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何気ない恋

男子の部屋で必ずやること

作者: 恋熊

休日、俺こと木崎直人の家での出来事だ。


「エロと萌えっていうのはさ、両立できると思うんだよ」


いきなり俺の友人の1人がそんなことを言った。


身長は190を超え、メガネを掛けた短髪の男。

切れ長の目に整った顔立ちはイケメンと言って差し障りないが、いかんせん中身が残念なのでそんなにモテない。


こいつが先日罰ゲームをナンパにしようと提案した張本人、鹿島隼人かしまはやとだ。


現在、俺の部屋にはコイツと俺を含め4人の男が集まっている。


隼人以外の面子は田代たしろ永光ながみつというやつだが、普通の奴らだし紹介は割愛する。


とりあえず俺達はよくこの4人で遊ぶことが多い。


今日もそんな集まりの中での出来事だった。


「え〜?でもさ、萌えって大体女の子の可愛さに対して抱く感情じゃん?エロい女を可愛いって思わないと思うんだけど」


田代がそんなことを言う。


というか男4人が集まってする話の内容がこれって滅茶苦茶気持ち悪い気がする。


「よく考えるんだ田代。そこに可愛い女の子がいたとする」

「いやいないだろ」

「いると仮定するんだよ。それで、目の前で風でスカートが捲れる」


どんな仮定だよ。


「その時、女の子は顔を真っ赤に染めてスカートを抑えるわけだ。そんな仕草を見てどう思う?」

「「か、可愛い・・・」」


田代と永光が声を揃えて呟く。


こんなのが、俺の友人なんだよなぁ。


「なんだ直人。納得がいってないという表情だな」

「今の話以前に、そんな話をするために俺の家に集まってる事態に納得がいってない」


暇だから誰かの家集まろうって話だったけど、こんな話をするために集まるってわかってたら俺は部屋を貸さなかったぞ。


「フッ。わかっているぞ。お前だって男だ。スケベ心くらいあるに決まっている」

「そのドヤ顔やめてくれない?」


なんか無性に腹立つんだけど。


「可愛い女の子で想像が付かないなら、もっと身近な女の子で考えるんだ。お前だって、出会った人の中で可愛いって思った子の300人や400人はいるだろう」

「そんな単位の人数を可愛いって言ってるからお前は残念なんだよ!」


しかもコイツは節操もないし。

初対面の女の子にその子の性的にグッとくる場所を1時間以上話してる様な奴となんで俺は友達をやっているんだろう。


とはいえ、俺も男だ。


思わずさっき隼人が言っていたことを美鳥で思い浮かべてしまう。


『きゃっ』

『き、木崎くん・・・見た?』

『もぉ〜』


ぶふっ!


「どうした直人。いきなり鼻血なんて出して」

「なんでもない。少しチョコを食べ過ぎただけだ」

「いつ食べたんだそんなもの」


スカートの中身は○Rエリア外のため見られなかったが、恥ずかしがる美鳥の表情と声、仕草を思い浮かべると非常にヤバかった。


「もしかして、さっき鹿島くんが言ってたことを想像してたんじゃない?」


田代がそんなことを言う。

コイツ、なんて鋭いんだ・・・。


「日向さんで」


・・・・。

前言撤回。

俺の勘違いだった。


「なんでそこで湊が出てくるんだよ」

「なんでって、お前と日向が夫婦だからだろう?」


隼人がバカを言う。


「誰と誰が?」

「お前と日向が」

「なんでそうなるんだよ」

「むしろ俺は、あそこまでイチャイチャしていてそんな反応になる意味がわからない」

「イチャイチャ⁉︎」


俺と湊がいつイチャイチャしたって言うんだ!


「馬鹿馬鹿しい。そんな下らない話しかしないんなら、どっか遊びに行こうぜ」

「そうだな。ナンパでもしに行くか」

「「「1人でやってろ」」」


隼人の言葉に3人の声が揃う。

流石に2人もそこは反対なんだな。


ーーーー。

ーーーーーーー。


部屋から誰もいなくなった後。

こっそりと誰かが入ってくる。


「潜入成功〜」


日向湊だ。


「最近なおくんったら変に色気付いちゃって。この際だから、変なものがないかチェックしないとね」


と言いつつ、その顔は大変いやらしく笑っている。


要するに、エロ本でも見つけてからかいたいだけなのだ。


「なおくんなら絶対この辺りに〜」


湊は机の裏を探る。


「おっ?あったあった」


湊はそれを手元に持って来て、物を見る。

そして固まった。


「なっ、なにゃななななにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」


湊は顔を真っ赤にして震える。


湊は慌てて部屋の中を探す。

ベッドの下とか、天井の照明の中とか、クローゼットの中とか。


というか天井の照明って、そんなとこに隠しても燃えるだろ。


そして、見付けた物を全て見回し、更に顔を真っ赤にする。


「わ、わわわわわわ」


そしていつまでもその場から動こうとしない。


なので、俺はそのまま部屋の中に入る。


「お前、人の部屋で何やってんだよ」

「なっ、なおくん!なんで⁉︎」

「お前がまた馬鹿やるだろうと思って、罠張ってたんだよ」


俺は部屋から誰もいなくなったら湊がこんなことをするだろうと思って、わざと部屋を出た。

勿論、俺達4人は外に出たフリをして中の様子を見ていたのだ。


ちなみに湊の心理描写は俺の想像である。


そして、俺は湊が確認していた物に目を落とす。


そこには、俺が用意したダミーのエロ本があった。

本物は隼人の部屋に避難させてある。

問題は、隼人が返してくれるか、ということだけど。


そして、そこにあるダミーのエロ本は全て湊の顔に変えたコラージュ写真になっていた。

際どい水着の写真も、水着の代わりに手で隠しているものも、全て湊の顔に。


「なおくんのド変態!」

「なんで⁉︎」


そんな反応をされるなんて心外だ。


「確かに、エロ本のグラビアアイドルの顔を全て幼馴染の顔にすり替えてるのはかなり変態度と好感度が高いな」

「隼人まで⁉︎」


「確かに、そんなものを作る熱意はすごいよね」

「直人は日向さんのこと好き過ぎでしょ」


田代や永光までそんなことを言う。


「いやいや、これは別にそういうんじゃないんだよ。な、ちょ、ちょっと待って皆!」

「いやぁ〜、愛され過ぎてつらいな〜」


そう言う湊は頰を赤くして何かを誤魔化してる感じだ。


「お前ら本当に夫婦だな」

「「ひゅーひゅー」」


「やめろ!」


後日から、俺が『湊のエロコラ画像を作るほど湊が好き過ぎる変態』として噂になってしまった。


・・・勘弁してくれ。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  ストレートな表現が好きです。 [一言]  誤って感想を消してしまったのでもう一度だけ書きます。男はそういう生き物なのかもしれません。
2017/04/18 11:14 退会済み
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