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蠢く知識の化身  作者: ペンペン
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序章(仮)

完結の予定がありません。

赤黒く蠢く肢体を持った生き物がいた。


地を這い、血を吐き、智に飢えたその生き物。


己に全てを刻み込むため、解析、改造、拡張を続け、自己の変化すらも記録し、刻み、最適な解答を探し続けた。


その生き物にとって自己の拡張は必須であった。効率の悪い足、想像していた要求に答えきれない腕、無駄だらけの臓器、人の枠組みを超えられない未熟な頭脳。満ち足りぬ欲求は自己の枠組みすらも取り払っていた。





足はこの形でなくても良い。たった2本しかない足では動かすために片足を地に着けねばならず、残った自由に動かせる片足では周囲の全てに足を運ぶことはできない。足先で地を探り、存在するすべての物体を理解しなければならない。


腕はこの形でなくても良い。日々過ごす中、太くなったこの腕は、指は、細部を探ることに不向きすぎた。細かく、長い、そして、しなやかで弾力性のある、そして、私の要求を満たせる、硬さ、力も無ければならない。


臓器はこの形でなくても良い。要するに肉体を存続し続けられればいいのだ。物を取り込み、物から肉体に必要な要素を取り出し、全身に行きわたらせればいい。


頭脳はこのままでは理想に届かぬ。生きた人を拐い、思考を奪い、私の思考を写し、思考し続けるだけの栄誉を与えた。


身体に方陣を刻み込み、暴走させ、定着させる。腕に方陣を刻み込み、暴走させ、定着させる。脚に方陣を刻み込み、暴走させ、定着させる。頭に方陣を刻み込み、暴走させ、定着させ、同期させる。

私の身体は10の年を跨ぎながら、徐々に、変化していた。

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