頼むから壊れてくれ
頼むから壊れてくれ
降り注ぐお天道様も
端から端までかかる雲も
すすり泣く雨も
泣き笑いの桜も
全て
壊れてくれないか
瓦解して
崩れ落ちて
なにかの間違いで
世界の支えがはずれて
それで、ぱっと散って
儚くもなんともなくて
ただ全てが
ガラスが割れるように
どれもがどれかの
破片であったかのように
壊れてくれないか
もう文句は言わないから
アスファルトの上に
花を咲かせよう
風に揺れよう
足の裏から伝わるものが
膝を折り、手を地面につかせる
このまま
瞼を閉じて
ずっと、ずっと
夜
夜
夜
夜
夜
夜
。
朝