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第66話 昇格試験(上級)?ー3

昨日上げる順番まちがえました。

第66話 昇格試験(上級)?ー1から読み直しすみません。

「そうか、アサシンの上級職はお前か」


 俺はそのステータスを見る。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名前:シャドウアサシン

魔力:100000

スキル:無音、隠密

攻撃力:反映率▶50%=50000

防御力:反映率▶25%=25000

素早さ:反映率▶50%=50000

知 力:反映率▶25%=25000

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「魔力10万……ぎりぎりS級か。それにシャドウアサシン……スキルは隠密?」


 俺はその初めて見るスキルの詳細を見た。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

属性:スキル

名称:隠密

入手難易度:ー

効果:自身の知力が対象の知力より高いほど自身を視認しづらくする。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「なるほどな……まさしくアサシンの上級スキルって感じだな……」


 すると俺に一撃を止められたシャドウアサシンは、揺らめくように俺の視界から消えていく。

あれ? 結構ずるくない? 俺のミラージュに似てるな。


 だが神の眼を発動すれば魔力がくっきり見えるため正直あまり俺には効果がない。


 おれはそのまま後ろの二人のステータスも確認する。

ウィザードは田中さんと同じ、ファイアーボールと、ファイアーウォールというスキルを持っていた。

二つの違いは速度だろうか、ファイアーボールは威力は高いが詠唱時間が長い、大体5秒ほど。


 しかしファイアーウォールはかつて俺が田中さんに助けてもらったときのように、即時発動だ。

どれだけ続くかは分からないが炎の壁を作り出し、視界を妨げたり様々なことに応用可能だろう。


「面倒だな……でもやっぱり一番厄介なのは……お前だよな」


 もう一人、盾使いの上級職、パラディン。

前の昇格試験でも大変苦労させられた憎い敵、あの協会職員の椿さんとも同じ職業だ。


 そのスキルに『守護結界』というものがあった。


 そしてその能力は。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

属性:スキル

名称:守護結界

入手難易度:ー

効果:対象一人選択する。

その選択対象が受けるダメージはすべて自分が肩代わりする。

その際防御力は知力の分上昇する。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「めちゃくちゃ面倒だ……無視できないのか……」


 守護結界の名にふさわしい誰かを守ることに関してはピカイチのスキル。

でもやっぱりこの目はすごい、スキルの効果を知っているというだけでどう戦えばいいかの見当がつけられる。

能力を知るということは、スキルという能力の戦闘においてこの上ないアドバンテージだった。

 

 するとシャドウアサシンがパラディンとウィザードの横に立ち、かつて倒したパーティの上級職達が俺を見る。


 俺は彩特性涎の剣、失礼、龍王石の白剣を構えて相対する。

真っ白で美しい龍の力が込められた剣。

彩の愛が籠っている俺を守ってくれる最高の剣。


 眼を黄金色に輝かせ、戦闘態勢、一切の油断もありえない。


 俺は一歩一歩とここまで昇ってきた。

本物の戦士になるために命を懸けて戦って。


「ふぅ……多分お前達で終わりじゃないし……できれば無傷で勝たせてもらう!!」


 俺はミラージュを発動する。

姿を隠し、ウィザードの前に走りぬく。

ミラージュは俺の姿を隠し、ほぼ確定の一撃のはずだった。


 しかし、それは阻まれる。


 正確には、防御力の高いパラディンへ一撃が飛んでいく。

白く輝くオーラのようなものがウィザードの身体を包み込んでいる。


「これが守護結界……くそっ! めんどくせぇ!!」


 パラディンは俺の一撃を肩代わりしてよろめくが、致命傷ではないようだ。

さすがに知力+防御力では、そもそも防御力に特化したパラディンは簡単には抜くことができない。


 直後詠唱が完了したファイアーボールが放たれたので俺は一度距離を取る。

かつてのファイアーボールとは比べ物にならない熱風が生物が存在できない空間を作り出す。


 しかし俺もかつてとは明らかにステータスが異なっている。


 危なげなく躱し、ダメージは皆無。

とはいえ直撃すれば大火傷は免れないほどの小さな太陽。

これがS級のファイアーボールか。


 俺は再度ミラージュを発動させて、闇に紛れようとした。


 が、直後部屋に響き渡る怒声のような声。


「ウォォォ!!」


 それは挑発だった。


 俺は強制的に意識を持っていかれ、ミラージュは一瞬解除される。

挑発の強みである広範囲へのデバフ効果。


 その隙を逃さないように、炎の壁が俺へと迫る、ウィザードの炎の壁。


「本当に面倒だな!! じゃあお前から!!」


 炎の影が俺に迫るがそれほどの速度はないので、簡単にかわす。

その代わり視界が遮られて俺の前にはパラディンのみ。


 だがそれなら好都合。


 一番面倒なこの前衛職を先に殺せばいい。

俺はそのままパラディンへと駆けていく。


 だが俺はにやりと笑った。


 ……なぜならそれはただのブラフだから。


「……そんな簡単なわけないよな!!」


 パラディンへと攻撃すると見せかけた俺は、神の眼を発動し後ろを振り向く。

なぜなら炎の壁の奥から隠密で隠れたつもりの魔力が溢れているのが見えたから。


 この炎の壁の目的は、ただの目くらましだったのだろう。

攻撃のように見せ、俺を誘導した炎の壁が揺らめいて開いていく。


 その炎の中から現れたのは、隠密を発動した暗殺者。

にやりと笑って俺の背後から一撃を決めようとしていた。


 だから俺は気づいていないふりをした。


「本当にこの眼とお前は……」


 俺は振り向き際にシャドウアサシンの一撃をギリギリで躱す、それこそ肌にその切っ先がかすり傷をつけるほどに。

気づかれているとは思わなかったアサシンはそのまま体勢を崩す。


「最悪の相性だな!! アサシン!!」


 俺はそのまま剣を握りしめ真っすぐと全力の振り下ろしを叩きつける。

衝撃で石の地面がまるで水のようにはじけ飛び、アサシンは背中からくの字に地面に突き刺さる。


 そのままアサシンは絶命した。


「……あとはお前ら二人だな……」


 俺は白く光る龍王の剣をパラディンへと向けた。

その目は一切の恐れも油断も映さない。

アサシンを失ったパラディンとウィザードでは相手になるはずもない。


 俺は真っすぐパラディンへ。

守護結界で守られているパラディンは半減のガードとそもそもの防御力が高かった。

しかし、今の俺の攻撃を無力化できるほどではない。


 後ろで魔法を飛ばしてくるウィザードもパラディンが射線に入るように戦えばほとんど効果がない。


 三体だからこそ成り立っていた連携は、もはや二体ではどうしようもなく俺はパラディンと切り逢う。

一太刀目、パラディンの剣を打ち上げた。

二太刀目、パラディンの盾を持つ手を切った。

三太刀目、パラディンの首に剣を突き刺し、絶命させる。


 俺は倒れたパラディンを見ながら、首だけでウィザードを見た。


「あとはお前ひとりだが……降参でもしてみるか?」


 俺の言葉に一切の反応もみせず、精一杯魔法を放ってくるウィザード。

だが魔法使いが単独で騎士に勝てるわけもなく、ファイアーボールも、ファイアーウォールもすべてを躱して目の前へ。

焦るウィザードを一切の躊躇なく一刀のもと切り伏せた。

 

「……ふぅ。なんとか予定通りだな。この眼の力か。正直この眼じゃなかったらこいつらに一人で勝てるS級いるのか? ……天道さんなら……普通にボコボコにしそうだな」


 俺は少しだけ乾いた笑いを浮かべる。

あの最強の侍はきっと俺よりも戦いがうまく、俺よりも魔力も高い。


 情報は命だが、それでもきっと最適解を導くのだろうな。

それでもステータス、スキル、そして魔力の動き。

そのすべてが見えるこの眼は想像よりもチートだった。


 俺の中のチートといえば、死ねといえば相手が死ぬとか、無限レベルアップとかそういう類でこの目は正直神と名がつくのに地味だなと思っていたが。


「さてと……多分ここまでで上級は終わりだろうな。後は覚醒と呼ぶぐらいの相手がでてくるのか……」


 俺はその場で座り込み休憩しながら真っ黒な扉を見つめる。

上級相手にそれほど苦戦しなかったのは、間違いなく戦士として、そして騎士として高みに昇っているはずだから。


 その時だった。

あの音声が俺に告げる。


『……上級騎士をスキップ……覚醒騎士を召喚……属性……光……確定しました。覚醒……雷』


 俺は休息から立ち上がる。


 なんとなくだ。

なんとなくだが、次に現れるのは今までの敵とは格が違う相手だと思った。

俺は初級騎士との戦いを思い出す、あの時も死ぬほど苦労した。


 それが上級騎士をすっとばし覚醒の騎士が現れるという。

覚醒騎士と呼ばれる敵は、レイナや彩のような破格の力を持っているはず。


 それはきっと、俺が今まで戦った敵の誰よりも。


「……お前が最後の敵か。痛いほど感じるよ……」


 強い。


 真っ黒な扉、その闇の先から足だけが一歩と部屋に入る。


 俺はその敵から放たれる痛いほどの魔力を感じた。

全身が痺れるような感覚、緊張感が一気に高まり、体が冷たくなっていく。

まるでいきなり氷水にでも放り込まれたような、雷に打たれたような明確な覚悟と殺意の魔力を感じる。


 その敵はゆっくりとこの部屋へともう一歩を進める。


 そして全貌が見えていく。


 白と黄色の装飾が施された鮮やかな甲冑。

見まごうことなき騎士の佇まい。


 そして俺と目が合ったその騎士はおれに剣を向け、そして部屋の中に。


「!?」


 雷鳴が轟いた。

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