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オイ、マジかよヨアン

極悪ホステスの最新話です。

楽しんでいただけると幸いです。

ある日私とヨアンはお付きを連れて骨董市に出向いた。なぜか?絵画と芸術品が欲しかったから。

ヨアンは「画商でなくていいのかい?」って聞いてきたけど、こっちの方が掘り出し物が多いのよね。まあ偽物も多いけど。

だから私は「画商はあとで行くとして、先に骨董市に行かせて」って言って朝早くから向かったわ。

こういうのって争奪戦だしね。


そしたらあるわあるわ。東国の壺に棚に屏風に扇子、アンティークな木でできた棚。古書。贋作だけど精巧な絵画。

私ってこれでも審美眼あるの。なぜかって?ホステス時代に常連だったおじいちゃんからあれこれ聞いたから。

そのおじいちゃん、いろんな会社を経営してた社長で、骨とう品のコレクターだったの。

私にスマホの画像見せて(使い方お孫さんに教えてもらったらしいわ)「ここに赤い筋が入っていると良いもの」だの、「こういった金箔のものはあまり価値はないね」だの私に丁寧に教えてくれたの。

私はそれで骨とう品にちょっと興味出て、骨董市に行ったりしてた。


そんなわけで私は公爵家でいえばはした金の値段で壺とかアンティークな家具揃えて、屏風や扇子、古書も5冊くらい買って、絵も三枚くらい買ったわ。お皿もね。


ティーカップのところ見てたら200年前の王宮で使われただろう(歴史勉強してるときにたまたまイラストを見たのよね)繊細な模様が特徴的なティーセットが安く売っててマジかよって思って本物か確認したら本物で(ちゃんと王宮の紋章があったわ)値段何度も確認して、買っちゃった。超ラッキー。精巧な偽物でも綺麗だからいいわ。

服も見たらオシャレな柄のガウン売ってたから買っちゃった。あれよ、アメリカのセレブが朝に朝食取る時とかにはおってるやつ。綺麗な刺繍だったから。



私がホクホクしてさてじゃあ画商行こうかって時にヨアンが迷ってる感じで何かを見ていたから話しかけた。


「いかがしましたの?」

「ああいや、なんでもないよ」


ヨアンは笑顔でこちらを振り向いたけど見てたものが分かった。綺麗な薔薇と天使のステンドグラスっぽい絵が描かれた銀のシガレットケース。間違いなく女性用。

私はマジかよって思ったけど、思い返せばヨアンは私を連れ戻すときといい、発言をほとんどしないことといい、ヘレナのメイクやドレスの話をニコニコ聞いていたことといい、つじつまが合いすぎて、私はなるほどなって思った。



つまりヨアンはオトメンってやつ。可愛いもの綺麗なもの大好きなタイプ。ヘレナの話は女子トークとして楽しんでたってこと。



どうりで初夜がまだねえはずだわ。って思って、私は仕方なく隣の金色のシガレットケース(騎士が描いてあるやつ)とヨアンが見てたやつを両方取って「あら素敵」って言って買った。

ヨアンは「あ」みたいな顔してたけど私が「はい」って薔薇と天使の方を差し出すと「え?」って私に首を傾げた。


「わたくし、金色の方が好きですの。こちらはあなたがもっていらして」

「ーーーああ、うん、わかったよ」



ちょいワガママ奥様っぽく振る舞って、ヨアンの面目を立ててやってヨアンにシガレットケースを渡し、「では画商へ向かいましょうか」って言うと、ヨアンは頷き、「その、ありがとうクラリス」って柔和な笑顔を見せた。


おーーい、公爵家次男。ここでその顔はまずいだろ。

私は「早くなさって」と言ってヨアンの顔を見せないように腕を引っ張り連れてった。

これは噂になったらまずいだろ。金髪嫌いの私でもちょっとカワイイかもって思っちゃったし。

これだからオトメンはよーー。まあ私がこんな性格だから別にいいけど。



そんで画商へ行って、私は新人画家の描いた絵を何枚か買った。

そしたらヨアンも一枚買って「君にあげるよ」って渡してくれた。

エラディア王国の第7代目の王で唯一の女王・エリザベートの絵だった。

ふーん、なんかクリムトの初期の絵っぽくていいかも。エリザベート女王の金髪も黄金の眼も綺麗だしって思ってたらヨアンが「君が舞台で演じてたよね」って言ってきた。


「すごく勇壮で威厳があって格好よかったよ」

「あら、ありがとうございます」


あの舞台見てたのかよ、と思いつつ私はまあエリザベート女王は嫌いではないしいっかと思ってこれは部屋の一番目立つところに飾ろうかなって思ってヨアンと一緒に帰宅した。



それから数日かけて私の部屋の大改造。ロココ風もいいけど私はこういう木で出来た渋い家具が好きなのよね。


カーペットもカーテンも変えて、カーペットは渋いオレンジ、カーテンは模様が描かれた紅色にして壁も黄緑から絵を飾るから茶色とクリーム系の色に直してもらって骨董市で買った棚と机と椅子、スツールに化粧台、テーブルを運び込んで、元の白いロココ系の家具も椅子や小さなチェストは使うことにした。

木のテーブルの上には深めの紅色の布かけて。暖炉の上に置いてある燭台も買ったやつに変えて。

本当はDIYしたかったけどあきらめた。材料ないし。絵を飾って本を入れて、クッションも変えて、ベッドはまあ後でどうにかすっかと思って、かけ布団の上のカバーとして骨董市で買ったオリエンタルな布をかけ、東国の屏風や壺やガラス付きの棚を置き、ティーセットを仕舞い、船の模型を置き(まあオーソドックスよね)陶器製の人形も飾り、姿見も買ったゴシック系のに変えて、ヨーロッパのサロン風に部屋を改造した。


奥様が何事かと思ってやってきたけど私の部屋見て「あら素敵」って言って公爵呼んできて見せて公爵も「へえ」みたいに顎に手を当ててるのが印象的ではあった。どうでもいいけど。


絵もヨアンが買ってくれた絵を見て「ほう」って言ってたので私は「ヨアン様がわたくしのために買ってくれましたの」とか言ってヨアンを褒めておいた。父親としてはもう気づいてるだろうしね。

ヨアンセンスいいでしょ?みたいな感じで優しく褒めてやると公爵は「まあ、ヨアンは絵画の造詣も深いしな」と言ってまんざらでもない様子で帰って行った。

ちゃんとあとであのオトメン褒めておけよ。


私はようやく和洋折衷のサロンっぽくなった部屋であのガウン来てフルーツ食べてお茶飲んでゆっくりしてた。あー落ち着くわ。

そしたらヨアンがやってきて「父上に聞いたけど、本当に素敵な部屋だね」って言って自分の選んだ絵が一番目立つところに飾られているのを見て顔を赤くして帰って行った。

オイ、オトメン気をつけろ。まだ昼だぞ。


そして私は買った古書を読み、気に入った家具に囲まれて幸せいっぱーいって感じで過ごしてた。

金のシガレットケースはたまに吸うための葉巻入れて使ってる。

ヨアンは私が選んだから「妻にこれを使えと言われて」と貴族仲間に言い訳していた。貴族仲間に「浮気防止じゃないか?」とか笑われてね。

ヨアン、さすがだろ私?これでお前の趣味だとは誰も気づかねーよ。良かったなオトメン。


そんな感じで変な風に私とヨアンの距離は縮まっていった。少しずつ。





お読みいただきありがとうございました。

次回は明日に更新します



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