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“忙しい”が口癖の男には、もう期待しない。

「ごめん、今日も遅くなりそう。今週やばくて」


また“あの言葉”だった。

“今週”って、もう3週間目だけど?と、

言いかけて、飲み込んだ。



“忙しい”って、ほんと便利な言葉だと思う。


体調が悪いでもなく、気分が落ちてるでもなく、

ただ「仕事が忙しい」だけで、

人と距離を取れる。


それは正しいし、

大人なら受け止めなきゃいけないって、思ってる。

でも、だからって

“ずっと後回し”にされ続けるのは、

やっぱり苦しかった。



彼とはマッチングアプリで出会った。

最初のテンポはすごく良くて、

会話のセンスも合ったし、

ごはんに行く約束もすぐできた。


でも2回目以降から、

“仕事が忙しい”が常に付きまとうようになった。


「ちょっと今はバタバタしてて」

「またタイミング合うときに連絡するね」


その“また”が、永遠に来ないことも、

もう何度も経験してきた。



私は、追う恋がしたいわけじゃない。


でも、“待ってる”だけの恋も、したくない。



LINEを見返すと、

私からの質問に、彼は答えるだけで終わってることが多かった。

会話を広げようとしない。

次の予定も聞いてこない。


なのに、なぜかブロックもされないし、

たまに向こうから「今日もお疲れ」って来ることもある。


期待させないようで、

でも完全にシャットアウトもしない。

その“塩梅”が、いちばん苦手。



本当に好きだったら、

忙しくても時間をつくるはず――

なんて言うつもりはない。


でも、少なくとも“気にかける時間”くらいは

どこかに割けるんじゃないかなって思ってしまう。


それすら無理な人に、

私はもう期待したくない。



「仕事が忙しいから」

って、

“今は無理だけどそのうち”って期待を持たせる言葉だけど、

実際は“関係を長引かせるだけの言い訳”なことも多い。


そして私はそれに何度も騙された。


いや、

“騙された”っていうより、

“信じたふりをした”のかもしれない。



その日、彼からまた

「ごめん、明日も無理そう」ってLINEが来た。


私はスタンプひとつ返して、

スマホを伏せた。


その返事はもう、

“返信を待ってない返事”だった。



恋って、

最初から“取りに行かないと成立しないもの”じゃなくて、

お互いの気持ちが

自然と前に出たときに、始まるものだと思ってる。


“私ばっかり気にしてる”恋は、

たぶん、恋じゃない。



“忙しい”は、魔法の言葉。

でもその魔法は、

「私はあなたを今、優先してません」って

正直に言ってるのと、たぶん同じ。


だからもう、その言葉を使う人には、

自分の気持ちを置いていかれないうちに、

静かに背を向けることにした。


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