表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

河原

ぼくとママさんは二人で川のそばをお散歩した。

ぼくはママさんに抱っこされたままだった。


少しだけママさんから悲しい気持ちが伝わってきた。

だからぼくは、ママさんの顔をいっぱいペロペロした。

ママさんはそれでも少し悲しそうだったけど、少し笑ってくれた。


「ゆきちゃん。ありがとう。一緒にここへ来てくれて。一緒にここまで来てくれて。」


ママさんは寂しそうに遠くを見ながらそういった。

どうしたの?なんでそんなに悲しそうなの?ぼくどうしたらいい?

ぼくはわからなかったから、ママさんの首元にペタンと身体をくっつけることにした。

ママさん、ぼくはママさんと一緒だよ。ずっと一緒だよ。

この思いがママさんに伝わる様にって、何度も何度もそう思いながら、ママさんにくっついた。


どうしてぼくの言葉はママさんに伝えられないんだろう。もしぼくがママさんと同じ言葉をしゃべれたら。

ぼくはいっぱい悩んで、何も見えも聞こえもしなくなっていた。

うーん、、うーん、、、

頭が熱くなって、ぼーっとしだした。


そのとき、ぽんっとやさしく頭が撫でられるのを感じた。

目を開けるのを忘れていたぼくは、思わず目を開けると、ママさんがこっちを見て優しく笑っている。


「大丈夫だよ、ゆき。あなたと私はずっと一緒。これからもずっと一緒にいよう。」


ぼくは、ぱっと嬉しくなった。思わず世界が明るくなった気がした。

ママさんにぼくの思いが伝わった!ママさんもぼくと同じ思いなんだ!

嬉しくて嬉しくて、ぼくはママさんの顔をいっぱいペロペロしてあげたんだ。


お空からはまた少しゆきがヒラヒラし出した。少しずつ寒くなって来たかもしれない。

でもぼくはママさんの胸の中でとっても暖かかったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ