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よく笑う女ってのがモテるのよ

極悪ホステスの第六話です。

楽しんでいただければ幸いです。

ホステスやキャバ嬢の特技ってなんだと思う?それはね、面白くもないのに笑えることよ。


私はクッソつまんない喜劇を見て、心底楽しそうに笑ったの。お上品にね。笑いをこらえきれない感じで。ヨアンもヘレナもナサニエルも満足してたわ。人を気持ちよくさせるのも得意なのよ。

笑顔でたのしーとかおもしろーいって言えばいい。独り言のようにね。


素朴な女はこういうの似合うでしょ?だからそれも加味して今日は黄緑に薄い黄色が入ったドレスにいつもの濃い茶色のリボン、そしていつものソバカスに薄くメイクして紅もうすーく塗って自然体で来たわけ。笑っているのが似合う女。


ヘレナは綺麗な薔薇とかが刺繍されているアンティークみたいな柄のドレス着て、金髪をおしゃれに結ってた。そう、私みたいに笑えないスタイル。クス、くらいが似合うやつ。

ヘレナの魂胆としては私の素朴さを踏み台にして美しさを誇示したいんだろうけど、甘いのよ。

おかげで劇が終わった後シスコン兄弟は私に興味を示したわ。


「喜劇が好きなのかい?」

「とても面白かったですわ。ほかにもありますの?」

「あるよ。冒険譚に恋愛、悲劇、神話、いろいろだね」

「まあ、もっと見てみたいですわ」

「じゃあまた皆で行こうか」


ナサニエルは私に反撃されたあの日以降皮肉も言わずに私に接して今は機嫌よく了承してくれた。

人間ってね、自分の考えたプレゼントや企画を相手に全力で喜ばれると嬉しくなる生き物なの。


私は褒めすぎず、オーソドックスなところを褒めてついでにアホ嫁だから笑う場面じゃないとこも褒めた。あ、ナサニエルの目がこいつバカだなって目をしてる。ラッキー。


私なんにも分からないフリをして楽しんでいる様を周りの貴族が気づくように振る舞った。



そう、今日の接客はナサニエルでもヨアンでももちろんヘレナでもないの。観劇に来ているほかの貴族や上の天井に近いところの賃金が安いとこで見ている庶民よ。



こんなわりと可愛くて素朴でバカな女、男だったらちょっと守ってやりたいなって思うでしょ?そしてこんなに喜んだら次もなにかしてやりたいなって思うでしょ?


そんな風に目立ってたからナサニエルとヨアンが今後の劇でヘレナだけを連れていったらすーぐ噂になるってわけ。

そしてまた社交界に広まるの。楽しみよね。今回は庶民もいるから噂が巡るのは早いわ。



「ごきげんよう、ウィリアムズ公爵家の皆様。こんなところで会うだなんて奇遇ですわね」


帰り際に貴族が話しかけてきた。そして私を見て、「あなたはクラリス嬢?まあずいぶんお変わりに...」と驚いているフリをしてたので私は幸せそうなフリをして「ごきげんよう、エイベル伯爵夫人」と笑顔で挨拶した。

銀座のホステスってね、人の顔と名前を忘れないの。絶対にね。

あなただって2回目に会った人が自分のこと忘れていたら嫌でしょう?私はエイベル夫人とは結婚式で一回会っているの。


私の幸せいっぱいって感じの笑顔に伯爵夫人は「お元気そうでなによりですわ。先日の舞踏会では具合が悪そうでしたので」とチラ、とナサニエルたちを見、私の方を見た。

ふーん、この女ゴシップ好きなのね。私は笑顔で首を傾げた。そう、なんでも正直に話すバカ女が口を開く前みたいに。そして案の定ナサニエルが割って入った。



「こんばんは、夫人。ご機嫌麗しく」

「ごきげんよう」



手の甲にキスをしてナサニエルは話題を変えた。少し談笑してエイベル伯爵夫妻は帰って行った。

そしてこちらを振り返り、「さあ、帰ろうか」と笑顔で言った。

いつもは食事して買い物して帰るんだけど賢明な判断ね。私はこの時は何も言わなかった。だってこの後普段の3人の行動がどうなっているのか知らないからね。

ショッピングも食事もしないで観劇だけして帰るのって不服よね。ヘレナ。今までこんなことなかったもんね。

私はさっさと馬車に乗り込んだ。いいのよ?ここで私だけ先に帰しても。でもあそこにいた貴族何人いるかしらね?


そう思ったらヨアンたちが乗っている馬車が違う道を行ったから心の中で大爆笑。


マチルダに聞いたんだけどこの辺の店って貴族が入るところって限られているみたいね。ブティックも。

あのゴシップ夫人に再び遭遇の確率高そうね。私はどうせめんどくせー話ばっかするだろうし、さっさと家に帰ることにした。


ところでヨアン、妻が観劇から1人だけで帰ってきたら家の者はどう思うかしらね?





だんだんと性格の悪さが垣間見えてきましたね。

次は明日に更新しようと思います。よろしくお願いします。


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