3話 続続 荷物持ちの無能な少年はパーティから追放されるがパーティメンバーは悲惨な目に遭いザマァとなる
裁判所にてーー
「被告人アレックス。かの者は荷物持ちのフリをし膨大な力を隠していた。
更に様々な能力を使いパーティメンバーを欺き、3人が各々の実力を過大評価するように仕向け、生命の危機に陥らせた。
極めて悪質な行為であり、殺人未遂と認定する。
よって有罪とし40年の懲役とする。閉廷!!」
重々しい裁判長の声が響く。
ケールは裁判所から連れ出されようとするアレックスに問う。
「なんでだよアレックス…俺が何をした?俺たち仲間だったろ?」
「ケール……悪いんだがアンタを一目見た時からいけ好かなかった。
アンタみたいな成功者面した奴をハメて、スカッとしたかったんだ。
アンタで10人目のはずだった。
畜生め……今回はアンタの勝ちだよ。
だけど40年後、僕が出た時にアンタをもし探し出せたら……その時は覚えてろよ」
捨て台詞を吐きながらアレックスは退廷した。
ーー10人目だと?お前は今までどれだけの人間に不幸を……
底しれぬアレックスの悪意にケールは震え上がった。
あんな人間がいることなどケールは知らなかった。
何の見返りもなく人を貶めることが出来る。
躊躇なく人の思考に介入し状況を操り、最終的には死に導こうとする。
そんな類いの人間にあえて名称をつけるなら……
ーー悪魔。
ミミィとケールは酒場で会っていた。報酬を渡すケール。
「ありがとうミミィ。君のおかげで俺は……」
「良かったですね。だけど気をつけてください。
彼のような人間はこの町にも未だいるかも知れません。
あなたはいい人のようですから騙されやすそうです。
迂闊に見た目で人を信用しちゃだめですよ。もちろん……この私も」
「えっ?」
そう言うとミミィは去っていった。
彼女は……何だったのだろうか。
ーー考えてみれば、彼女はアレックスの企みをいとも簡単に見破り、高度らしい魔法も解除し隠蔽工作も出来た。
彼女がその気になれば俺が何もしなくても……