ちょいイケオジ、既婚率95%。
最近気づいたことがある。
“ちょいイケてるオジさん”に、ときめく確率がぐんと上がっている。
清潔感あって、言葉遣いが丁寧で、
会話もおもしろくて、仕事もできそうで、
カフェで新聞読んでても違和感ないような人。
あ、素敵だな、って思う。
で、思った次の瞬間、
左手の薬指をチェックする自分がいる。
⸻
この前、仕事の打ち合わせで出会った広告代理店の男性。
背筋がスッと伸びてて、ユーモアもあって、言葉選びがスマートで。
「あ、こういう人にハマるわ私」と思った。
そして案の定、指輪、してた。
しかも、さりげなく自然に。
“見せつけてる感”もなく、でも確実に“守られてる感”はあるあの感じ。
あの空気の出し方、既婚者にしかできないと思う。
⸻
なんなんだろう、あの既婚者の安心感。
ちょいイケオジって、なんであんなに魅力的なんだろう。
“イケメンすぎない”のがちょうどよくて、
“落ち着き”と“色気”と“手慣れた余裕”が絶妙に混ざってる。
しかも、こっちの話をちゃんと聞いてくれる。
変に口説いてこないし、
適度な距離感で褒めてくれるし、
見た目だけじゃなく、人生の厚みも感じられる。
……それが全部、“既婚者だから”って気づくの、毎回ちょっと切ない。
⸻
たまに「この人フリーだったらなぁ」って思うけど、
たぶんフリーだったら、この“余裕”は出てなかったんだろうなってわかってる。
妻がいて、家庭があって、守るものがあって、
そのうえで成り立ってるバランス。
つまり私が惹かれてるのは、
その人個人というより、“既婚者の完成形”なんだろう。
なんか、もう、勝ち目がない。
⸻
友達に言ったら笑われた。
「そりゃちょいイケオジはモテるよ〜。でもだいたい既婚者だよね、もう」
「だから独身は残ってないのかもね〜」って。
……いや、笑えないんだけど。
こっちは本気で「あり得たかもしれない世界」に一瞬ときめいて、
でもすぐ現実に引き戻されてるんです。
これ、けっこうダメージあるんだよ。
⸻
とはいえ、私は“奪う女”にはなれない。
そういう恋愛の仕方ができるほど、強くも、器用でもない。
ちゃんと「ダメなものはダメ」って思ってる。
……でも、せめてさ。
あの人みたいな独身男性、どこかにいませんか?
既婚者じゃなくて、まだ“これから誰かを守る余地”がある人。
その余白に、自分が入っていける人。
⸻
今の私が惹かれてるのは、“男”じゃなくて、“大人の男”なんだと思う。
でもその“大人の男”って、たいていもう、誰かのものなんだよな。
⸻
やっぱり、ちょいイケオジの既婚率、95%。
下手したら、もっと高いかもしれない。
独身で、ちゃんとしてて、話も面白くて、
左手が空いてる人って……どこに生息してるんでしょうね。
ちょっと惹かれた人が指輪してた瞬間って、
ほんと、胸の中で誰にも見せない“ため息ボタン”押してます。
……せめて、夢くらい見させてくれてもよくないですか?