表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/101

幸せの定義、勝手に決めないで。

「え〜でも紬ちゃん、十分幸せそうじゃん」

「彼氏いなくても自由そうでうらやましい!」

「好きなことして生きてるって感じするよね」


…それ、褒めてるつもり?


笑って聞き流したけど、

内心はずっとザラついてた。



“幸せそうに見える”のと、

“幸せでいる”のは、違う。


私がいま、自分なりに心地いい生き方をしてるのはたしか。

仕事も、友達も、趣味もあって、

ひとり暮らしも嫌いじゃない。


でもそれって、

“結婚しない生き方”を選んだわけじゃないし、

“ひとりを極めたい”わけでもない。


“ちゃんと誰かと並びたい気持ち”を、

見えないところで、ちゃんと持っている。



それなのに、

「ひとりでも幸せそうだよね」っていう言葉は、

まるで“お前はそのままでいいだろ”って、

どこか決めつけてるように聞こえる。


私の“選んでない選択肢”を、

無理やり肯定されてるようで、モヤモヤする。



ある日、学生時代の友達とランチに行った。


彼女は子どもが2人いて、

食事中もスマホには保育園からの通知が何件か届いていた。


「毎日バタバタすぎて、逆に紬がうらやましいよ」って笑われた。


こっちだって、

「そっちの暮らしも幸せそうだな」って思ってるのに。


私の“静かな日常”を、

ただの“気楽な生活”として軽く扱われるの、なんかちがう。



幸せの定義って、

誰かの隣に立ってはじめて成立するものじゃない。


誰かの子を産んだから、

籍を入れたから、

家を建てたから、

そういう“枠”の中だけで決まるもんじゃない。



私は、私の人生をちゃんと考えてる。

ちゃんと悩んで、ちゃんと迷って、

そのうえで“今”を選んでる。


誰かのとなりで、

「私も、これでいいんだよね?」って

確認しながら生きてるわけじゃない。



幸せって、

“なにがあるか”じゃなくて、

“どう思えてるか”で決まると思う。


だから私は、

自分の感情にだけは、嘘をつかないでいたい。



たとえ今、隣に誰もいなくても。

そのことを、「寂しそう」と決めつけられる筋合いはない。

逆に、「幸せそう」と決められる筋合いもない。


私の幸せは、

私だけが知っている。





「彼氏いなくても幸せそう」って言葉、

たまに、すごく雑に聞こえる。


私は、誰かと並びたくないわけじゃない。

でも、誰かの隣に立つために、

自分の幸せを見失うような生き方はしたくない。


幸せって、比べるものじゃないんだよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ