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まあデートくらいはしてやるわよ。同伴みたいなもんだし。

極悪ホステスの最新話です。

楽しんでいただけると幸いです。

刺繍って案外むずいな、って思いながら本を見つつ練習していたある日、またマチルダじゃないメイドがやってきてこういった。


「クラリス様、ヨアン様が一緒にお出かけをしたいと申しております」


私は断ろうと思ったんだけどそーいや今度デートするって話してたって思い出して、仕方なく「わかりました」って刺繍をテーブルに置いて準備した。

まあ同伴だと思えばいいか。全部奢ってもらえるし。


私はそれなりにラフででも気品ある若奥様みたいな感じで白のタイトなドレスにストライプ柄の入ったふんわりした足元のドレスに買ってもらったシンプルな真珠のネックレスとストライプが紺色だったから紺色の帽子を選んで身に着けた。

ほらあれ、オードリー・ヘップバーンが着てる有名な白いドレス。あんな感じ。

髪はまとめて、メイクはラフかつ気品ある感じ。そんで手袋をしてシンプルなパンプス履いて、日傘を持って階段を降りていったの。


ヨアンは紺色のスリーピースのスーツ着てて、まあまあお互い似合う感じ。んで同伴だからって納得して腕組んで馬車に乗り込んだの。


今日はピアノも何もなし。つまり暇。ヨアンはたぶん調べてたんでしょうね。

私はデート嬢になったつもりで「どこへまいりますの?」って尋ねたの。そしたら彼、なんて言ったと思う?


「美術館と、植物園、あとはカフェに行って午後は歌劇でも観よう」ですって。


へえ、ヨアンってもしかしてこういうの好きなの?って思いつつ私は笑顔で「まあ、素敵ですわ」って手を合わせて笑顔を作った。


ヨアンの「気に入るといいけれど」って言葉聞いてあーそういえばって私は思い当たった。

貴金属にも服にも興味がない嫁ってのを前に示したからヨアンなりに考えたんでしょうね。

まあなんでも気に入るわよ。今日は同伴でデート嬢のつもりでいるし。

ギャラが出ないけどね。


ホステスといえばブランド物のバッグにハイブランドの服に化粧品、って思ってもらっちゃ困る。

実はそんなもんあんまり必要ない。まあ接客の時はハイグレードの客が来るから着飾るけど。

普段はフツーなもんなのよ。

化粧品はハイブランドにしとかないと肌が荒れるからカウンターで買うけどね。

必要なのは客の話を理解できるくらいの教養よ。それと聞き上手なこと。


自分の話してる話に「そんなの知らなーい興味なーい。ところで私ねー」なんて言われたらイラッてくるでしょ?そういうこと。


美術館も植物園もまあまあ面白かった。この世界って知らない植物がいっぱいあるのね。

木蓮ってやつは知ってるわ。前に提案した空中庭園の女王が育ててたやつ。初めて見たけどなかなか綺麗な花ね。


そういえば王妃陛下にはなんの花をプレゼントしたんだろうって思ってヨアンに聞いたら彼はこう答えた。


「君が今見ている木蓮に、薔薇、百合、スミレ、イリス、アイリス、梅、桜、ライラック、ジャスミン、立麝香草、ヘリオトロープ、椿、紫陽花、ジャスミン、シクラメン、タチアオイに白蓮にヒマワリにミルトに月下美人に蘭。果物もつけようということでブドウやザクロ、いちじくにナツメヤシ、そして他には王妃陛下の好きな木々を少し。陛下が広大な敷地を提供してくれてな。水を流して部屋ごとにそれぞれ温度調節をして、花が咲き乱れるようにしたらしい」

「そうですの」

「君には礼を言う。王妃陛下から直々に手紙が届くのはめったにないことだ」


ヨアンの言葉に私は「いえそんな」と謙遜した。まさかそこまでするとは思ってなかったから私はちょっと驚いた。

そしてあの伝説の女王が女傑って呼ばれててめちゃくちゃ有能でまあ、不幸なとこもあるけど、40年以上女王として君臨したっての知っててよかったって考えた。


王妃陛下はなかなかのタフガイっていうか、夫の陛下にも気丈に意見する女傑らしいからこれが似合うだろって思って提案してた。


リヴェラ子爵は作った温室で思いついたのか作物を温室栽培したら1年中平民が食べ物に困らないってことで安価で手に入る温室栽培用の用具を発明して売り出して順調に売り上げを伸ばしてる。

簡単にいえばビニールで覆って栽培するみたいな感じ。


その事業にうちのお義父様が金出して結構収益得たみたい。ここで私に分け前寄越せよって言うほど、私はバカじゃない。


目先の金はどうでもいいの。はした金より欲しいのはウィリアムズ公爵家の圧倒的な地位。裏から手を引いて私が君臨してやるわ。私は心の中でクスリと笑った。



お読みいただきありがとうございます。

次は明日に更新します。


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