親子の会話、ゲームの始まり?
極悪ホステスの最新話です。
楽しんでいただけると幸いです。
「お兄様、お母様、私を騙しましたね?」
アメリアがふさふさとしたポニーテールを揺らして怒った様子でアレキサンドルとユニティに詰め寄ると2人は顔を見合わせて笑い出した。
「笑い事じゃございません!」
「いやいやごめん、叩かないでアメリア。そっか、クラリスのやつ言ったのか」
「~~~~~!」
アメリアが顔を赤くしてアレキサンドルを打とうと手を挙げるとアレキサンドルは「だからごめんって」って笑いながら頭を押さえてかがみこんだ。
「私心配しましたのよ!」
「だからごめんって。ーーでもこれで分かっただろう?武術と知識だけじゃダメだってことが」
「そうですよアメリア、人生にはユーモアも必要よ。でないと頭が固くなってしまうわ」
ユニティが笑いながら諭し、アメリアは仕方なく手を下ろした。アレキサンドルは立ち上がり「それで?」と尋ねた。
「どうだった?クラリスは?」
「楽しそうな方でしたわ。部屋に行った時乗馬服で室内で運動してらして、朝食を美味しそうに食べて、会話も楽しそうで。ーー私といるのが嬉しくてたまらないって感じで」
「あの時の傲慢な娼婦とは全然違っただろ?」
「ええ」
アメリアがそう頷くとアレキサンドルはアメリアに顔を近づけて言った。
「ああいう者には気を付けるんだよアメリア。彼女は演技ができて、人が一番喜ぶ態度ができて、人が一番喜ぶ会話ができるんだ。人を気分よくさせて気づかせないまま自分の思いどおりに動かす術を知っている。傲慢じゃない高級娼婦だね。もうちょっと観察しておいた方がいい。ーーで、約束は取り付けた?」
「はい、今度の週末に観劇にいく約束をしましたわ」
「そりゃあいい。お前は観劇したことなかったしね。一緒に楽しめばいいよ。なに、クラリスのことだ、嫌な思いはさせない」
「ええ、お兄様」
アメリアが頷くとアレキサンドルとユニティも笑い、「週末楽しんでおいで」と優しく言った。
アメリアが部屋を出て行くとアレキサンドルはユニティに尋ねた。
「母上はどうするおつもりなんですか?」
「今はグエンをつけて観察しているわ。仕事はできる方ね。最初はビルに頼んで喧嘩させようかとも考えましたけど、クラリスのこと、軽やかにかわすでしょうし、しばらくは様子見かしらね」
ユニティの優雅な姿にアレキサンドルは苦笑し「母上も手強い方だ」と言い、クラリスのことを考えた。
さあ、クラリス、君はチェスは得意だったかな?ゲームはもう始まっているよ?
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次は明日に更新します。




