酔ってかけたのは、安心じゃなくて、たぶん寂しさだった
金曜の夜、飲み会の帰り。
いつもより少し飲みすぎた私の手が勝手に動いた。
LINEじゃなくて、電話。
相手は、大学からの男友達、ナオ。
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「え、どうした、酔ってんの?」
「ん〜?ちょっとだけ。てか今なにしてたの〜」
「Netflix見てたけど…何?珍しいじゃん、酔って電話とか」
「いや、ナオなら出るかな〜って思って」
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たぶん私は、
安心したかっただけだった。
酔ってテンションが上がって、
でも家に帰ったらひとりで、
急に静かになる空間が少しこわくなって――
それで、
「ちゃんと返事してくれる人」の声が欲しくなったんだと思う。
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ナオは昔から変わらない。
適度にゆるくて、
でもこっちのテンポに合わせてくれる。
なんでもない話で笑って、
お酒の失敗談を話して、
最近観た映画の話になって、
いつの間にか30分が過ぎてた。
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「で、どうしたの結局?なんかあったの?」
「んーん、何も。
たださ、今日は“笑いたかっただけ”だったかも」
「そっか。
じゃあ俺、いい仕事したわけだ」
「それな。まじ感謝」
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電話を切ったあと、
しばらくスマホを見つめた。
恋人じゃない。
それはちゃんとわかってる。
ドキドキもしないし、
手を繋ぎたいとも思わない。
でも、“最後に誰かの声が欲しい夜”、
ナオを選んだのは私だった。
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恋じゃない。
でも、特別。
その境界線が、
たまに少しだけ、にじむ。
恋じゃないってわかってる。
でも、“誰に電話するか”って、
意外と、心の奥の正直な答えが出るよね。
酔ってたのは、お酒だけじゃなかったのかも。
……とか言って、明日はまたケロッとしてる自分もいるけど。




