河原
ぼくとママさんは二人で川のそばをお散歩した。
ぼくはママさんに抱っこされたままだった。
少しだけママさんから悲しい気持ちが伝わってきた。
だからぼくは、ママさんの顔をいっぱいペロペロした。
ママさんはそれでも少し悲しそうだったけど、少し笑ってくれた。
「ゆきちゃん。ありがとう。一緒にここへ来てくれて。一緒にここまで来てくれて。」
ママさんは寂しそうに遠くを見ながらそういった。
どうしたの?なんでそんなに悲しそうなの?ぼくどうしたらいい?
ぼくはわからなかったから、ママさんの首元にペタンと身体をくっつけることにした。
ママさん、ぼくはママさんと一緒だよ。ずっと一緒だよ。
この思いがママさんに伝わる様にって、何度も何度もそう思いながら、ママさんにくっついた。
どうしてぼくの言葉はママさんに伝えられないんだろう。もしぼくがママさんと同じ言葉をしゃべれたら。
ぼくはいっぱい悩んで、何も見えも聞こえもしなくなっていた。
うーん、、うーん、、、
頭が熱くなって、ぼーっとしだした。
そのとき、ぽんっとやさしく頭が撫でられるのを感じた。
目を開けるのを忘れていたぼくは、思わず目を開けると、ママさんがこっちを見て優しく笑っている。
「大丈夫だよ、ゆき。あなたと私はずっと一緒。これからもずっと一緒にいよう。」
ぼくは、ぱっと嬉しくなった。思わず世界が明るくなった気がした。
ママさんにぼくの思いが伝わった!ママさんもぼくと同じ思いなんだ!
嬉しくて嬉しくて、ぼくはママさんの顔をいっぱいペロペロしてあげたんだ。
お空からはまた少しゆきがヒラヒラし出した。少しずつ寒くなって来たかもしれない。
でもぼくはママさんの胸の中でとっても暖かかったんだ。