誰にも見せないけど、自分の気分が上がるから。
「ポイント5倍デー」って文字に惹かれて入った、下着売り場。
別に何か予定があるわけじゃない。
彼氏もいないし、見せる相手もいない。
でも――
なんとなく、“今の気分じゃない”って思った。
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売り場を歩きながら、
ふと手に取ったのは、
淡いグレーに、レースの縁が繊細についたブラ。
派手じゃないけど、どこか凛としてて、大人っぽかった。
「こういうの、似合うって思いたいな」
って、ちょっとだけ思った。
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20代の頃は、
デートのたびに下着を新調してた時期もあった。
「勝負の日」ってやつ。
でも今は、
そういう理由じゃなくて――
“自分の機嫌を、自分で取る”ために選んでる。
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誰かに「似合うね」って言われなくてもいい。
誰かの期待に合わせた色じゃなくていい。
鏡に映る自分が、
「うん、いいじゃん」って少しでも思えるなら、
それで充分。
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レジを済ませて、紙袋をバッグにしまうとき、
なんかちょっと背筋が伸びた。
下着って、服の下に隠れてるのに――
“気分”には、すぐに影響してくるから不思議。
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帰ってからシャワーを浴びて、
新しい下着に袖を通す。
(誰もいないけど、なんかちょっとだけ緊張するのはなぜ)
でも着けた瞬間、
ふわっと気分が変わった。
「おぉ〜、いいかも」って、
自分で自分に褒めたくなるような、そんな夜。
誰にも見せないけど、
ちゃんと“自分の気分”のために選んだってだけで、
今日の私、ちょっとかっこよくなれた気がした。
恋より先に、自分の機嫌をとる。
アラサーもアラフォーも、それがいちばん健やかかもね。




