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イイ女の教育ってサイコーよね

極悪ホステスの最新話です。

楽しんでいただけると幸いです。

グロリア様のところでは作法の他、教養とついでに化粧も習うってことになっているから私は今日はクローゼットの中から金と紺のストライプに藍色のジャケットみたいな袖がついているドレスを選んだ。

ちゃんと舞踏会で言われたように「令嬢らしい」服装。

そして髪は編み込んでアップにして結んで、帽子を被り、手袋をつけ、日傘と筆記具や化粧道具や本を入れた鞄を持って馬車に乗り込んだ。


運転手に行き先を伝え出発した。今日のメイクは昨日みたいな素朴な感じ。この方がグロリア様も昨日作法教育を頼まれた教え子が来たって説明しやすいでしょ?



オルコット公爵家に着くと、メイドがドアを開けて、私を見てクスって笑って(予想通り)私がアホ丸出しの挨拶すると「こちらでございます」ってグロリア様の部屋まで案内してくれた。


グロリア様の部屋はスミレ色と青と水色で統一されていて、さすが師匠は違うって思ったわ。

ロココ調だけど私の部屋のような素朴な感じは一切しない。静謐としていてお寺みたい。超カッコイイ。

メイドが去って行って2人きりになると私は実はできる令嬢の挨拶の仕方でグロリア様に挨拶をし、今日は紫のシンプルなドレスに身を包んだグロリア様はこっちを見て言った。


「なんだ、本当に演技なのね。素晴らしい挨拶の仕方だわ」

「いいえ、まだまだでございます。グロリア様のように現れるだけで場を圧倒させるにはこれではいけません」

「志が高いのね、気に入ったわ。では、昨日言ったとおり、一通りの教養を身に着けてもらって、作法も習ってもらいます。ピアノ演奏もね。それから、これからは一切の素朴さを捨てて公爵家の若奥様としての威厳を持ってもらいます。そして最後に、ウィリアムズ公爵家と我がオルコット公爵家の今後についても話し合いましょう」

「はい、グロリア様。ご教授御鞭撻よろしくお願いいたします」

「まずはお化粧ね。実際はどれくらいできるの?」


グロリア様の言葉に私は不敵に笑い、「一度、この化粧を落としても構いませんか?」と尋ね、頷きメイドに湯を用意させたグロリア様に礼を言い、私はクリームを使って丁寧に化粧を落とし、化粧水と別のクリームで丁寧に保湿し、化粧筆と化粧品を見て化粧を始めた。


紅を塗り終わり、「できました」というとグロリア様は「まあ」と少し驚いたように私を見ていた。


「素朴な野山の花が美しい百合に変身するとはね」

「恐れ入ります」

「明日からは少しずつこの化粧を私から習ったということで取り入れなさい。それと、歩き方、座り方、立ち姿も見たいわ」


そう言われて私は本当の歩き、座り、立ち方を見せた。グロリア様はケラケラと笑って言った。


「あなた大女優ね。劇団にいれば主役になれたでしょうに」

「この間の離婚騒動の際に実際に家出して劇団に入っておりましたわ。なかなか面白い体験でございました」

「まあ図太いわね。図太く生きる女は好きよ。あなたのその強い意志、実に素晴らしいわ。ーーでは、もう少し場を圧倒させる仕草を教えましょう」


そう言ってグロリア様はみっちり一時間かけて私に仕草を教えてくれた。

ドレスのひるがえし方、歩くときのヒールの音の出し方、扇の持ち方、首の傾げ方、目の合わせ方、口角の上げ方。

ああ素敵。これこそ私が知りたかったものよ。私はその日のうちに習得し、グロリア様に「忘れないように」と言われ、次は令嬢の心構えと教養を教えてくれた。



「ーーなかなか教え甲斐があるわね。言語も発音がいいわ。ピアノは少しずつ習っていきましょう」

「はい、お願いいたします、グロリア様」


私は心の中で銀座のホステス時代、客の話に合わせるために政治経済を図書館から本を借りて勉強し、外国人の客のために外国語を練習していたことに密かに感謝した。

今も役に立ってるわよ私。この世界の歴史や哲学や詩学、医学や詩や自然科学、政治経済は家で復習と予習をするとして、時間が来たので私はお礼を言ってオルコット公爵家を後にした。

次に来るのは来週。

それまでにどうにか知識を頭に詰め込んでおこうとウィリアムズ公爵家に帰り、シスコン兄弟とヘレナがお茶会しているのを確認して、部屋に戻りメイクを落とし、図書室に向かった。


私ってね、これでも読書家なの。だって子供の頃からお金なくて学校の図書室で本を読むしか娯楽が無かったから。

だから本を読むのはすごく得意。私は哲学と歴史、経済の本を取り、勉強をし、歴史はめんどうだから全部暗記しちゃおうかなって考えて本を借りて部屋に戻った。


昨日と打って変わって堂々と道を歩く私にメイドたちは驚いていたけど、私が「今、オルコット公爵家のグロリア様に作法を習っているの」と言ったらすぐに納得してくれた。


グロリア様の言っていたメイドへの対応はこう。気品高く、気高く、しかしお高くとまらないでメイドに敬意を忘れず、適度に気さくに。

難しいと思う?慣れれば簡単よ。つまり傲慢な女になるなってこと。


メイドの味方も増えてきている今、私は「これからはグロリア様の教えを守って接するからよろしくね」とメイドたちに令嬢らしく頼んだ。




お読みいただきありがとうございました。

次は明日に更新します。

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― 新着の感想 ―
婚家の人間をコロコロ手玉にとっていく様子は面白いんだけど 例えば歴史を暗記だと思ってる時点で、教育レベルがかなり低いし、本を読んでも何も理解してないことがバレてしまう そういう箇所があちこちあるなあ
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