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第十五話 復讐心の源

更新が遅くなりすいませんでした



学校を後にした真はユイちゃんとの待ち合わせ場所に向かっていた。

スマホを確認すると、ユイちゃんからのメッセージが一件入っている事に気が付いた

「前回と同じ場所で待ってます」


待ち合わせ場所を再確認した真は、待ち合わせ場所に向かうために電車へと乗った。


前回と同様、改札を出るとそこにはユイちゃんが1人で立っている事に真は気が付いた。


「お待たせ」


「そんなに待ってないので大丈夫ですよ」

そう言って先に歩き出したユイちゃんの後を付いていく様に真も歩き出した。


向かってる先はユイちゃんの家の方角だが、今回も家に行くのかどうか真にはまだ分からないでいた。


「今日はそこの喫茶店で話しますか?」

真の思考を読んでいたかのごとくユイちゃんが提案してきた。


「その方が助かるかも、、。」

前回、家で起きた事を考えたらお互いその方が気持ち的に楽だろう。


「ではそうしましょう」

そうして2人は個人でやっている喫茶店に入った。


真はコーラを、ユイちゃんはホットの紅茶を注文したところで会話は始まった。


「そういえば、香織からユイちゃんがモデルになった絵を見せてもらったよ」

いきなり本題には入らず、それとない日常会話から真は始めた。


「なんだか恥ずかしいですが、私はあの絵が好きなので嬉しいです」

ユイちゃんは頬を赤くしながらも、嬉しそうに笑顔になっている。


「真君は香織ちゃんをどう思ってるんですか?」


「うーーん、、仲良い友達かな?」

ここに来る前の美術室でも同じ様な会話をしたなと思いつつ、真は答えた。


「そうですか。お二人はお似合いだと私は思いますよ?」


本心なのか、からかっているのかはユイちゃんの表情からは読み取る事はできない。


「ないだろー。てか、香織は自分の恋愛について全然話さないしよく分からないんだよね」


「香織ちゃんとは中学の時から仲良いですが、恋愛にはあまり興味が無いって感じなんですよね。私みたいに何か隠している可能性もあるかもしれませんが」


「女子って怖いな」

真がそう言ったところで注文していた飲み物が運ばれてきた。


お互い、自分の飲み物を一口飲んでから会話が再開した。


「そうですか?男女関係無く、みんな何かしら隠し事はあるものだと私は思っていますよ。」


「確かにな、、」

真にも隠し事があるのは事実だし、否定はできない。


「そういえば、駿くんのこと何か分かりましたか?」



「無くはない。けどその前に確かめておきたい事があるんだけど」

駿について分かった事はあるが、どこまでユイちゃんに話していいのか真はまだ決めかねていた。

「なんでしょうか?」


「ユイちゃんのその復讐心は駿の暴力に対するもの? 駿の暴力は認められる事じゃないと俺も思う。けど、わざわざ復縁までして復讐したいと思う原動力が知りたい」


ユイちゃんは持っていた紅茶のカップをテーブルに置き、少し間を取ってから話始めた。


「私にもよく分からないんです。人生で初めて自分自身が暴力を受けた事によって、私自身も自分の新たな一面に気づいた感じです」


ユイちゃんは更に続けた。


「多分、、ですが、親に大切に育てられた私は、自分でも自分自身の事を大切に思うようになっていったんだと思います。その感情が暴力といったキッカケで表に出てきたんだと思います」


ユイちゃんは自分の事を他人事の様に冷静に分析していた。


「なるほどね。 最後にもう一つ。駿と知り合ったきっかけって覚えてる?」


「自分で言うのもあれですが、ありきたりなパターンです。SNSでメッセージ送ってそこから始まりました」


「そっか。それならよかった」

真は、ユイちゃんが石崎の紹介で駿と出会っているパターンを恐れていた。


「よかったですか?」

状況が読めないでいるユイちゃんに真は説明を始める。


「最近俺も知った事なんだけど、駿は友人から自分の欲求を満たす為だけに女子を紹介してもらってるみたいなんだよね」

真は自分でそう言いつつも少し心が痛んだ。

女子に暴力を振っているのが事実とはいえ駿は友人でもあるからだ。


「欲求というのは、、性欲ですか?」

ユイちゃんは少しためらいがちに聞いてきた。


「それもあると思うけど、暴力の為にでもあるみたい」


恐る恐る言った真はユイちゃんがどんな反応するのか怖かったが、ユイちゃんはこの事を知っても冷静でいた。もしくは冷静を装っていた。


「そうですか、、。これで心おきなく復讐できるの安心しました。一度は好きになった相手なので、少し躊躇しようとする感情もありましたがこれで吹っ切れました」


ユイちゃんは笑顔を見せたが、内心では怒りの炎が燃え上がってるに違いないと真は確信していた。


そして真はもう一つの真実もしっかり伝えておく。

「信じるかはユイちゃんに任せるけど、駿はユイちゃんに本気だったし、別れた事を後悔してるみたい」


「そうですか」


ユイちゃんからの返事は一言だけであったが、どう受け取ったかは今後のユイちゃんの行動で明らかになるだろと思い、真はそれ以上聞くことはしなかった。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!


近いうちに次話公開します

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