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クラリス(クラリッサ)の独白

極悪ホステスの最新話です。

楽しんでいただけると幸いです。

あの日、私はどうしてもボロボロのドレスで舞踏会に出る必要があった。

なぜか?ウィリアムズ公爵家を目立たせるためよ。だから怪我をして登場し、注目の的になった。


私言ったわよね?『主になる』って。そう、私は私の独自の名字と爵位が欲しかった。なぜか?ウィリアムズ公爵家にもシャムロック伯爵家にも戻りたくないから。


そうして家出して隣国のイーシーア女王国に向かい、オーサ女王に謁見し、私が前回王太子妃ルートで知ったエラディアの情報を渡したの。そしてこう言ったわ。


「オーサ女王陛下、和平のためにもここはシャンデア・キンギス皇国、ドォルデン王国との3国でエラディアを分けましょう。ケーキのように」


ってね。オーサ女王は面白そうに笑っていたわ。


家出したとき宝石やドレスを換金したのに劇団で働いていたのおかしいと思わない?貴族の買う宝石よ?それも公爵家。一生金に困らない生活できるはずだわ。私が歴史書を暗記したの覚えてる?手紙は?女優やってた時に贈られてきた外国人からのバラのプレゼントやお酒は?海の見える街で会ったお酒飲んでた人は誰かしら?私がぶつかったおじさんは?

私は誰に手紙を送ってたと思う?


どうして王宮のパーティーでアレクサンドラ殿下とアルベルティーナ殿下が私の方にいらしたのかしら?

私たちは仲良く女子トークをしていたわ。ヘレナに気づかれないように『アルベルティーナ様かっこいいわ』って言ったりしてた。

どうしてお茶会で即興劇をしたのかしら?逆に興味を持たれてしまうのに?

私ヨアンに言ったわよね?『私が夫になる』って。

全部布石よ。この時の為のね。


それに私はヒント出してたわ。シガレットケースの柄。ストレリチアの香水。ストレリチアの花言葉は?ね?



私が勉強が好きで読書家だって言ったわよね?そして銃やサバゲーが趣味とも。

お茶会をよく断っていたわよね?自分が注目の的になったり、メンツをよく潰していたわよね?

なぜか分かる?ナサニエルと険悪になるためよ。

それに言ったわよね?『ナサニエルを孤立させる』って。


ナサニエルの立場が弱くなればグロリア様がいくら望んでもナサニエルとの結婚は親が許さないからね。



私がナサニエルと険悪になればなるほど、ナサニエルは私が師事するグロリア様に興味失うわけ。

だからグロリア様は困ってた。そしてイラついてた。そこが重要。

カンがいいグロリア様が私が出したボロをナサニエルに伝えれないようにしたの。もしもの時の為にね。


なにかのマンガのセリフであったでしょ?『切り札はいくつも持っておけ、1つしかないなら出すな』ってね。


私は1つ、切り札をグロリア様に教えたわ。化粧の技術。

演技?あんなのは演技に入らないわ。だってグロリア様やアレキサンドルやガルシア大公ごときが見破る演技よ?本気じゃないの。分かるように演技してた。だから皆だまされて殺されたでしょ?


殺されたヨアンは何者かって?貧民街で見つけた男よ。クラリスもね。

『クラリス』が処刑される日に貴族の衣装を着せて立たせてた。

ヨアンは普段はあんまり話さないから特に目立った動きもなくてバレなかった。まあ、バレてもいいんだけどね。


要はクラリスの処刑に皆が夢中になってる瞬間があればいいのよ。そこに殴り込みすればいい。




ああそう、ヘレナやリヴェラ子爵家をどうして殺さなかったか分かる?マシューやシャーロット嬢も生け捕りにされたのに。


それはね、まずはヘレナだけど修道女になったからよ。

この辺一帯の国々ってね、宗教に従事する者は殺せないの。宗教戦争になるからね。その代わり教会の人たちは完全に中立を保つの。現実世界とは全然違うわよね。


リヴェラ子爵家はドォルデン王国に親戚がいるからよ。前にアナベル嬢が金髪でピンク色の目って言ったわよね?

ピンク色の目の子ってね、ドォルデン王国の人間の血を引いていないと生まれないの。

これはドォルデン王国特有の遺伝らしいわね。だからよ。下手に殺しちゃえばまた問題起こるしね。



大まかに言うとそういう感じ。私ってなかなかの策士だったでしょ?

え?ヨアンは知っているかって?もちろん知っているわ。そして彼は家族を捨てて私の夫君になることを選んだ。



ああ見えて苦手だったみたいね、両親と兄のこと。乙女趣味についてずいぶん言われてたようだし。

それに私はこう言ったわよね?「今日あなたをさらっていくわ」って。


そう、私はヨアンから選ぶ権利を奪ったの。言い訳できるでしょ?「さらわれたんだから仕方ない」ってね。


私はヨアンを人形のように犬猫のように愛でているわ。

まあ簡単に言えば昭和の亭主関白みたいな感じよね。妾や愛人作っても大丈夫だった時代。男が強かった時代。

イーシーア女王国って男女が逆になった昭和の亭主関白時代なの。男妾や愛人作るなんて当たり前。

私も1人2人はいるわ。まあ、夫君のヨアンを一番大事にしているけどね。だって大事だし?


これだけはグロリア様は見事に的中させたわね。



というわけで私たちは今はイーシーア女王国で平和に暮らしているわ。





お読みいただきありがとうございます。

次は今日の18時に更新します。


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