

真っ白な騎士服が眩しく、つい眇めるようにしてその顔を見上げた。

話しかけられたと思ったが、どうやら彼の独り言だったらしい。

整った横顔は真っすぐ前に向けられて、その双眸はどこか遠くを見ている。きっと、私が見つめていることにも気づいていない。


微かに寄った眉間が少し険しくも見えるが、緊張しているようにも受け取れる。


一瞬、何か声をかけたほうがいいかと逡巡したけれど、もはやこの状況において何も言うべきことはないと口を噤んだ。

祭壇までは後少し。大階段の上で、聖職者が待ち構えているはずだ。

全ては予行演習通りに滞りなく進んでいるし、そうでなければならない。

我が国のここ数年の苦境を思えば当然のこと。魔物に怯え、時に蹂躙されてきた暗い時代を過ごさなければならなかった子供たちにとっては初めての大規模な祭事であり、祝い事でもあるのだから。

もちろん大人たちだってこの日を待ち望んでいた。あまりにも久方ぶりの吉報に国中が揺れたのは記憶に新しい。


一段目に足をかけたところで、大きく息を吐き出した。

と、と、と小さく鳴り続ける胸の音がただ心地よく、手の平をみぞおちに当てて緊張を和らげようと努める。


旅装束に身を包んでいた頃がただ、懐かしく。魔物と対峙していたあの頃が、記憶の片隅に追いやられていく。

こうして私たちは、一緒に年老いていくのだ。


だから今は、神の前で誓うだけ。―――――永遠の愛と献身を。


「美しいな」と、今度ははっきりと声をかけられて再び顔を上げる。けれど、やはり彼は私を見ていない。

着飾っている私にくれた賛辞かという思い違いを恥じ、その視線につられるように辺りを見回せば、壁面を飾る色とりどりのステンドグラスから降り注ぐ光が、礼拝堂を七色に染め上げていた。

階段の両端とその下に並ぶ、参列している人たちの顔を幻想的に照らし出す。

夢を、見ているようだ。

私も、きっと彼らも。

それぞれに、今日のために誂えたと思しき一張羅に袖を通し、今か今かとこの時を待っていたのが分かる。女性たちの髪を飾る色とりどりの花々が、この場を一層華やかに盛り立てている。


この場に招かれているのは、老若男女問わず、けれどもそのほとんどが貴族であり、出自がはっきりとしている者だけだ。そもそも正体不明ともいえるような怪しい人間は、ここには並べない。

全ての人間が互いの顔を知っているというわけではないが、名乗れば、家名くらいは聞き覚えがあるだろうと思しき人々が集められた。

その誰もが、間違いなく私たちを祝福するためにここにいる。

ぱっと見る限り、どこかで見た顔もあり、そうではない人もいる。けれども、一様に表情は明るく輝き、どこか誇らしげだと分かる。綻んだ頬に、柔らかく上がった口角。喜色に満ちており、喋ってもいないのに笑い声が聞こえてきそうだ。


世界を救った勇者と、我が国の姫君が結婚する。しかもその姫君は聖女であり、勇者と一緒に世界を護った。

事実としてはたったそれだけのことだが、現実としてはそれ以上に素晴らしいことはない。


己のことながらどこか他人事のような気がするのは、すべて、仕組まれたことだったと知っているがゆえ

私が望んだわけでも、彼が選んだわけでもない。

私たちは、初めから想い合う必要があったし、それ以外に選択肢などなかった。

世界を救うために彼は、私を愛したのである。そうなるように周囲が仕向けたし、私自身も努力した。


血塗られた戦場で、勝ち続けるために。


―――――平和な世界で生まれ育ち、魔物すら見たことなかったその人が、震える指で柄を握った日。それを覚えている。

私の背丈よりも小さかったその子は、幾度となく「怖い」と訴えた。涙の滲む大きな黒い瞳。色を失った唇。はっきりと分かるほどに怯えている少年に、それでも私は容赦なく言ったのだ。

『どうか、この国をお救いください。《《勇者様》》』と。


『貴方様が一人で戦えないというのなら、私も一緒に戦います。だからどうか、この国の人々を守ってください』


異世界から招かれたその子には、他に味方がいないと知っていた。だから、くしくもこの国の王女に生まれたからには、傍にいて、助けてあげようと誓った。

そうすればこの子も、《《私を》》守ってくれるだろうと。

誰かのために剣を振り上げたとき、人はどこまでも強くなる。教えられるまでもなく、すでに知っていた。

よって私は、どうしても「彼の大切な人」にならなくてはいけなかったのだ。


卑怯だと、よく理解している。

それでも為さなければならなかった。


歩調を合わせて一段一段、慎重に階段を上る。最上段に立ち並んだ私と勇者を迎えたのは、かつての旅の仲間でもあった男だ。神に仕える身でありながら、戦うことを選んだ人。彼にもそうせざるを得ない理由があった。

幼少期に神託を受けたその人は、生まれながらに、勇者の仲間となることが定められていた。いつか来る魔王討伐の旅に備えて、神殿で祈りを捧げながらその時を待っていたのだと聞く。

何を願っていたのかは知らないが。

逃れられない宿命に、抗うことはできなかったのだ。

「とうとう、ここまで来たのですね」

優しい面立ちが、赤の他人にすら安心感を与える。

感嘆の混じる声音で言われては、ただ胸が震えた。


そうだ。とうとうここに来た。


何か返事をしようとして唇を震わせるに留まった私を見て、何か思うことがあったのだろう。濃い紫の目をほんの少しだけ揺らして、次の刹那には眦を緩める。

そんなに年も変わらないはずなのに、まるで父親のような慈愛を見せた。

「ありがとう、ございます……」

何に対する感謝なのか、自分でも表現しがたい。それでも言葉にせずにはいられなかった。魔王討伐の旅で初めて、城を出た世間知らずの《《姫君》》を辛抱強く支えてくれたのは、他ならぬ彼であったから。


もっと伝えたいことはあったけれど、口を開けば泣いてしまいそうだった。声にならなかった言葉が、こくりと喉を滑って落ちていく。

「神官殿、」

聖職者と共に、この場を仕切っている宰相が控え目に声をかけてきた。

しわがれた声に焦りが滲む。暗に、宣誓を済ませるように促されていると感じた。私と勇者が一刻も早く誓いの言葉を交わすことを、この場に招かれた人間全てが心待ちにしていると。


ふと、視線を感じてそちらを見やる。

祭壇の中央。見上げるほどに大きな、大理石で作られた神の肖像の足元に、この国で最も偉大で尊大な男が鎮座していた。―――――国王陛下であり、私の父だ。

魔王を倒して帰還したその日に顔を合わせて以来である。

鋭い双眸に身が竦む想いだったけれど、怯むわけにはいかぬと曖昧に微笑んで見せた。すると、父はわずかに目を瞠った後、ふんと鼻を鳴らしたようだった。

かの人の目に、娘でもある私がどんな風に映っているのか知る由もないけれど。


誰かの庇護がなければ生きていけなかった籠の鳥は、魔王を倒すための旅で、強さを手に入れた。仲間を失っても、足を止めることはなかったと自負している。

私が残してきた足跡には、きっと赤い血だまりが滲んでいることだろう。

一歩、踏み出す度に犠牲にせざるを得なかった仲間の悲痛な声が聞こえる気がする。

旅を終えた、今でもだ。

おとぎ話のように、美しい終わりを迎えることができたなら、どれほどに良かったことか。


ここに来るまでの道程には無数の屍が積み重なっている。

その一つ一つに、人生があった。


「―――――死が二人を分かつまで……、」


その時が来るまで、繋いだ手を決して離さぬようにと神に仕える男に念を押され、私と勇者は揃って返事をする。二人の前には、愛を誓い、今後生活を共にするための約束事が明記された書面があった。神官に促され、立会人に渡された羽ペンで名を刻む。書き終えると、ふわりと光の魔法印が浮いた。

何せ王族の婚姻だ。愛だ恋だのという絆で結ばれる関係ではない。契約によって縛られ、簡単には破棄できない。

指が震えたのは気のせいだと、一つだけ瞬きをする。

そして、続いて羽ペンを握った勇者の横顔を見た。


異世界の文字しか書けなかったのに。

手袋をしたまま、考える様子もなくスラスラと自分の名前を書くその姿に、胸が締め付けられるような気がした。元々、読書が好きだったという彼が、ここでは本も読めないと泣いて、喚いて、故郷に帰りたいと言い募ったのはいつだったか。

幼児用の絵本を買い集め、一緒に勉強しようとその手を取って、書庫に籠った。


あのとき。勇者が一番最初に覚えた文字は、私の名前だ。

自分の名前よりも先に、私の名前を覚えた。王族の名前は、長い。もっと簡単な単語から覚えたほうがいいと言った私に、彼は、練習になるからと頑なだった。


勇者はどんな想いで、他人の名前を覚えたのか。


「それでは、誓いの口づけを―――――」


聖職者と共に式を仕切っている宰相が、しわがれた声で告げる。

私と勇者は向き合い、互いの顔を見た。正面からこうして見つめ合うのは、なかなかに珍しい。

彼は薄く微笑んだまま何事かを口にした。

聞き返そうとした刹那、その人の唇が私の口の端を掠める。


途端に沸いた歓声と、大きな拍手に気を取られていると、


「ずっと、このときを待っていた」


勇者が、はっきりとそう言って私を突き飛ばした。あっと思う間もなく、祭壇に続く大きな階段を一つ滑り落ち、広がった白いドレスの裾が視界を塞いだ。遠慮などなかった。容赦なく押されたのだと理解する。

いつもは、何の躊躇いもなく私を守るその大きな手の平に、痛みを与えられた。

ふわりと宙に浮いた身体に、恐怖よりも驚きが勝る。


投げ出された身体が、一回、二回と転がった。


その視界の隅で、誰かが駆け寄ってくるのが見える。隊服から、護衛騎士だと分かった。けれど、私を助けに来たのではない。本来ならば王族を護るために存在するその男は、その目に勇者の姿を認めると、何かを投げた。

はっと息を呑んだのは誰なのか。

先ほどまで隣に並んでいた男の、大きく広げた手の平に吸い込まれるように投げ渡されたのは、―――――剣だった。

勇者と騎士の間には、何の会話もない。なぜ、剣を投げたのか。なぜ、剣を受け取ったのか。これから、何をしようとしているのか。

事前に打ち合わせしていたことなのだと知らされる。

その間、祭壇の上にいる国王の一番近くに居た護衛騎士はぴくりとも動かず、声すら上げなかった。こちらもきっと、全て承知していて、あえて見過ごしているのだ。


赤い絨毯に尻もちをついたまま、一連の出来事を見守っているだけの私は。傍から見ればあまりにも滑稽だったに違いない。

悲鳴の中で、勇者が、近衛騎士に渡された「剣」を振り上げる。離れた場所にいた幾人かの騎士が我に返り、乱心したとすら思える勇者を取り押さえようと突進するも触れることすら叶わない。

相手は、救国の英雄だ。剣を交わすことすらできず、何が起こったのか突然巻き上がった風に吹き飛ばされた。魔法には明るくないという勇者だが、それでも一介の魔術師よりもずっと強い魔法を発動できる。詠唱も必要なく、魔法理論を学ぶ必要もない。勇者が勇者たるゆえんというやつだ。

一方で、礼拝堂の外にいた騎士たちがなだれ込み、誰が味方か、誰が敵なのか分からないまま戦闘態勢に入った。


「、」


思わず口にしたのは勇者の名だった。けれど、頼りない声音は逃げ出そうとする参列者たちの喧噪にかき消されてしまう。

瞬きもできずに見上げた先で、夫となるはずだった人が振り上げた剣の切っ先が白く光る。

その向こう側に、天井画が映り込んだ。

神が、大きな羽の生えた使者に「この世の理」を諭す瞬間を絵にしたものだった。広い天井を覆うほどの白い羽が、佇む勇者の輪郭に重なる。


異世界から召喚されし、魔王を倒す者。

その人はまさに、神の遣いだったのだ。


そのとき。

逃げ惑っていた参列者の一人が、空気を切り裂くような長い悲鳴を上げたた。その声に触発されるように、足を止めて祭壇の方を振り返った大衆が、息を呑む。全ての音が、どこかに吸収されたように感じる。足音すら聞こえなくなって、狭くはない礼拝堂を静寂が支配する。

耳鳴りがするほどの静けさに眩暈を覚えながら、剣を掲げたまま私に背を向けた勇者を目で追った。

どこへ行くのか、すぐには分からなかったけれど。目的地は一つしかない。今、祭壇の前にいるのは、国王だけだ。

力の入らない足を叱咤して、両手を地面に押し付けて立ち上がる。何度か失敗して、それでもがくがくと震える膝はそのままに立ち上がれば、


勇者に首を落とされる父王の姿が目に飛び込んできた。


自ら、己に絶対不可侵の魔法をかけていた国王は。

ひどくあっけなく勇者に倒された。まるで、魔王を倒したときと同じように。

「―――――簒奪さんだつだ!!!!」

非難めいた言葉であるのは間違いないのに、高らかと宣言したとも取れる太い声に、我に返った貴族たちが再び散り散りに逃げていく。一目散とはまさにこのこと。

国王が弑逆されたとなれば、その絶対権力の恩恵に与かってきた貴族も無事では済まされない。整列していた長椅子さえ押し倒して。男性は女性を押し倒し、踏み越えて。女性は足をもつれさせながらも命からがらといった様子で逃げていく。


そのうち。

いつの間に決着がついたのか、つい先ほどまで討ち合っていた騎士たちも立ち上がっているのは数人だけになっていた。


どさり。


数分か、数秒か。首を取られたというのにそれでも玉座に居座っていた王陛下の体が崩れ落ちる。開いたままの傷口からとめどなく溢れる血液が、大階段を赤く染いていき、やがて、中段あたりに立ち竦んでいた私の足元まで届いた。


これは、私の父の血だ。


ガラン、ガラン、ガラン、ガラン。再び鳴り響いた大鐘に、どこからともなく落ちてくる大量の花びら。きっと、式を終えた私と勇者のために用意された演出だったのだろう。定刻通りになされたそれが、今このときを劇的に彩る。

国王の死を、祝福しているかのように。

「……死んだの……?」


本当に?


私の問いに答えるかのように、事も無げに頭上からぽんと落ちてきた丸いもの。

とんとん、と転がるそれを眺める。父の首だと気づいても、そのがらんどうの眼に見つめられても。実感は湧かなかった。

「さすが、聖女様。こんなことでは動じないか」

嘲笑すら滲んだ声に、はっきりとした侮蔑の色が乗っている。馴染みのある声なのに、初めて聴いた声のような気もして。


この世界に来た頃は、互いの扱う言語が違っても魔法で翻訳できたので会話に困ることはなかった。しかし時々、訳しただけでは意味が通じず、心の機微をうまく伝えるのには苦労した。意味不明な言葉の応酬になることも少なくなく、結局、滞りなくやり取りするには、魔法を使うよりも言語を覚えたほうがいいのではないかという結論に至った。

元の世界の言語とは、発声から異なる。

一から勉強するには時間がかかるし大変だと苦言を呈した学者に、この国で生活するならどうせ必要になるからと。勇者は学ぶことを選んだ。


つたない喋り方が幼くてかわいいと騎士たちに揶揄われ、影で泣いていたことを知っている。勉強して知識を得たところで使いこなせなければ意味がないと、街に下りて市井の人々と会話をして。

かつて教師をしていたという老婆が、とても親身に教えてくれたと喜んでいた。

そんな風に少しずつ、言葉を覚えたのだ。


魔法を使えば簡単にできることも、あえて魔法を使わない道を選んだ。不器用だからこそ楽をしたくないんだと苦笑していたけれど、できないことに挑むその不屈の精神こそ、勇者に必要なものだったのだろう。

言葉一つとっても、人並みの努力では足りなかった。魔王と対峙するまでに越えなければいけない壁は、他にも数えきれないほどあった。けれど、その一つ一つと向き合い、挑んでいったのだ。乗り越えることができなくとも、回り道をしても、先へ進むことを諦めなかったからこそ、今がある。


決して折れない魂に焦がれた。

仕組まれた恋だったはずなのに。

私はただ、勇者に恋をした。


手を引いていたはずが、いつの間にか横並びになり、やがて手を差し伸べられるようになった。導かなければならないのは私の方だったのに。光の先にはいつも勇者がいた。


「―――――ずっと、このときを待っていた。ずっと、ずっとお前を憎んでいた。こうして、お前の命を奪う瞬間を心待ちにしていた」


踏み締めるようにゆっくりと階段を下りてきた勇者が、血に濡れた刃の切っ先を、私の首に突き付ける。緊張に凝り固まった皮膚は、傷つけられても痛みを感じない。

瞬きをする度に、勇敢なその人の姿が脳裏に焼き付くような気がした。


「聖女よ。最期に何か言いたいことはあるか?」


積み重ねてきた日々が嘘だったとは思っていない。でも、自身が誠実だったかと言えばそうではない。いつだって打算があった。

勇者が、勇者らしく「力」を手に入れたなら。魔王討伐の旅を終えて、国に帰ったら。私と彼が縁を結び、やがて国王と王妃になったなら。


夢見た、未来があった。


「聖女よ」


―――――愛している。私は、この人を、愛しているのだ。


「いいえ。申し開きはありません。……断罪を、受け入れます」

「何?」

「犯した罪の報いを受けます」

頭を垂れ、首を差し出す。刃が皮膚に食い込み、階段に広がったドレスにぽたりと赤い染みを作った。

「……罪を犯したという自覚があるのか?」

「はい」

沈黙が走る。目を閉じて耳を澄ませば、いくつもの足音が響いた。勇者には動じる様子がないことから、集まってきた人たちは彼の味方なのだろう。

「……は、はは、そうか。なら、言ってみろ。お前はどんな罪を犯したんだ?」

「……」

すっと、息を呑む。罪とは、一体どんな色をしているのだろう。やはり闇にまみれているのだろうか。だとすれば、私の吐き出す息は。黒く濁っているのかもしれない。


「私は」


「聖女ではありません」


《《私が》》、聖女を、―――――しいしたのです。

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