表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/101

祝いたい。でも、そろそろ私の番って言わせて

また、結婚式の招待状が届いた。


ふわっとした花柄の封筒、

きれいな筆記体、

「ぜひご出席いただけたら幸いです」なんて柔らかい言葉。


喜ばしい。ほんとに、喜ばしい。


……けど、ちょっと待って。

私、今月すでに2件目なんだけど?



結婚式、行くの嫌いじゃない。

幸せそうなふたりを見て、

ドレス姿の友達に「めっちゃ綺麗〜!」って声を張るのも、好き。


でもさ、

祝儀3万 × 回数 = 割とリアルに生活圧迫なんですけど。



しかもそのうちのひとりは、

“高校のとき一瞬仲良かったグループ”の子。

数年会ってなかったけど、

「紬ちゃんなら絶対来てくれると思って〜」って連絡が来た。


いや、私、そんな“絶対”背負ってた?

ていうか、“来てくれると思って〜”って、ほぼ来てって言ってるよね。



準備に悩んで、

ドレスを新しく買う余裕はなくて、

3年前のネイビーを引っ張り出す。

アクセサリーで雰囲気ごまかして、

美容院の予約もなんとか取った。


あれ、

私、誰の結婚式に行くんだっけ?ってなるくらい、

イベントにかかるエネルギーがでかい。



「おめでとう」って言いたい。

笑顔で祝いたい。

心からそう思ってる。


でもね――

帰り道に、ぽつんと“自分だけが取り残されてる気分”になるのは、

もう何回目だろう。



みんなに祝儀を渡してきたけど、

私の番って、

いつ来るんだろう。


ご祝儀袋がたまっていく引き出しを見ながら、

ふと、そんなことを思ってしまう夜もある。



でも、負け惜しみでもなんでもなくて、

本当に好きな人とじゃなきゃ、私は結婚しない。


それだけはずっと、自分に嘘をつかずにいられてる。

それって、ちょっと誇らしいことだと思う。




お祝いするたびに、

“私はまだここにいる”って再確認するみたいで、

ちょっとしんどくなるときもあるけど――


私はちゃんと、今までの人生、祝ってきた。

だから次は、自分自身の幸せを祝える日を、

心のどこかで、待ってる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ