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第九話 共犯者

今回は少し短いですが更新しました!

読んでいただけると嬉しいです

静まり帰った部屋に立っている2人。


「駿くんと付き合って少ししてから、相手のお家に行った時です。

 2人っきりだったので自然とそういう流れになりました。

 その時、肩を強くつかまれ、お腹を殴られました。そしてその直後、振られました」

ユイちゃんからの告発はあまりにも衝撃的な事で、まだ理解が追いつかない真。


「け、けどユイちゃんは駿と復縁したいって言ってたよね、、?」


「それは本当です。  そして次は私が駿くんをフって仕返しします」


「けど、それなら学校とかに相談した方が駿に取っては痛手じゃないか?」


「それも考えましたが、それだと私にも影響があると考えたんです。

 駿くんは学校でも有名人ですし、有りもしない噂はあっという間に広がります。 それに学校に報告したら、私の親に知られます。

 だったら個人的に復讐するって決めたんです」

ユイちゃんの目からは確固たる決心が伝わってくる。


「なるほど、、。 やっぱりご両親も知らないんだ。」


「私の親は事を荒げない様に、示談で済ませようとします。

もしそうなったら制裁を受けるのは、駿くんというよりは駿くんの家庭になってしまいます。」


「あくまでも駿だけにピンポイントで復讐がしたいってことか」

そして真は自分がその復讐劇の共犯者にされようとしている事も理解した。


「もし、俺が協力するのを拒んだら?」


「この部屋で襲われたって警察に通報します」



ここまで話を聞かされると、ユイちゃんの決心は相当なもであり、復讐の為なら本当に通報しかねない。


それに復讐と言っても駿を殺したいとかではない。暴力を振られたユイちゃんに同情する部分もある。


入れ替わりを使えば、最悪の展開にならないように駿の言動を自分が制限することもできる。

ならば、現段階で断る理由はないだろう。


「分かった。協力する、けど教えて欲しい事が2つある。」


「そう言ってくれると思ってました! なんでしょうか?」

味方を得られたからか、復讐計画が一歩進んだからなのか、ユイちゃんの表情は柔らかくなっていた。


「ど、、」

聞こうとしたところで玄関の開く音が聞こえ、言葉を止める真。


「親が帰ってきたようです。続きはまた今度にしましょう」

ユイちゃんの言葉もあって一気に現実に戻って来たような感覚になり、

女子の部屋に2人っきりでいる事を思い出し、恥ずかしくなってきた真は帰る支度を始めた。


帰宅していたユイちゃんの母親に挨拶を済ませてから家を出て、駅へと向かうために2人は歩いていた。


あたりも暗くなり始める時間帯。駅に向かって歩く人は少なく、多くの人が帰宅のために駅から離れる様に歩いている。


「なんでわざわざキスしたんだ」


急な問いかけにユイちゃんは一瞬焦っていたがすぐ冷静になる。

「弱みを握るためかな。 その質問がさっき部屋で聞こうとした質問の1つ?」


「こんなに悪女だとは思わなかった。 さっき聞こうとした事とは関係ない。部屋で聞こうとした事は時間ある時に聞くよ」


「私の容姿や言葉使いから勝手に良い人間だと思っていたのですか?」


「そうだな」

似たような体験をしたな。っと駿と入れ替わった時の事を思い出した。

駿の学校での言動からは予想もできない家庭環境に驚かされたばっかりだった。


「容姿は生まれ持った物ですし、言葉使いは親の教育によるものです。

けど、思考は私自身の経験などから構成されたものなので容姿などとは全く関係しないですよ」


「納得。」

では、どんな経験からユイちゃんの思考は形成されたのか気になったが、ここで聞くのはやめておいた。


「送ってくれてありがと」


「いえいえ。また連絡します」


そうしてユイちゃんと別れた真は改札の中へと入って行った。


電車の座席に乗った真は一気に疲労感に襲われた。


キスでドキドキしたと思えば、衝撃の真実に恐怖すら感じた。

そして最後には脅迫。

いろんな感情に襲われ、精神はヘトヘトになっていた。


そのせいか、気づいたら真は寝てしまっていた。


誰かに肩を叩かれ、目を覚ました真は目の前に女子が立っていることに気づいた。そしてそれが誰なのかはすぐに判明した。


「乗り換えなくていいの??」

そう教えてくれたのは香織だった。


ユイちゃん家から自宅に帰るには高校の最寄り駅で乗り換える必要がある。


「あ、、、、」

真が言いかけたその時、車両の扉が閉まり自宅とは違う方面に向かって電車は出発してしまった。


「次の駅で乗り換えるわ」


「そうしなw 用事は済んだの?」

寝過ごしたこの状況を香織は笑っている。


「用事が済んでその帰りだった」


「香織は部活終わり?」


「そう!コンクールがあるみたいでさ、久しぶりに顔出したんだよね」


「絵が完成したら見せてよ」


「良いけどあまり期待しないでね」


そんな会話をしているうちに隣駅へと到着し、真は乗り換えるために電車を降りた。


人気が少なくなった駅のホームの椅子に座る真。

いつも元気そうに見える香織だけど、香織も大なり小なり何か問題を抱えてたり裏の面があったりするんだろうなと考えていた。



読んでくださりありがとうございました!


近いうちにまた更新したいと思ってます

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