なんか注目されちゃったわ
極悪ホステスの最新話です。
楽しんでいただけると幸いです。
私は今日はアメリア王女のせいで気分わりーし、お菓子たべよーって思ってお菓子がいっぱい置いてあるテーブルに向かった。
しっかし王宮の菓子はすげーな。ケーキもマカロンもクッキーも高級品だって一目見ればわかるし、チョコフォンデュは泉みたいになってるし、たまんねー。
私は老舗店のだろう生クリームがたっぷり載ったケーキを取り、メロンを取り、マカロンとクッキーを取り、あーうまい。と噛み締めていると「あの」という声がしたので振り返った。
「お食事中、申し訳ありません。わたくし、ドルトフ王家の第一王女のアレクサンドラ・ゾーヤ・ドルトフと申します。クラリス嬢」
「これは失礼を、少しお待ちくださいませ」
そう言って私はお菓子が乗った皿を置き、ナプキンで口元を拭い、アレクサンドラって女に向き合った。
お、この女もやるねえ。黒髪に黒目にも見える渋い青色の目をした彼女は固太りであんまし美人じゃないけど目が強い光を放ってて、結構イイ女。
エリート男が結婚相手に選ぶ女。つまり有能な女。
オーサ女王、こういう人の方が参謀に向いてんじゃないの?
「ーー失礼をいたしました。わたくし、ウィリアムズ公爵家次男のヨアン・ウィリアムズの妻のクラリス・ウィリアムズと申します」
「存じ上げております。ーーその、先ほどは大変すばらしかったですわ」
「と、仰いますと?」
「あの『地位に関係なく無礼な態度を取る方にはこの態度が妥当』という発言、素晴らしいですわ。とても気丈でございました。我が国は王室はございますが、民衆が第一の政治を誇っておりますの。よろしければ少しお話なさっても?」
「ええ、よろこんで」
私は内心お菓子食わせろよと思ったが、隣国の王家相手じゃあなにかあったら国際問題と思って仕方なくお菓子はあきらめてドルトフ王家の人たちのところへ向かい、話をした。
政治経済頭に叩き込んでおいてよかったー。ついでに言語も。私の流暢な発音と丁寧な言い回しにドルトフ王家は気をよくしてうちの国の話を聞いたり、私のことについて聞いてきた。
そしてようやく話が終わったと思ったら、「クラリス」と呼ばれて、私は結局お菓子を食べれずに隣国の王族の相手やガルシア大公やマルティネス侯爵やオルコット公爵家の相手してた。
菓子を食わせろ。
「しかし先ほどの発言、場合によっては王室への侮辱とも考えられますが、アメリア王女を止めるための発言と考えれば効果的ですな。ーークラリス嬢はどこまでお考えで?」
ガルシア大公は白い髭を触り私を見た。私は頬に手をあて「ええと」と困ったような笑顔で言った。
「わたくし喧嘩を止めるのは昔から得意でございまして...、しかし先ほどの発言はたしかに失礼でございましたわ。アメリア王女殿下の顔に泥を塗ってしまって...冷静に考えて欲しい一心でああ言いましたが、アメリア王女殿下が傷ついてはいないか心配でございます」
「ハハハ、心配にはおよびませんよクラリス嬢。彼女を私は幼少期から知っておりますが、あの程度でへこたれるような性格ではありません。それに相手の言葉を熟考し、態度を改めるという王女としての心構えもあります。今回の件で王女殿下はまた成長なさるでしょう」
「それでしたら安心でございますわ」
私はホッとした感じを出してガルシア大公の方に笑顔を向けた。
どうせもう意見はバッチリ言う奴だってバレてるしどうでもいいやとガルシア大公の値踏みしてる目をしっかり見てた。
ガルシア大公は顎に手をやり「しかし」と口を開いた。
「ここまで冷静かつ相手を黙らせる意見を言える令嬢も珍しい。ウィリアムズ公爵殿、隠しておりましたな?」
「ハハハ、良い武器は隠しておいてここぞという時に使うものですからな。ガルシア大公殿」
「ウィリアムズ公爵殿も人が悪い」
おーすげージジイ同士の熾烈な争いだわ。私はヘレナのそばに寄り扇で口元を隠し小声で「今、お義父様とガルシア大公様が笑顔で戦争してるわ」って囁いた。
ヘレナも扇で口元を隠しつつ「どちらが勝つかしら?賭ける?」って囁いた。
ヘレナは勉強してみると政治経済にめっぽう強くて新聞を一緒に読んでは討論してた。
私はヘレナだけに聞こえるように「わたくしガルシア大公様。クッキー3枚」と言った。ヘレナは「では私はお父様。クッキー4枚ね」と可愛い賭けが始まった。
それでどっちが勝つかなーって思ってたらマルティネス侯爵とドォルデン王国のアドリアヌス陛下が「喧嘩はそれくらいに。クラリス嬢にこてんぱんにされますよ」と割って入られたので賭けはおじゃんになった。
くそ、ヘレナの持ってるミニ香水・通称クッキー、ちょっと欲しかったのに。
マルティネス侯爵とアドリアヌス陛下が混ざってお義父様とガルシア大公と楽しく話してる。私とヘレナはどうしようかと顔を見合わせ、小娘は黙ってお茶でもしようかってことになってようやく私はお菓子にありつけることになった。
あ、ナサニエルが私を睨んでる。ウゼーな。長男で話題になれないからって文句言うなよ優男。
私たちはお菓子を楽しみ、私が有名になってしまったためにイーシーア女王国のアルベルティーナ王女殿下もさっきのアレクサンドラ王女殿下も混ざり、4人でお茶して楽しんでた。
アルベルティーナ殿下は長身で母親譲りの真っ赤な髪で海みたいな真っ青な眼とデキるエリートの男みたいな顔つきが印象的だった。笑い方もエリートの男みたいだった。
そう、銀座で少しお酒をたしなむけど、アホみたいに酒飲みすぎて騒がないタイプ。良客ってやつ。ついでに高い酒をキープしてくれるいい客。
アルベルティーナ殿下は私とヘレナを見つつ、「なかなかいい姉妹ね」って微笑んだ。
うわー宝塚みたい。かっけー。
「どちらも頭が良くて、ヘレナ嬢は柔でクラリス嬢は剛って感じね。母上が気に入るだけあるわ」
「そんな、めっそうもございません」
「ホホホ、能ある鷹は爪を隠すって言うしね。母上の言うとおり、席は空けてあるから、手紙をよこしたくなったら送ってね」
アルベルティーナ殿下は紅茶をかっこよく飲んで、「では失礼」と去って行った。
パンツルック似合うなー足なげーと私はアルベルティーナ殿下の後姿を見て考えててそれで皆と「かっこいい」ってキャッキャ話し合ってた。
10代の女の子にあんな宝塚はそりゃ羨望のまなざしで見てもしょうがないわよね。
実際アルベルティーナ王女殿下って自分で剣もって戦にも出るって聞くし。かっけーなと思いつつ、私たちは仲良くお茶してた。
そんで家に着いた時すっかり忘れていることに気づいたの。ヘレナの結婚相手探し。
お風呂に入っている時に気づいてあちゃーってなったわ。
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次は今日の18時に更新します。




